リョーマ錬金術を学ぶ2



  



             たった一人でリゼンブールという田舎に飛ばされたリョーマ。

             そこで最初に出会った金髪の少々背の低い少年エド(勿論リョーマも人の

            ことは言えない/笑)と意気投合して、彼から錬金術を教えて貰えることに

            なったのだが……



            「で、先ずはどうするんスか?」

            「あぁ、ちょっと待ってろ」

            「っス」

            「よいしょっと!!」

            「何、この本?」

            「今から読むんだよ。お前が」

            「……俺は錬金術ってゆーやつ教えて貰いにきたんだけど?」

            「俺もそのつもりだ。だから、まずこの本を全部読んで最低限の知識を頭に

            叩き込むんだよ。お前基本的なこと何にも分かってないからな」

            「仕方ないじゃん。俺の世界には錬金術なんてないんスから……」

            「ほら、さっさと読め!! 時間はどんどん過ぎてくぞ」

            「面倒臭い……」

            「あぁ? なんか言ったか?」

            「えいっ!」

             リョーマは初めてエドと会った時、エドがしていたように両手を胸の前で

            パンと合わせて、それから両手を地面、今の場合だと床についた。その瞬間

            部屋中いっぱいに目映い閃光が広がる。二人が眩しさに目を閉じ、再び開け

            た時、リョーマの両手の先には……



            「ほあら〜」

             カルピンがいた。



            「カルvv」

            「ほあら〜」

            「…………」

            「本なんか読まなくても出来るじゃん!」

            「ち、ちがぁーーーーう!! それは錬金術じゃねぇ。錬金術の原則は等価

            交換だって言っただろうが。お前がやったのはどう見ても“召喚”だ!!」

            「召…喚?」

            「ああ、そうだ。魔術の、魔法の一種だ。錬金術とは全然違う!!」

            「ふ〜ん、違うんだ。でもカル来れたから俺的には何でもいいやvv な〜、

            カル?」

            「ほあら〜」

            「何でもいいじゃねぇ!! 俺の言うことをちゃんと聞け!! 間違ったこ

            とをすると大変なことになるんだぞ!!」

            「エド細かいこと一々気にしすぎっス。終わりよければ、全てよしっていう

            じゃん?」

            「知るかっ!!」

            「牛乳飲む?」

            「な、な、な、なんて単語を口に出すんだお前は!! それはこの世界では

            最大の禁句だ!!」

            「そうなんスか!? いいっスね」

            「?」

            「俺も嫌い。てか、別に飲まなくても死ぬわけじゃないんだから強制しなく

            てもいいのにあの先輩は……」

            「……お前も嫌いなのか?」

            「アレは人間の食べるモノじゃない!!」

            「だよな!! でも、シチューは神秘だ!!」

            「そうっスね。エドなかなか話分かるじゃん♪」

            「じゃあ、今晩の夕食はクリームシチューにするか?」

            「っス」





             こうしてここに『牛乳撲滅同盟』が完成した(笑)

             そして、新たな仲間(?)も増え、賑やかになるエルリック家。

             益々暴走していくリョーマと歯止めの役に徹しきれないエドワードの錬金

            術マスター講座はまだまだ続くのだった。












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