雨のコンビニ


  



 梅雨に入ってじめじめとした日が続いていた。

 リョーマはテニスが出来ないイライラがかなり溜まっていて、いつ爆発しても

おかしくない状況だった。



「リョーマ君。気分転換に買出しに行かない?」

 そう提案したのは悪魔の化身・不二だった。

「じっとしていてもしょうがないっスから、別にいいっスよ」

 ちょうど雨が上がり少し出掛けるのにはいい条件だったが、テニスをするには

コートが濡れてしまっているため最悪の条件だった。

 その合間をぬっての雨上がりを不二が見逃すはずがなかった。

 大石が用意していた買出しリストを消えるサーブのごとく奪い去った不二は一

応傘を手に持ちすでに出口で少年を待っていた。

「それじゃあ、行ってくるっス」

 リョーマも傘を手にすると手塚を始めとする部員に小さく頭を下げると部室か

ら出て行った。

「……おちび、こえ〜よ」

 テニスが出来ないことで全員がいい感情を持っているわけではなかったが、リ

ョーマの不機嫌の悪さはピカイチだった。

 菊丸のそんな言葉に全員が頷く。

「けど、不二先輩と二人っきりで大丈夫なんすかね?」

「……」

「……」

「……」

「……」

 桃城の思いがけない言葉に全員が固まった。












「いらっしゃいませ」

 じめじめとした外から店の中に入るとそこは冷房が効いており快適な空間だっ

た。

「……」

「どうしたの?」

「なんでコンビニなんスか?」

 不二に連れられるままやってきたリョーマは不信な表情をする。

「買いたいものがあるんだよ」

 不二はリョーマにかごを持たせると店内をぐるっと回る。

「リョーマ君ファンタいるよね?」

「……」

 嫌な予感がするリョーマは今からでも先に帰りたかったが、不二の目がそれを

許してくれそうにもなかった。

「あった」

「……っ」

 不二が手にしたもの。それは……。










「な、な、な……っ」

 不二が手にしたものを見てリョーマは言葉を失った。

「何を買おうとしてるんスか!」

 さすがに大きな声を出せば怪しまれると思い小声で話すがリョーマの顔は真っ

赤である。

「だって、リョーマ君。した後気持ち悪いっていつも言ってるじゃない」

「……っ」

「君のためだよ」

「バカー!!」

 かごを不二に押し付けるとリョーマは店を全力疾走で出て行った。

「可愛いな〜」

 不二は手にしていたものを元の場所に戻すとリョーマのためにファンタを多め

に買うのだった。













   ◆◆コメント◆◆       秋矢ありがとう〜vv       君の不二リョ何年ぶりに読んだのかな?       相変わらずな不二先輩ですね。       ほんとリョーマ君可愛いわ♪ いいなぁ不二先輩……       管理人もリョーマ君で遊びたい(←オイ!!)       このSSは最近管理人が不二リョを書きたいと秋矢にこぼして       いたら、秋矢が突然くれたものです♪       管理人の駄文とは違うので、いい感じだったと思います。       ちなみに、この後顔を真っ赤にしてリョーマが部室に帰って       きたので、皆がとても心配していたらしいです。       まあ、もともと危惧してましたかねぇ。       それが真っ赤になって帰ってきたら当然心配するでしょう?       あと、不二が手にしたもの分かりましたよね?       そう、ゴム製品ですよ(笑)       最後にもう一度、       秋矢、素敵なSSありがとう!!m(__)m         2005.05.21 如月水瀬