16.それぞれの道行き センターはまずまずの結果だった。あとは高校卒業後の二次試験を残すのみだ。 周りには私立進学決定の奴や、推薦合格の奴がいて、焦りも少し感じるけれど、 頑張ると決めたからには、絶対合格するんだ。 学校での補修を受け、自宅では予想問題集を広げる。今までの自分は何だったのだろうかというような 頑張りぶりだ。 きっとイルカも頑張っている。他の同級生だって不安と焦りの中頑張っているんだ。そう思うとやる気も負けん気も 沸いてくるから不思議だ。 ふとカレンダーに目を向ける。…もう少しで卒業式だ。別れの時が近づいてくる。 17.卒業証書 名前を呼ばれて、返事をして立つ。少し声が震えた。 3年間なんてあっという間に過ぎてしまった。イルカと出会うまでにも色々なことがあったし、 出会ってからも色々なことがあった。勉強も遊びもそれなりに楽しくて、結局は自分も この高校生活が好きだったんだ。 同級生に、担任に、親父に、イルカに―― 校歌を歌った後に、心の中で『ありがとう。』と呟いた。 18.Youthful days 喧嘩することも、傷つくことも 喜びを分かち合うことも、馬鹿みたいに騒ぐことも 出会ったことも、分かたれた道を歩むことも 全てひっくるめて青春と呼ぶんだろう |