「おやおや、見事に積もってますね。」 背中合わせにもたれあいながら、二人一緒に窓の外に目をやると、そこは一面の銀世界。 結構な量積もったなと感心していたら、背中越しにイルカ先生が呟いた。 「俺は雪は嫌いです。」 「どうしてです?」 「だって、あなたを見つけられなくなりそうだから。」 言うなりイルカは、カカシの髪をわしゃわしゃとかき回すように撫でた。 「…カカシさんって白いでしょ。だから雪の純白色を見ると、カカシさんがいなくなるような 気がするんですよ。」 だから不安なんです、と窓から視線を外さずに呟くイルカに、カカシは無言で更に背中越しに体重をかけた。 「…重いです。」 ついに文句を言い出したイルカに、カカシは密やかに笑みをこぼした。 「重いでしょ?オレはここにいるんですよ。」 だからしっかりと受け止めていてほしい。 「…本当は、イルカ先生になら何処にいても見つけてもらえるような気がするんですよ。それにオレは …そこまで生っ白くないです。」 確かに自分は銀髪だし、なんとなく色素が薄いような感じはするけれども。…微妙に傷ついたことは内緒だ。 「…そうですね。あなたはここにいるんですよね。」 馬鹿なこと言ってすみませんでした、とイルカはすまなさそうに笑い、お返しとばかりにカカシの背中に 体重を預けた。 今日は一日、二人でごろごろしよう。 |