※画像は
「おがわ ゆきと」氏
の許諾を得て使用しております。
他のメディア等への転載は禁止します。
※BGMは、かつて
「WAKABA'S MUSIC PAGE」
で公開されていた
フリーサウンドであり、「WAKABA」氏の著作物です。
静かに淡々と、そして心にしみわたる・・・
当初、私の中ではかなり低い評価だった
『little lady』
。それなのに、なぜレビュー文を書くほどまでに評価が上がったのか?
(基本的に、私は気に入った作品しかレビュー文を書きません) それはこのビジュアルノベルの構成と深い関係があります。 『little lady』 は 全体が大きく3編に 分かれています。メインストーリーが3部構成の 「娘編」 、そしてサブストーリーが 「舞編」 「ユミ編」 です。 初めに メインストーリーの「娘編」 をプレイするのが常識だろうということで、私もそれにしたがってプレイしました。 ・・・確かに 「可」レベルのシナリオ、ビジュアル、BGM ですが、ただそれだけという感じでした。淡々とした描写で進み、そこそこのイベントは用意されていましたが、「娘編」という名前からある程度エンディングが想像できることから、 「この先いったいどうなるのだろう?」というドキドキ感が得られませんでした 。 そうこうしているうちに、プレイ時間がとれなくなるほど、公私とも忙しくなり、 『little lady』 は数ヵ月の間忘れ去られることになってしまいます・・・ ある日、ホームページのレビューネタに困った私は、ふと 『little lady』 のことを思い出しました。 「そういえば最後までプレイしていなかったっけ。」 手付かずで残っていた 「舞編」 「ユミ編」 をプレイ・・・なんだ、コレはっ!淡々とした描写は同じですが、 シナリオはとても同じ作者とは思えないほど衝撃的 であり、 ある意味「残酷さ」まで 持ち合わせています。それでいてメインストーリーで成長を見守ってきた 娘「アン」のエピソードとしての意味合いもバッチリ 。 少々ストーリー進行が強引な面もありますが、それを補って余りあるインパクトを持ったシナリオ。 その他の要素はやはり「可」レベルの域を出ませんが、それを気にさせないだけのパワーで読む者に迫ってきます。 |
この作品の長所を一言で言うと、
「メインとサブの位置づけが斬新」
であることです。つまり
『little lady』
においては、
「サブストーリーを見せるためにメインストーリーがある」
のです。私が知りうる限り、サブストーリーが中心的な役割を持っている作品はありません。狙ったわけではないのかもしれませんが、結果的にこの
「変則3編構成」
はプレイする人に
『little lady』
を印象づけるうえで非常に効果的です。
というわけで、 「娘編」 で 『little lady』 をすっかりナメていた 私は、続く 「舞編」 で痛恨の一撃をくらい 、 「ユミ編」 でとどめを刺されてしまいました ・・・。 背景画像に娘「アン」の愛らしい姿を貼り付けていますが、 『little lady』 をプレイするときはくれぐれも油断しないように・・・ |
(2006/08/27)