Review No.G-003

魔導物語
    (C)コンパイル

アルル、いっきま〜す!


ばよえ〜ん、ファイアー、やったなぁ〜

 まずは『魔導物語』の歴史をさらっと流してみます・・・
  『魔導物語』 が初めて登場したのは、今は無きMSX 版『DiscStation』でのこと。単なるディスクマガジンの1コーナーにすぎなかった 「しゃべるRPG」 は、その後MSX 『魔導物語1−2−3』 、PC−98版 『魔導物語A・R・S』 として発売され大旋風を巻き起こす。PCM音源が普及した今となっては当たり前になってしまったが、 PSG音源で出力される 「マジカルボイス」 は当時としては驚異的な音質を誇り、文字テロップなしでもはっきりと聞き取れるほどであった。さらに、敵キャラクターの ぷよぷよ は日本製「落ちものパズル」最大のヒット作となり、『魔導物語』の主人公・ アルルカーバンクル と並んで、今もコンパイルの顔であることはご存知のとおり。今も新シナリオがWindows95他、各種コンシューマー機で作られ続けている。

 ま、初めて『魔導物語』をプレイしたときのインパクトはとにかく強烈だったことは確か。あんなにはっきりとしゃべってくれるとは・・・。それに加えて、 登場人物&アイテムの個性的 なこと。ゲーム内容に反して、 BGMがカッコいい こと。 シナリオがほのぼの していること。戦闘でやられても、「死」ではなく 「ばたんきゅ〜」 ですからね。これも新鮮でした。新鮮と言えば、 パラメータが一切数値で出てこない こと。このゲームでHPなどが数値で出てきたらイメージぶち壊しだったところです。
 それまでのRPGの常識をことごとく破って登場した『魔導物語』。普通、ヒット作の後には類似作品がドッと出てくるものですが、これには似たような作品は続きませんでした。それもそのはず、 あのクオリティの音声はどのソフトハウスも作れなかった のです。今はデジタル録音するだけで作れてしまうんですねー (しみじみ)
 コンピュータ上でいろいろな表現が可能になったことで、逆に作品ごとの個性がなくなってきているような気がします。各ソフトハウスには今一度、アイディアで勝負していたころを思い出してほしいと思います。

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