Review No.G-013


FREEJIA 〜回帰の果てに〜

2004 DCC Prodused

※タイトル画像、BGMは 「DCC」 の許諾を得て使用しております。
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できることなら、もっと物語に入って行きたかった

 この一文はRPGである 『FREEJIA』 に対する感想ではなく、 『FREEJIA』 をクリアしたときの私の気持ちをそのまま表したものです。 プレイ時間の制約から、本当にもったいないプレイの仕方をしてしまった と思っています。
 ない暇を見つけては半年以上かかって少しずつ少しずつ進んでいったものですから、ストーリーの流れがよくわからなくなってしまいました。 退屈を感じる暇もないほどイベントが惜しげもなくつぎ込まれて いたり、 誰もが納得するであろうストーリー展開 など、 プレイする人を楽しませようとする作り手の意欲がひしひしと感じられる作品 だっただけに、それに応えられるロールプレイができなかったことが悔やまれます。



 さて、ゲーム内容のほうに入っていきますが、 典型的なフィールド型RPG ・・・というと「何の工夫もされていない」ゲームの場合に良く使われる、とりあえずの褒め言葉だったりすることが多いのですが、 『FREEJIA』 の場合は、 「完成度が高い」 という意味に解釈してくださいね。街だけではなく、森の中だろうと洞窟の奥だろうと、 至る所に意表をつくイベント が待ち構えているので別の意味で気が抜けません。 失敗すると嫌味に映る危険性があるお笑いイベント も、本編のストーリーがしっかりしているからこそ、作るほうも自信を持って配置できるのでしょう
 ただし私は、おそらくかなり数のイベントを見逃してしまったことと思います。「DCC」のみなさん、ごめんなさい。
 しかし、それにしても ヒロインのフリージアまであんなことに なってしまうストーリーというのは、 思いどおりにならない現実世界を表現 しているようで、考えさせられてしまいます・・・
 ゲームシステムは 『RPGツクール2000』 で、グラフィックやBGMなどもフリーの素材を多用しているとのことで、 ある意味「寄せ集め」の材料でできているゲーム なのですが、単にくっつけたモノとはまったく違います。 それぞれのいいところをうまく引き出し、組み合わせ、新しい命を吹き込むのに成功 しています。
 「DCC」のメンバーの意欲と、それをうまく統合することのできる人の存在が、作品を通じて垣間見えます。



 限られたツールの中でこれだけの作品を作り上げた「DCC」ですから、ゲームシステムを含めてすべてを1から企画されたら、どんなゲームができあがるのか、一度見てみたい気もします。時間さえあれば、制作側に回るのもおもしろそうなのですが、 クリアするのに半年以上かかるような状況では到底無理 ですね・・・
  次回作も、 プレイする人を楽しませるのが好きな人の集まりだからこそ作れるゲーム というのを、ぜひ見せてほしいと思います。

(2005/06/26)

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