『マクロス
7
』 & 『マクロス
ダイナマイト
7
』
(C)ビッグウエスト/マクロス7製作委員会
初代 『マクロス』 の「リン・ミンメイ」が愛らしいアイドル歌手であったのに対し、 『マクロス 7 』 の 「ファイアー・ボンバー」 はバリバリのロックバンド。「ミレーヌ・F・ジーナス」というミンメイの名残りは残してあるものの、メインボーカルの「熱気バサラ」はパワーのある歌唱をぶつけてくる。最初、この大転換には正直とまどった。歌の美しさを捨てて、パワーを前面に出したりして、キャラクターの嗜好に偏りがあるアニメファンがついてくるだろうか? しかし、そんな心配はすぐに消し飛んだ。それは、 ファイアー・ボンバーのサウンドが「アニメ用」ではなく、「本物」だった からだ。
ここからは私の勝手な判断だが、アニメとしての『マクロス7』はそれほど見るべきところはなかったように思う。しかし、架空のロックバンド「ファイアー・ボンバー」はアニメ抜きで十分通用する。その証拠に、現実に彼らのアルバムはヒットチャートの上位に顔を出しているのである。逆に『マクロス7』のほうがファイアー・ボンバーの人気にあやかってヒット作となったと言ってもいいのではないだろうか。
さて、 『マクロス ダイナマイト 7 』 である。今回はTVシリーズではなく、OVAという形になっている。こうなると、ビデオ、LDの売り上げと音楽CDの売り上げを比べるのは馬鹿らしい。CDの圧勝であろう。かく言う私も「CDのみ購入者」の一人である。繰り返すが、ファイアー・ボンバーはアニメ内の架空ロックバンドではあるが、彼らのサウンドはアニメ用ではない。
ではここで、隠れた名曲を発掘してみたいと思う。バサラの曲は聴けばわかるということで、ミレーヌの曲にスポットをあててみたい。この『DYNAMITE FIRE!!』12曲中3曲はサブボーカルのミレーヌが歌っている。とりわけ、10曲目の
『LOVE SONG』
は12曲中もっとも静かな穏やかな曲であるにもかかわらず、心に強く訴えかける力強さがある文字どおりの隠れた名曲である。
余談であるが、アルバムタイトルのすぐ下にあるコピーは、この
『LOVE SONG』
をイメージして私が独自に考えたものです。