アジア・アウトリーチ・AR230

 今回初めてヤンゴンへ行った。ヤンゴンは20年~30年前のクアラ・ルンプールにどことなく似ている。 市街地に建っている商業施設や高層ビルがヤンゴンの発展を表している。しかし、都市の中心部から出てしまうと町の 大部分がまだ発展していないことに気付いた。ヤンゴン市の周りの地区にはまだ貧しい場所が多く残っている。

 私のいとこはヤンゴンで働いて7年になる。夕食を一緒に食べることができた。彼はここで恵まれない子どもたちを支援している。 ミャンマーのいくつかの州は互いに対立していて、その関係は緊迫しているそうだ。そのような中で、数えきれないほどの子どもたちが 親によって売られている。売られる子どもの多くは労働者とされ、町へ連れて行かれ、レストランでの補助業務や清掃員といった 仕事をさせられている。しかも、こういった子どもたちが逃げることのないように、一日の仕事の後で監禁されていることも 珍しくないそうだ。

 ミャンマーの主な宗教は仏教であるため、クリスチャン人口はミャンマー総人口の10%未満である。寺院や僧侶はどこにでも見られる。 僧侶たちはここではあがめられ敬われている。カルマの考え方が根強いミャンマーでは、非常に貧しい人でも、彼らや寺院にお布施を 支払っているのだ。

  ミャンマーには大きな霊的必要があるため、福音を届けなればならない。今回の旅では、五日間にわたって ヨハネ牧師と聖書を分かち合う機会をいただいた。私たちは、ヨハネ師の下で働く人たちや聖書学校の学生たちと共に聖書を開き、 貧しい人や必要をかかえている人々を救う神様について、そして、ガラテヤ書や聖書的な子育てについて学んだ。 やもめや社会で見捨てられている子どもを特に愛しておられる神様について、また、貧しい人や特別な必要をかかえている 人々を守ってくださる神様について聖書から学んだ。参加者たちはとても感動していた。私たちの神様は義と正義と いつくしみを喜ばれるのだ。ヨハネ牧師は、愛なる神様に対して新たに心の目が開かれたとあかしされた。そこで私は、 近隣の貧しい世帯に食べ物を用意して配布することを提案した。みながこの提案に賛成し、提案から二日後には実際に行うことができた。 教会はご飯と卵と野菜が入った食料を80個用意した。聖書学校の生徒たちはとても興奮し、食料を提供することで良い行いができた ことを喜んでいた。神様の愛を具体的に示す良い機会となった。

 今回行われたような食料提供は、実はここでは初めてであったことに驚いた。近隣には貧しい世帯が数多くあるからだ。 魂の救いを願って働くことが最優先されなければならないが、慈善的なアプローチをもって、様々な必要を持っている 人々に対して愛と同情を示すことも重要だ。主はご自身のいのちを人類のためにささげられこのような大きな愛を示してくださった。 しかし、まだ全員がそれを受け入れているわけではない。そのため、大宣教命令の成就、そして聖書の最大の戒めの成就を願って働かなければならないのだ。

 「『先生、律法の中で、たいせつな戒めはどれですか。』そこで、イエスは彼に言われた。『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』これがたいせつな第一の戒めです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです。」 (マタイ22:36-40)つづく





アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.230

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JANUARY - MARCH  2020.