アジア・アウトリーチ・AR225

 「あなたがたはどう思うか。ある人に百匹の羊があり、その中の一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残して おいて、その迷い出ている羊を捜しに出かけないであろうか。もしそれを見つけたなら、よく聞きなさい、迷わない でいる九十九匹のためよりも、むしろその一匹のために喜ぶであろう。」 ( マタイによる福音書 18章12~13節 口語訳)

 この聖書箇所の中の「ある人」を例えると、あなたはだれを想像しますか。
 ここ香港にいる兄弟姉妹のうち、日本人に対する伝道に召しが与えられ、その召しに応え、自らを装備し、具体的 な行動をしている一人ひとりも、この「ある人」である、と言えると確信しています。いま数々の主の働きを目の当 たりにし、主が香港在住の日本人をも憐れまれ、みもとに引き寄せようとしていることに心から感謝し、これらの兄 弟姉妹と共にわたしを用いてください、と祈るばかりです。
 前回の寄稿の中でも述べましたが、アジア・アウトリーチ香港で「ホンコンジャパニーズケア」チームが正式に成 立したのが2016 年の3 月。それから2年半余り、働きの大きな二つのカテゴリーは変わることなく、直接伝道と、 兄弟姉妹の動機付けです。
 自身が日本人と接触する直接伝道について、最近の一押し企画は、今年夏の「歴史探索街歩きツアー」でした。
 この街は香港の今の発展の開始地点とされる歴史的な場所ですが、大事なことはそこをキリスト教会が起点とし、 香港のいまの発展に深く関わったということを紹介し、教会の働きを参加者に印象付けるのが大きな目的でした。
 企画後、広告を作り日本人向け無料雑誌・新聞に載せていただくための折衝と掲載後のフォロー、また、日本人向 け広東語クラスや、日本人サッカーチームや、卓球グループなどで知り合った方々の連絡先に誘いのメッセージをし ました。結果、未信の日本人と我々兄弟姉妹(日本人と香港人)あわせて12 人のグループとなりました。
 当日はランチも一緒にし、自由に感想を話せるようにリードしたところ、一人の参加者が、訪問したひとつの教 会の中で雰囲気に感動した、と話されました。いまは、特にその方とそのお友達に焦点をあわせ、兄弟姉妹もあわせ て一緒に食事などを提案したりして再会できるように調整中です。このように、引き続きお一人おひとりと関係作り を進め、伝道の機会が与えられるように、と祈っています。もうひとつのカテゴリーは、香港の兄弟姉妹の動機付けで す。
 香港の兄弟姉妹を対日本人伝道の為に「装備」していく目的でわれわれチームが企画し開催した2018 年のいくつ かの集会にも主が臨在されたことは確かでした。
 そのうちひとつは、8月の祈祷会でした。「日本宣教装備」の名で、今回は、香港の日本人教会のひとつである HKJCF のアレックス・タン主任牧師に教会堂で、分かち合いをお引き受けいただき、広告を出したところ、40 人 を超す今までで最多参加者が与えられました。
 タン先生は、マレーシア籍である外国人として日本で長期生活経験した中からの日本人の習慣や文化に対する独特 で客観的な見方で語ってくださり、兄弟姉妹にとって貴重な「装備」となったと確信します。
 また、私たちは、日本人伝道に重荷を持つ香港人の日本語力の「装備」もとても大事だと考えており、8月に「日 本語賛美勉強会」というものを新しく試みました。
 そこでは、日本語の賛美歌を歌いながら、その中の日本語のキーワードを学ぶという、賛美集会でもあり、勉強会 でもありました。合計26人の日本人への伝道に召しを受けた参加者が与えられましたが、会の終了後も、日本語に ついての質問と、奉仕の機会があれば紹介して欲しい、という問い合わせが相次ぎました。
 このような状況の中、結果が表れてきています。香港に住んでいる未信の日本人が、教会の礼拝や、聖書勉強会に参 加するようになったり、中には受洗される方もでてきています。
 そこには、多くの日本人と香港人の兄弟姉妹が関わっています。私たちは、主の愛を伝道しよう、と強い思いをもっ て、勇気を持って大胆に日本人に接触し、交流の中で、行動で、または言葉を持って自らの信仰を表し、主の素晴ら しさが彼らに伝わるようにと努力しています。そのような地道な働きがここ香港の日本人コミュニティでなされてい ることを、どうかみなさん、心に留めておいていただいて、ここにも主が働かれるように、と祈り続けていただければ 本当に心強く感謝です。よろしくお願いいたします。




アジア・アウトリーチ・ジャパン・・・アジア・リポート No.225

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OCTOBER - DECEMBER 2018.