心尖−長軸断面、心尖−2腔断面
apical long axis view
apical 2 chamber view



1)画像の描出
 観察対象は胸骨傍−長軸断面、短軸断面等と類似しているが、形態的評価のみならずドプラ検査でも頻繁に利用される断面である(ドプラ用超音波ビームを流入血流を始めとする多くの心腔内血流方向と比較的平行に投入し易い)。
探触子は心尖部付近に設置し超音波走査面は4腔断面での探触子方向を反時計方向に約90度回転した面となる(胸骨傍−長軸断面での探触子を回転を殆ど加えずに心尖部まで移動させても同様である)(図11)。この時もやはり僧帽弁は画像の中央で大動脈弁は右方に位置するように画像を構築する。
 
次いで探触子を時計回転方向に回転していくにつれ心尖−2腔断面から心尖−4腔断面と観察される。すなわち胸骨傍−短軸断面同様に心臓の壁運動評価も可能となる(図12)。

2)観察ポイント
a)大動脈弁、僧帽弁は硬化がなくよく開いているか
b)大動脈弁、僧帽弁の閉鎖時に各弁尖の接合部にズレや間隙はないか
c)腱索、乳頭筋の硬化はないか
d)左房腔、右室腔、左室腔のバランスはいいか
e)大動脈弁弁輪、僧帽弁弁輪の石灰化はないか
f)心室中隔を含め左室壁の肥厚や運動異常はないか(運動方向だけでなく収縮期の心筋壁厚の増加も確認する)
g)乳頭筋の肥大、付着位置異常はないか
h)血栓等の異常エコー像はないか
i)心尖部では収縮期の内腔の消失はないか
j)心尖部、その他に瘤はないか