4腔断面
4 chamber view



1)画像の描出
 短軸断面を心尖部まで評価した状態で探触子をそのまま上方を見上げるように傾ける(探触子の頭は心尖方向に傾く)と4腔断面が描出される。この時探触子をより心尖部へ移動すれば心尖−4腔断面(apical 4 chamber view)が、前胸壁側へ移動すれば胸骨傍−4腔断面(parasternal 4 chamber view)が描出される(図10)。
 
4腔断面では三尖弁、僧帽弁が良好に観察されると共に右室、左室、左房、右房腔ができるだけ大きくなるように探触子にわずかな回転等を加え画像を描出する(静止画を記録する場合の時相は両心房腔が最大となる収縮末期が適している)。
2)観察ポイント
a)右室、左室、右房、左房腔のバランスはいいか(要経験)
b)心室、心房中隔の欠損や瘤はないか
(エコーのドロップアウト、すなわち見かけ上の欠損に注意)
c)三尖弁の弁尖付着部位は三尖弁輪より心尖よりに位置していないか
d)中隔尖の付着部位が僧帽弁の中隔付着部位よりすこし心尖よりに位置しているか
e)三尖弁、僧帽弁の各弁尖の閉鎖時に接合面のズレや間隙はないか
f)右室壁、左室壁、中隔の運動異常はないか