ウイルス性肝炎タイトル
●ウイルス性肝炎とは
ウイルス性肝炎には現在5種類のものが確定されています。それぞれアルファベットで名前が付けられていて、型、型、型、型、型肝炎があります。
型と型は経口感染「ウイルスが食物や水といっしょに口から入る」で発症します。型、型や型は血液を介して感染します(いわゆる血清肝炎)。
これらの中で日本でよく見られ重要なものは、A B C の3つの型です。それでは主にこの3つの肝炎について説明しましょう。

肝炎の経過

1.A型肝炎
原因
A型肝炎ウイルスに汚染された飲料水や食物(特になま物)などから感染し、集団発生することもあります(流行性肝炎)。日本では牡蠣のなま食などが原因になることが多いようです。東南アジアなどに旅行して感染する人も少なくありません。季節的には冬場から春にかけて発生することが多くなります。
症状
ウイルスに感染後40日位までに発症します。典型的な場合は発熱、全身のだるさ、むかつき、食欲不振、腹痛、ときに頭痛、筋肉痛、関節痛なども伴い、風邪やインフルエンザかと思い違いしそうな症状がでます。発症後約1週間前後で黄疸が出現します。
経過
慢性化や再発はまずありませんし、劇症化もまれです。ほとんどの人が完治します。
治療
まず安静が一番大切です。特効薬はなく肝庇護剤などで対処します。。
予防
ワクチンができています、東南アジアなどに行くときは接種することをお勧めします。
2.B型肝炎
原因
主な感染経路は輸血、性交、母子感染(妊婦がB型肝炎のウイルスを持っていると妊娠分娩時に子供に感染します)などです。輸血による感染は献血時などの検査法が良くなり激減しています。
症状
ウイルスに感染後1〜6ヶ月位で発症します。全身のだるさ、食欲不振などの症状が多く、やがて黄疸がでます。発熱、むかつきなどはA型肝炎ほど強くありません。あまり症状のでない人もあります。
母子感染の場合はまず症状はありません。
経過
成人してからの感染では、たいてい急性肝炎として発症します。予後は比較的良好なのですが数%の割合で「劇症肝炎」になることがあり、その時の予後は良くありません。
母子感染した子供は「キャリア」となり、成人になる頃から慢性肝炎を発症することが多いです。自覚症状も少ないので知らないうちに慢性肝炎から肝硬変さらに肝ガンへと病気が進行することがあります。
治療
インターフェロン、ラミブジンや小柴胡湯などの漢方薬などが使われます。治療詳細
予防
ワクチンができています。特に母子感染して生まれた子供は生後すぐからグロブリンやワクチンによる治療が必要です。またB型肝炎ウイルスを持っている人の家族もワクチンの接種をお勧めします。
3.C型肝炎
原因
主な感染経路は輸血、刺青などです。A B C型肝炎のうち最も新しく昭和の最後に発見されました。平成になって検査法が確立され、輸血の血液の検査が始まり輸血による感染は減ってきています。
症状
ほとんどが無症状のため罹っていても分からないことが多いのが特徴です。
経過
慢性化しやすいのが特徴で、感染して20年程して肝硬変や高頻度に肝ガンに進行することが知られています。
治療
インターフェロン、ウルソデオキシコール酸、小柴胡湯などが主に使われます。
今後、リバビリンとインターフェロンによる療法が期待されています。治療詳細
予防
残念ながらまだワクチンはできていません。
4.D型肝炎
D型肝炎のウイルスは単独で肝炎を起こすことはありません、B型肝炎のウイルスがないとこのウイルスは肝炎を起こしません。このウイルスはイタリア、地中海地域、ヨーロッパ、北アメリカなどで見られます。B型肝炎の人がD型肝炎のウイルスに感染すると劇症化する率が高いと言われています。
5.E型肝炎
E型肝炎はA型と同様に経口感染するウイルスです。インド、ネパール、中国、アフリカを中心として発生していて、A型よりも症状が強く、特に妊婦が罹ると劇症化しやすく致命率が高くなります。最近日本でも猪肉の生食などでの発生の報告があります。

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