ソーセージ(生)

 

 

AD 77-79年に書かれたプリニウス博物誌、 植物篇 ( PLINY'S NATURAL HISTORY ) の中に次のようなソーセージの記載がある。
ソーセージはこれ以前の、遙か昔から存在していたが、手持ちの資料では、プリニウスが一番古いのでこの時点から述べようと思う。)

 

BOOK XV.  XXXV. マートルの葉の汁は素晴らしい。何故なら二種類のオイルとワインを作るからだ。マートルの果実から作るワインに
myrtidanumがある。ペッパーがない時代には果実を干して代わりに使った。ペッパーの代わりにマートルの果実を使った証拠にマートルの名に
因むマートルソーセージがある。マートルで作ったソースは野猪の臭いを消し、ピクルスの中に入れて香り付けにする。

                             

                                              マートル

マートル ( Myrtus communis )。別名ギンバイカ、銀梅花、銀盃花、フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木。地中海沿岸原産。英語でマートル myrtle )。
ドイツ語ではミルテ
Myrte )。 サルデーニャとコルシカ島では、果実や葉でリキュール、ミルト( Mirto )を作る。白い花は古代ギリシアでは
豊穣の女神デーメーテール
( Dēmētēr ) と愛と美と性の女神アフロディテ ( Aphrodite )に捧げる花であり、古代ローマでは愛と美の女神ウェヌス ( Venus ) に捧げる花とされ、
結婚式に用いられた、今も結婚式などの祝い事に使われ、愛や不死、純潔を象徴する。左はマートルの果実。

 

これだけの内容ではソーセージをどのように作ったのか判らないが、マートルを香り付けに使っていたことは確かだ。
プリニウスの時代に書かれたペダニウス・ディオスコリデス
(  Pedanius Dioscorides、医師。薬理学者、植物学者 AD ca.40 - 90 )による、
薬物誌;第1巻:香料、香油、軟膏、樹脂、樹皮、果実を産する草や木、第2巻:動物、その乳、蜜、脂肪、穀物、食用野菜、
3巻・第4巻:根・液汁などいわゆる薬草、種子類、第5巻:酒精類、鉱物類からなる から、当時の人々はマートルにどのような
効能があると考え、どのように取り扱っていたかをみてみよう。

 

マートルのオイル   1-48. MURSINELAION

広い葉のマートル-Myrtus communis var romana

マートルのオイルを作るには黒いマートル(野生又は栽培している)の柔らかい葉を叩いて汁を搾る。同量の未成熟のオリーブオイルを混ぜて一緒にボイルする。
上に浮いたものをすくい取る。簡易法としては、柔らかい葉をオリーブオイルと水でボイルし(その後潰して)浮いたオイルをすくい取る。
別の方法は(陽に干した葉)をオイルに漬ける。最初に
malicoria (?)と一緒に(煮詰める?)。

効果のあるオイルは苦く、緑色をして透明である。しかもマートルの匂いがする。

収斂作用と硬化作用がある。硬化作用のある薬物と一緒に用いると効果が増す。火傷、脳の貫通潰瘍、ふけ、ニキビ、吹き出物、あかぎれ、擦過傷、脱臼に効果がある。
発汗を抑える。

 

広い葉のマートル-Myrtus communis var romana

[other usage] Myrsine africanaAfrican Myrsine

栽培種である黒い葉のマートルは白い葉のマートルよりも効能がある。丘の上に生えているものはその実の有効成分は少ないがその葉は上質である。
ハーブと果実には収斂作用がある。青い果実も乾燥した果実も膀胱に障害がある者、瀉血した者に与えると効能が期待できる。
青い果実を絞って得た汁にも同じ効果がある。排尿と胃の調子を改善する。座頭虫やサソリに咬まれた時にワインと一緒に塗る。
果実を煮て髪の毛を染める。ワインと一緒に煮て四肢の潰瘍部に湿布する。小麦粉と一緒に目の炎症部分に当てる。目の内側にある潰瘍部分に擦りつける。
(マートルの実を)絞って(直ぐに酸っぱくならないので)ボイルした
果実でワインを作る。

 

Myrtites Myrtus communis

マートルワイン(Myrteum)を作る— Myrtle Wine

黒く完熟したマートルの実を潰して搾り、瓶に入れる。2/3の量にまで煮詰めたり、又は果実を陽に干して乾燥させて3/2パイントの水と混ぜ、同量の古いワインと
混ぜて
2パイントにする。すり潰し、漉して瓶に入れる。収斂作用があり、胃に効用がある。胃液、腸液の過多、胃腸内の潰瘍に効果があり過度の排出物を取り除く。
髪の毛を黒く染める。

 

香り付けだけではなく、薬効を考慮してマートルを使っていたことがわかる。

次にアピキウス ( ca. 380-420 ) から引用しよう。アピキウスではソーセージの料理が数多く登場する。何をどのように調理しているか注目してほしい。

 

ミンスしたソーセージ  [41] MINCED DISHES ISICIA

ミンスしたソーセージにはたくさんの種類がある。海葱、蟹、ロブスター、コウイカ、イカ、伊勢エビ、ホタテ貝、牡蛎の海の物を使ったもの。詰め物の肉はラベージ、ペッパー、クミン、
レイザールート(
バスタードラヴィッジ)で香りを付ける。

 

 Isicia; 詰め物、ミンスした肉、ミンスした肉を使った料理を意味するinsiciumに由来する。Isicia は省略形。

 Sea-onion Drimia maritima ( 海葱 Urginea maritima ) キジカクシ科。別名squill, sea squill, sea onion, maritime squillred squillがある。南ヨーロッパから西アジア、北アフリカに分布する。

 

レバーのクロメスキスで作るオメンタータ  [44] LIVER KROMESKIS OMENTATA

皮と筋を取ったポークのレバーを軽くフライする。ペッパーとヘンルーダを、ブロスを入れたモルタルの中で潰してレバー加える。
すり潰して小さなソーセージの形に形作りローレルの葉と一緒に大網膜で包む。吊してスモークする。いつでも必要な時に取り出してフライする。
グレイヴィをかけて
………..

 

  ミンスした肉を大網膜で包んでフライしたものがkromeskisであり、それを燻製にした物がomentata(ソーセージ)である。

 

脳みそのソーセージ  [45] [ISICIA DE CEREBELLIS ]

モルタルにペッパー、ラヴィッジ、オリガニィを入れてブロスで湿らせてすり潰す。クックした脳みそを入れ、固まりが残らないように入念に混ぜる。卵を5個入れて均一になるまでよく混ぜる。
金属の鍋に広げてクックする。クックしたらきれいなテーブルにのせて適当な大きさに切る。モルタルにペッパー、ラヴィッジ、オリガニィを入れて潰し、ブロスと一緒にソースパンに入れてボイルする。
煮詰めて漉す。脳みそのプディングをソースの中に入れてよく暖める。ディッシュにのせてペッパーを振りかける。マシュルームの中に
............

 

 前述のレシピと同じく1400年頃まで、料理書の中のレシピの記述は突然に次の料理へと移るのが特徴である。「グレイヴィをかけて……….. マシュルームの中に............ も今まで述べていた料理とは
全くの脈絡はなく、新しいレシピがここから始まる。

 

ニワトリのソーセージ    [50] CHICKEN FORCEMEAT ISICIA DE PULLO

ニワトリの肉、ドクムギ1ポンド、ストック1/4パイント、ペッパー1/2オンス

 

 このレシピではドクムギを使っているが、スペルト小麦などもつなぎとして使っていた。バッカクキン科のNeotyphodium属に属する子嚢菌がドクムギに感染して
初めて昆虫に対する神経毒ロリンアルカロイド、動物に毒性を持つ麦角アルカロイドが生産される。感染がなければ植物に毒性はないのでつなぎとして使うことができる。

 

ブーダン(小さなソーセージ)    [60] BOTELLUM

固ゆでした卵の卵黄、松の実、タマネギ、リーク、ローズマリー、ペッパーをケーシングに詰めてブロスとワインでクックする。

 

アピキウスではこの後、豚肉、ベーコンを使ったソーセージのレシピが多数続くが、何れのレシピにもソーセージの名はない。
Sausage(英), s
aucisse
(仏)は古北フランス語のsaussiche 、中世ラテン語のsalsiciaに由来し、これらの言葉はラテン語の塩を意味するsalsusから
派生している。たくさんの塩を入れた保存食としてのソーセージを作っていなかった時代にはレシピの中に「
sal, sau-」の文字はない。
イタリアの
salsiccia,スペインのsalchicha,トルコのsosis, ポルトガルのsalsicha等はいずれもsalsus由来である。

 

ソーセージと言えばドイツを思い起こさせる。そこで、キリスト教布教後のドイツのソーセージを2例取り上げる。

 

ca.1400 Ein Kochbuch aus dem Archiv des Deutschen Ordensから、

シカ肉のソーセージ    Von wiltprät würst machen 

肉とベーコンをチョップする。卵16個を用意する。スパイスを効かせて入れる。すばやく煮てグリルの上でローストしてサーブする。

 

ソーセージ、Wurst ドイツ語の動詞 wirren 混ぜ物、混ぜものをする)に由来している。ドイツ系の表現をとる国にはエストニアの Vorst、オランダの Worst、ルクセンブルグの Wurscht 等がある。ソーセージは大きく分けてドイツ圏、ラテン語圏の二つの地域から広がったと思われる。(その他にポーランドの Kieblasa のように”K”で始まる国もある。)

 

1553年 Das Kochbuch der Sabina Welserinから、

167. サラダにあった素晴らしいソーセージを作るには  Welt jr gút wirst zúm sallat machen

ポークを10ポンド、ビーフを5ポンド用意する。常にポークを2、ビーフを1の割合で用意する。合計15ポンドの肉に対して塩を8オンス、
粗く挽いたペッパーを
2 1/2オンスを、肉をチョップしたらその中にダイスに切ったベーコンを2ポンド入れる。脂の量はポークの肉質に応じて加減する。
ベーコンは背の方を使い腹側のベーコンは使わない。ソーセージは固く詰める。早く乾かした方がよい。ベーコンが溶けないように煙の中ではなく
オーブンの近くでもない居間又は台所に吊るす。
三日月が出ている期間につくり、ミンスした肉をしっかりと詰めるとソーセージの質が長い間変わらない。ソーセージは上と下を縛り、両端を吊るせるように
リボンで固く縛る。そして
2日毎に上下を入れ替えてしっかり乾燥したら布で包んで箱の中に並べる。

 

1566Koch und Kellermeistereyより、

魚のソーセージ   Würst von Fischen.

ウロコを取り、モルタルの中で潰す。スパイスと塩を入れて腸に詰める。ワインではなくペッパーを入れる。

 

1450年イタリアのLibro di cucina by Helewyse de Birkestadから、

46.すばらしい、完全なモルタデル ( mortadele ) 等、( クックしたレバー、ソーセージ

モルタデルを作るには、豚のレバーと大網膜あるいは腸を準備する。レバーを用意してボイルする。クックしたら水の中に入れる。
良質のハーブ、ペッパー、卵、塩を用意する。レバーとこの材料を用意して、他の材料がしっかりとペイスト状になるまでモルタルの中で混ぜて挽く。レバーから出た少量の料理汁と卵で
( その混ぜたものを ) 延ばす。次いで大網膜を取ってモルタデル( faggots又は巻いたソーセージの類 )を作る。
faggots )が出来たら、濾したグリースの中でフライする。フライしたら熱い状態でテーブルへ運ぶ。

 

125.スモークした黄色いソーセージを作る    CXXV. A ffare cervellade bressane.

豚肉を25ポンド用意する。この肉は首や脚の肉ではなく、リブ又は肩肉であること。あるいは、肉を20ポンド、脂を5ポンドとする。
どちらでも同じである。いずれにしろ貴方がいくらサーブするかにかかっている。ナイフでよくチョップして、ホワイトチーズを
15オンス、
サルディニアの塩を
15ポンド又はキオッジャ ( Chiogga ) の塩を2ポンド、レッドペッパーを6オンス準備する。塩とチーズは細かくチョップして
バターの中にしっかりと混ぜる。腸に詰めて
2日間休ませる。天気が寒ければ寒いほど又、晴れていれば晴れているほど良い。スモークする。
バターの中に貴方の判断でサフラン、スパイスを入れることが出来る。

 

いずれのレシピも保存を目的としており、ソーセージに使う素材も限られている。ローマ時代のレシピとは異なり、素材の良さを生かした料理であり、
味覚重視の内容ではない。キリスト教を離れた地ではどのようなレシピになっているであろうか。イスラムの香りが残っているアンダルシア
を訪ねてみよう。

 

 アンダルシア州 Andalucía )は、スペインの自治州の一つで スペイン南部に位置する。400年に一時期ゲルマン系のヴァンダル族( Vandal )がこの地を支配し
、「
Vandalicia: ヴァンダル人の国 」が「アンダルシア」の呼称となった。西ゴート王国による支配の後、711年にウマイヤ朝 Banu Umayyad )、
イスラム史上最初の世襲イスラム王朝
に征服され、アラビア語でアル=アンダルス( al-ʾandalus と呼ばれるようになった。後ウマイヤ朝の都コルドバは、
西方イスラムの経済文化の中心地として繁栄した。アンダルシアの文化は、イスラム支配の影響を色濃く残している。
1200年にはレコンキスタによってキリスト教諸国による
征服が進んだが、グラナダを都とするナスル朝
( La dinastía Nazarí )は、グラナダに首都を置き、国家の規模は小さかったが、巧みな外交政策で最後のイスラム王朝として生き残り、
独立を維持した。しかし、
1492年、グラナダが陥落しスペイン王国に統一された
アルハンブラ宮殿にみられるような文化的遺産が残る。

 

アンダルシアのca.1250に書かれたAnonymous Andalusian Cookbookから、

素晴らしいソーセージのレシピ   Recipe for an Extraordinary Sausage

大きな腸を用意して内側を外に出す。腸の分量分の卵を用意して大きなディッシュの中に割る。押しつぶしたタマネギ、クローブ、ペッパー、
オイル、皮を剥いて潰したアーモンド、潰していないアーモンドを加える。砂糖を好みの量だけ入れて甘くする。全てを混ぜて、
漏斗を使って腸に詰める。両端を糸で結び粘土で作ったオーブン
( tannur ) の中に茶色になるまで吊す。取り出して新鮮なオイルでフライする。



ミルカス( MirkâsMerguez Sausage )

熟成したものを潰して作るのでミートボール ( banâdiq ) と同じくらいの栄養があり、消化が良い。ラムの脚又は肩肉をミートボールに
なるくらいに潰す。ボールの中にオイル、
murri naqî' 発酵させた大麦のペイスト )、ペッパー、コリアンダーシード、ラベンダー、
シナモンを入れて一緒に錬る。脂の
3/4を加える。脂はフライすると溶けるので潰さない。ナイフでチョップするかボードの上で叩く。
洗った腸に詰める。紐で縛ってソーセージにする。オイルでキツネ色になるまでフライする。オイルが熱いうちにヴィネガーを入れてソースを作る。
コリアンダー、ミントの汁潰したタマネギでソースを作る者もいる。ポットの中でオイルとヴィネガーをクックして作る者、たくさんのオイルで
タマネギを茶色になるまでフライしてソースを作る者もいる。いずれの方法で作ったソースであっても良い。

 Merguez mɛərˈɡɛz ); 赤く、スパイスの効いたマトン又はビーフのソーセージ。イスラム教徒のベルベル人( Amazigh )のレシピである。

このレシピは、オオムギを入れるところはイングランドのプディングを思い起こさせる、コリアンダーシードを入れるところはローマの香りがする、
全く不思議なレシピだ。詳しく調べれば何かが出てきそうだが、次の機会に譲ろう。

 

1400年代のポルトガルのレシピ、 Um tratado da cozinha portuguesa do século XVから、

 

アロウカソーセージ   Receita n.º 1 ( Morcela de Arouca)

小麦粉、松の実、チョップしたアーモンド、卵黄、溶かした豚の脂、砂糖のシロップ、塩、インディアンクローブ、シナモン末、フラワーウオータ
数滴でフィリングを作り腸の中に詰める。ボイルしている湯の中に固くなるまで入れる。破裂しないようにフォークで突き刺しながらクックする。

 

Receita n.º 2

15kgの豚のロイン、脚をミンスする。厚手の布に巻いてバスケットに入れて吊す。上に重石をして3時間吊す。肉を降ろして塩700g
ブラックペッパー
150gを混ぜたものを振る。脂の少ない肉は脂を少し入れて、腸に詰めるとソーセージができあがる。

 

砂糖を入れたソーセージは保存性を無視したレシピだ。腰肉、ロイン、脚の肉を使ったソーセージは肉の量に比して塩とペッパーの量が多く保存性を重視している。
二種類のソーセージが混在している。

 

1845年のエリザ・アクトンのModern cookery, in all its branchesから、

ソーセージ

普通のソーセージは脂と脂の少ない肉を同量使う。粗くチョップして塩とペッパーだけで味を付ける。腸に入れ, 捻って輪を作り、冷たい貯蔵室に吊す。
残った或いは裁ち屑になったポークをソーセージにする。背骨や肩胛骨に付いた肉はソーセージに適している。ポークの皮は固くて臭いのないゼリーになるので
ストックに使う。骨にたくさんの野菜を加えるとポーク臭のないスープができる。ソーセージの中に入れる味付けは塩
1/2オンス、ペッパー1/4オンスが適量である。

 

最近の、と言っても1915年だが、ペンシルバニアに住むドイツ人のレシピから、MARY AT THE FARM AND BOOKS OF RECIPES COMPILED DURING HER VISIT AMONG THE "PENNSYLVANIA GERMAN"から、

 

ホームメイドソーセージ       HOME-MADE SAUSAGE

脂と脂の少ないポークを混ぜて9ポンド用意する。小さなピースに切ってミートカッターを通す。細かくチョップした肉に塩3TBS, 
ブラックペッパー
2TBS、粉末のセージ4TBを振る。サラおばさんは庭に生えている生のセージを、乾燥したセージよりも香りがきついが、
3TBS使う。サマーセイヴォリィを2TBS入れる者もいるがおばさんは香りを気にしない。スパイスを効かせたい者はクローブ、メイス、
ナツメグを入れても良い。これは味に関係することだ。味付けは肉を細かくチョップする前にするとソーセージに味が良くまわる。
細かくチョップした肉をケーシングに詰める。又は小さな固まりにして両面をフライする。ホームメードのそば粉パンケーキと一緒にサーブする。

 

ソーセージも料理の一形式であると考えるのが良さそうだ。飢餓に備えるための長期保存の必要性がなくなった今はなおさらだ。
それぞれの材料が持っている特徴を生かすことがソーセージにも求められている。もう少しみていこう。

 

1984年のBEATRICE V. GRANT によるItalian cook bookから、
ソーセージとタマネギ 164 SAUSAGES WITH ONIONS ( Salsicce alla cipollata )

生の脂の少ないポークとベーコンを同量細かくチョップする。塩、ペッパー、スパイスを入れる。細かくチョップしたタマネギを適量、
入れすぎないように気を付ける。腸の中に入れて
2インチ毎に縛る。

 

1968年のマリオン・ハーランド( Marion Harland )によるホワイトハウス・クックブック( THE WHITE HOUSE COOK BOOK ) から、

カントリーポークソーセージ( COUNTRY PORK SAUSAGES.

脂の少ないポーク6ポンド、脂3ポンド、塩3TBS, ブラックペッパー2TBS, セージ末4TBS, サマーセイヴォリィ2TBSを用意する。
豚肉を細かくチョップして手で調味料と混ぜる。

香りと味を見る。きれいな豚の腸又は丈夫な細長いキャラコの袋を用意する。肉の中に溶かしたラードを入れて詰める。
冷暗所に吊して要に望んで取り出す。肉を瓶に入れ、上に溶かしたラードを入れ蓋をする、必要なときに取り出して、
手で小さなケーキを作りキツネ色にフライする者もいる。スパイスにはクローブ、メイス、ナツメグを使うのが良いだろう。

 

いずれのレシピも由緒正しいところから出たものだと思うが?、食品添加物の名称はレシピの中にはない。
添加物を入れなければならない理由がないからだ。「作って直ぐに食べる」。「きれいな場所で作る。」。
逆のケースでは、食品添加物が必要となる。

 

今まで読んでこられて、様々なソーセージがあることに驚かれたに違いない。サフランを使った黄色いソーセージや、
海鮮類を使ったソーセージ等は思いもしなかったことだと思う。サフランソーセージはアントルメであろうし、
魚肉ソーセージがドイツにあったことにも驚かれたに違いない。ソーセージの中には一部分プディングと交錯するレシピもあった。

seafood sausage」をFood network, Cookthink等で検索すれば現在のレシピがたくさん出てくる。一度お試しあれ!

 

 

本稿は生のソーセージについて述べたもので、ドライソーセージについては別の機会を設けようと思っている。