ドイツの難民申請者への人権侵害のケースについて

                         文:奈良Gのこのケース担当者、米辻妙子


 私達奈良グループでは、現在ドイツからの強制送還の際に警官による難民への虐待を調査するようドイツ政府に求めています。アムネスティは、送還が国際基準により退去者の人権を尊重する方法で遂行されるように保証するのは、ドイツ政府の責務であると信じています。1997年に発行された第7期「概括的報告」の中でヨーロッパ会議の委員会(the Council of Europe's Committee)は、拷問防止と非人道的若しくは品位を傷つける取り扱い若しくは処罰に言及しています。
  「一国の領土に留まることを決心した外国籍の人を考慮して退去を強制するのは、しばしば困難な仕事であることを認める。職務上の法的強制は、時折そのような移動をするために暴力を使わなければならないかもしれない。
   しかしながら、暴力は、必要ではないものとみなし、特に搭乗させる為の説得手段として、あるいはそうしなかったが為の処罰として肉体的な暴力が行なわれるのは、退去命令を受ける人のためには全く容認されない。」

 アムネスティ奈良グループでは、申し立てられた虐待の中で以下の人々に重点をおいて活動しています。

Aamir Ageebさん(国籍:スーダン 30才)
1999年5月28日、フランクフルトからハルツームまで強制送還中に死亡。彼は、連邦国境警察に所属する3人の警官の面前で搭乗中に死んだと申し立てられる。搭乗中のヘルメットの着用と無理な体勢の強要で窒息死したと思われる
Fathelrahman Abdallahさん(国籍:スーダン ) 1998年10月以降3度の強制送還の試みの際、2度の虐待を受ける。
Aamirさんの死亡後、一時ドイツ政府は強制送還を停止したが、州独自で彼の送還を試み、アムネスティが2度に渡る緊急行動する。
彼は、スーダンの民主統一党党員で祖国で拷問を受け彼を強制送還することは、ノンルフールマン原則(注:拷問、処刑される恐れのある人をその国へ返してはならない:難民条約33条等で確認されている。)を侵すことになる。2000年5月、アメリカ移民局により難民認定を認められ出国。
Ibrahim Kourouma(国籍:ギニア)
1994年4月、コペニック難民収容所で警官によるものとベルリンのショネフエルド空港で連邦国境警察により双方から虐待を受けた。20mにわたって空港内を引きずられたり、様々な虐待を受けた。
15人の難民(国籍:ギニア) 1999年3月17日、ジュッセルドルフ空港からギニアのコナクリィへ向かって特別機に乗せられ、連邦国境警察所属の41人の警官に付き添われた。飛行機の到着と同時にギニア当局が旅行書類の不備を理由に受け入れを拒否。ドイツへ引き返すことを余儀なくされ、ギニア往復の間難民は、連邦国境警察の警官から肉体的な虐待と言葉による虐待の両方を受けた。

  
 「難民」とは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団に属する、ある政治的意見を持っている、等の理由により迫害を受けたりそのおそれがあるために国籍国から逃れた人々を指します。彼らの多くは、家族を殺されたり拷問にあったり等、既に人権侵害を受け居住国で二重の人権侵害を受けています。


・・・・・・・・・・・・・私達の活動に賛同してくれる方は、以下の英語の要請文をドイツ連邦政府に送って下さい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   Dear Chancellor                                    Date,  ,  ,2000
   I respectfully make an appeal to the need to protect the rights of asylum-seekers in Germany.This action is dedicated to raise concerns about the victims of ill-treatment by police officers in the course of forcible deportation from Germany.

Therefore,I earnestly request you to take steps to investigate into the cases of Sudanese nationals,Aamir Ageeb and Fathelrahman Abdallah and Guinean nationals,Ibrahim Kourouma,and 15 asylum-seekers on March 1999 at Duesseldolf  airport and during their subsequent deportation on a special flight to and from Guinea.I urge you that any police officers who are found to have ill-treated them be brought to justice.
   Yours faithfully                                        署名
   
                                                 ・・・・・・・・・・・・・

  (私は、慎んでドイツの難民の権利を擁護するための要求をあなたに訴えます。
   この活動は、ドイツからの強制送還の際に警官による虐待の犠牲者について関心を呼び起こすために専心しています。そのため、私はスーダン国籍のAamir AgeebさんとFathelrahman Abdallahさん、そしてギニア国籍のIbrahim Kouroumaさんと1999年3月、ジュッセルドルフ空港において特別機でギニアへそして引き続き起こったギニアからの送還中における15人の難民の件について調査するよう要請します。私は、彼らを虐待したと判明される警官は誰でも法の下に処罰するよう要請します。)


 上の手紙を印刷して、署名し、ドイツ連邦共和国首相、ケルハルト・シュレーダー宛てに送ってください。
 宛先は、こちらです。
             
address:Federal Chancellor
     Bundeskanzler Gerhard Schroeder
     Bundeskanzleramt
     SchloBplatz 1
     10178 Berlin
     Federal Republic of Germany


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