【ふんしつ4】


清正はそわそわと落ち着かない様子で三成の部屋の前を右往左往していた。
部屋へ入っていていいとは言われたものの、くつろげるわけもなく。
もちろん以前の清正であれば別段気にすることも無く部屋へ入り、家人の帰りを待っている所なのだが。
「別に深い意味は無いんだろうが・・・・・」
それでも脳裏に横切るのは三成の乱れた姿・・・思わず清正の喉がひとりでに鳴った。
「・・・清正?」
「っっ!!!!」
背後から掛った声に驚いて清正は思わず飛び上がった。
「先ほどからウロウロとどうしたのだ・・・入っていて構わないと言っていた筈だが。」
「い、いや・・・ちょっと夕涼みもかねてだな・・・・・・・」
しどろもどろと返事を返しながら清正は苦笑いを浮かべるが、三成はそんな清正の様子を別段気にもせず、部屋へ入ると明かりを灯した。
「そこに座って待っていてくれ、すぐに持ってくる。」
「お、おぉ・・・・・」
清正は腰を落ち着けるとキョロキョロと部屋を見渡す。
あまり物が置かれていない、いつも通り殺風景な部屋、隅に積み上げられた本が三成の部屋らしかった。
「待たせてすまなかった・・・・」
そういって三成が持ってきたのは一枚の衣。
触らずともそれが良い品であることは目に見て分った。
「渡したかったものはこれだ・・・今日ちょうど仕上がった所なのだ。」
「・・・・・・はっ?」
三成に衣を手渡された清正は思わず間抜けな声を上げてしまう。
「その・・・あの衣の代わりになるかどうかは・・・・・・」
「ちょっ、ちょっとまて・・・お前と俺とじゃ丈が違うだろ。」
「大丈夫だ、清正の丈になるよう仕上げている。」
清正の頭は完全に混乱していた、三成のやりたいことは理解できるが、理解できない事は清正の丈になるように仕上げたと言う所。
普通であればどのように簡単な衣でも数日を要する、昨日の今日で用意できるわけではない。
清正は説明を問う様に三成を見た。
「・・・その、お前の衣が紛れていると分った時にすぐに返しに行こうと思ったのだが・・・手放し辛くてだな・・・・・これが仕上がったら、適当な理由をつけて渡そうと思っていたのだ・・・・」
「手放し辛いって・・・・あの衣はそういい物でもないだろ?」
清正の疑問はもっともたるものだったのだが、その清正の問いかけに三成は顔を一気に赤くし、清正から目線を反らす。
「馬鹿・・・俺の気持ちぐらい察せ・・・・・好いている奴の物なのだ・・・手放し辛いのは当たり前だろう。」
「っ//////」
三成のその言葉に今度は清正が顔を赤くした・・・好いている、確かに三成はそう口にした。
少なくとも清正が今まで知っていたはずの三成からは想像もつかないような態度と言葉。
「とにかく俺が持っていてもしょうのないものなのだから、大人しく受け取れ。」
余程恥ずかしくなったのか、三成は半ば強引に清正の手に衣を持たせて、もう用事は終わったとばかりに清正に背を向けた。
当の清正は衣と三成を見て思わず動きを止める・・・そこまで自分の事を好いていてくれていたのかと。
「・・・・・三成・・・・お前、本当にそれだけでいいのか?」
「・・・・・どういう意味だ?」
清正の問いかけに、今度は三成が問うように清正を見たが、その視界は銀の髪に遮られた。
「清正・・・・・っ///」
清正の口唇は軽く三成に触れただけで離れる。
三成は信じられないものを見るような目で清正を凝視していた。
互いの呼吸が当たるほどの短い距離・・・・・・
「三成・・・目閉じろ・・・・・・」
そう言って清正はもう一度三成に口付ける。
当の三成のほうはわけが分からないまま清正の支持に従うように目を閉じた。
今度は先ほどとは違い、互いの舌を絡めあうような接吻、清正の動きに答えようと三成も必死清正の動きを追う・・・息も切れるような長い接吻を終えると、ゆっくりと二人の口唇が離れる。
「すまん・・・・・・」
「・・・なぜ、謝るのだ・・・・俺は嫌ではない・・・」
ばつが悪そうに三成から顔を背けた清正の胸元に三成が顔を埋める。
しかし清正はそんな三成から体を離してコホンッと咳払いをし、三成に向き直った。
「三成・・・正直に言うと俺は今、お前を抱きたいと思ってる・・・だがそれは、お前と同じく好いているからってわけじゃなくてだな・・・いや、嫌いな訳じゃないんだが・・・・」
清正はどう言葉を伝えればいいものか悩み、頭をガシガシと掻き毟る。
「・・・・俺はかまわない・・・・・・」
「はっ?お・・・・おいっ!!」
三成は突然帯を緩めだすと、衣をはだけさせ、清正の胸元へと抱きついた。
清正の喉がゴクリと音を立てる。
「・・・清正が・・・嫌でなければ・・・・続きを・・・」
「本当に・・・・いい・・・のか?」
清正は恐る恐るといったかたちで 三成の頬に手を沿わせる。
ゆっくりと近づく互いの口唇に、もう言葉はいらなかった・・・・・・

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ちょっと女々しいっぽい三成にチャレンジという・・・
自分のSSで撃沈、ちょっと女々しくしすぎたかなと、
っていうかツンはどこにもありません、この話はデレ成ばかりです(汗)


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