私の旅の予定は、アマゾン河の河口の都市、ベレンからペルーのイキトスまでを1ヶ月かけて船で旅することであった。(途中で大幅にルートを変更したが、、)で、その途中にある面白そうな都市に寄っていこうと計画を立てた。
アマゾンを知りたければ船で旅をせよ、とよく言われる。なぜなのだろう?その疑問を解消すべく単身船に乗り込んだ。
私が乗り込んだ船は、乗客が200人くらいで、地下には果物等の食材や荷物が積まれており、1,2階がハンモックのスペースになっており、所狭しとハンモックが吊るしてある。3階にはキャビン(個室)とビアガーデン!?がある。キャビンには鍵がついているのでかなり安心だ。私は単身だったということと、それなりに高価な旅の道具を持っていたため、それと、この旅がまだ始まったばかりなので、出鼻をくじかれたくないと思い、料金は2倍するが、鍵のかかるキャビンを借りた。(3泊4日食事付で10000円くらい)
個室といっても、2畳くらいの部屋に2段ベットと扇風機があるだけである。。ハンモックスペースは船が走ると風が通るので気持ち良いのだが、キャビンは無風なのでかなり熱い。そのため扇風機がある。それに、2センチくらいのゴキブリがいっぱいいる。ざっと見ただけで20匹。電気を消すとどこからともなく瞬く間に40匹くらいに増えるのだ。だから、夜はおそろしい。電気を消して寝ようものなら、、、想像するだけで怖いので、私は電気をつけたままで寝た。はっきり言って、ハンモックスペースで寝るほうが快適なのは間違いないが、やっぱり泥棒を避けるためには仕方がないのだ。
船に乗り込んで、まずはじめにアミーゴになったのはネリエという女の子。ヒゲ面の俺に興味しんしんであっちから声をかけてきた。俺にいろんなポルトガル語(ブラジルはポルトガル語)を教えてくれた。非常によく笑う感じの良い女の子だった。
船の中はこんな感じでハンモックが縦横無尽に張り巡らされている。あまりに密集しているので、これでは振り子運動ができない。でも、思いのほか寝心地がよく私に何度も深い眠りを提供してくれた。。
あっちの子供はほんとうにかわいい。
飾らない本当のかわいさがある。
船の従業員、ジュージジ。
嫌な顔ひとつせず汚い便器を掃除するがんばりやさん。
船が通りかかると、川沿いの家から小さな子供がカヌーに乗って、物乞いにやってくる。それを見て乗客は食べ物を投げたり、ゴミを投げたりする。ちなみに、バナナを投げても相手にされない。バナナはどこででも手に入るから。
この子は髪の毛がクリクリでかわいかった。
後ろのおばあちゃんも愛想が良かった。
私の乗っている船が前方のカヌーに当たると思いきや、カヌーに乗った少年たちが、カヌーをロープで船にくくり、船に飛び移りカヌーに積んできた野菜や魚を船員や乗客に売り歩く。乗客からは喝采があがる。
船内のアミーゴたち。彼らの笑顔は最高だ!全く会話のできない私にみんなが一生懸命話してくる。ちょっとした人気者だった。私の持っていったルアーを見て驚いていた。みんな純粋で人なつっこい。
夕食後は船のデッキがいきなりディスコのようになる。スピーカーからはガンガンにラテンの音楽が流れ、小さな子供が陽気に踊りまくる。このダンスがなんともうまい!!本当に感心した。
ウルルン滞在記??
ジャクソン(10歳)とサチアーニ(6歳)の兄弟。ジャクソンは私の兄貴分で、船内でいろいろ世話をしてくれた。朝になると私を起こしにきて早く朝飯を食えと言う。おもしろい景色があれば昼寝している私を起こしに来てくれた。サチアーニは妹みたいでとても私になついてくれた。すごく人なつっこく船内ではずっと彼らと一緒にいた。最高のアミーゴだった。
サチアーニ。この子の笑顔は忘れられない。
ハンモックは寝心地最高!!
ヒゲ面の汚い俺を避けることなく受け入れてくれたお母さんたち。日本では考えられない。
ポルトガル語会話ブックを見ながら会話を繰り返した。
かわいい。みんな目がクリクリしてるのだ。
この船のキャプテンと乗客のシスターの親子。このキャプテンは下ネタが非常に好きで、「日本人のモノはペケーノ(小さい)、ブラジル人のモノはグランジ(でかい)」と大声で言っていた。見た目は怖いが、いいおっさんである。食事を特別席で食べさせてくれたりした。
食事風景。昼も夜も毎回同じ食事だが、これが実にうまい!!米、魚の煮物、鳥肉、パスタ、豆など(フェイジョアーダ)を大皿から各自が取り、黙々と食べる。会話なんてない。女の子もよく食べるのだ。
1日中、ドミノ遊びをする青年たち。彼らは目つきが鋭く、はじめはとても怖かった。全員が泥棒に見えたのだ。でも、しゃべってみるとみんな陽気な人たちだった。
この子も私によくなついてくれた。
私の会話ブックにすごく興味を持った。
彼らも私の会話ブックとポルトガル語の辞書に関心を示した。日本のことをいろいろと聞かれた。
左の彼は少し俺に似ている、、、。
子供たちが手を振ってくれているのだ。
3泊4日の船旅を終え、ベレンとマナウスの中間にあるアマゾン第3の都市、サンタレンに上陸。他の乗客はほとんどがアマゾン流域最大の都市、マナウスまで行くのでほとんど降りない。
たくさんの子供たちとアミーゴになり、別れるのはかなり寂しかった。
港に上陸し、岸から船上のアミーゴに日本語で「さよなら!さよなら!」と大声で叫ぶ。悲しさを隠しているのだ。女の子やおばちゃんが日本語で「さよなら!!」と返してくれている。涙が出そうになった。
3泊4日の船旅、はじめはみんなとコミュニケーション取れるか心配だったが、皆好意的に私を受け入れてくれた。狭い空間で多くの人と共同生活をしたことで、アマゾン流域の人と触れ合うことができ、彼らの陽気さ、人の良さ、純粋さ、その他数々のブラジル人の魅力を感じることができた。
アマゾンを知りたければ船旅をせよ、といわれる理由が少しわかった気がした、、、。