TULIP 45th Memorial Tour “it remembers”
2016年9月24日(土)
大阪フェスティバルホール


2008年2月12日、大阪フェスのライヴで再結成チューリップは終わるはずだった。しかし、その4年半後の2012年9月、
デビュー40周年という節目の年にファンの熱い要望に応える形で1997年の再結成後6度目となるツアーを行うこととなった。
このTULIP“THE LIVE”40th memorial tourは翌年、2013年まで行われ7月2日の福岡サンパレスでのライヴで
幕を下ろした。
翌年ギターの安部俊幸氏が逝去され、再結成でのメンバー5人でライヴを行う事は永遠に不可能となった。

それから2年後の2016年9月、残されたメンバー4人とサポートメンバーを加えた総勢7人でチューリップは7度目のツアーを
敢行したのである。
1曲目の【もう笑わなくちゃ】。
私はこの曲をライヴで聴いた記憶がない。初期のチューリップで演奏したことがあるかもしれないが、私には初めて生で聴い
たという曲になる。
安部俊幸氏がもう居ないということをいつまでも悲しんでいないでもう笑おうよ、という意味で選曲されたという気がしてならない。
それは安部俊幸氏のトレードマークであったGibson ES-335の色違い(サンバースト)のギターで間奏のソロを財津和夫氏が弾
いたことにも現れていると思う。

私はこのツアーで安部俊幸氏のパートを誰が弾くのかに興味があった。サポートメンバーのギターは尾上サトシ氏なので彼が
代わりを務めるのかと思っていたが、そうではなかった。
いや、それは言い過ぎで実際、2部の殆どの曲のリードギターは尾上サトシ氏が弾いていた。
ただ、前半の多くの曲でリードギターを弾いたのは宮城伸一郎氏であり姫野達也氏であった。
永年、安部氏のギターと共に演奏してきた二人の音色は私には違和感なく受け入れる事ができた。

第2部の2曲目の前にチェリーレッドのGibson ES-335がステージに登場した。安部氏のギターである。
そして財津和夫氏のMCは安部氏が数々の楽曲をこのギターで奏でてきたことに言及した。安部氏が亡くなってから初めて目頭が
熱くなった。
演奏された曲は【夏に別れを】。安部氏の作詞・作曲・Lボーカルの楽曲である。
ちなみにこの曲はアルバム【Welcome to my house】に収録されているが、なんとこのアルバムは安部氏の作詞・作曲・Lボーカルの
楽曲が2曲も収録されているのである!(もう1曲は【セクシー・ペディキュア】)
今回のツアーではボーカルを財津・宮城・姫野・上田各氏が交互にとった。そしてこの曲のリードギターは黒のES-335を持った姫野氏。
(ヘッドの部分にGibsonの文字が確認できなかったので確信は無い。Epiphoneだったかも?)

7人編成の厚みが一番出たと思ったのは【青春の影】。
ライヴでのこの曲は間奏で安部氏のギターが泣くのが定番であるが、今回はキーボードが3名(財津氏、姫野氏とサポートの小泉信彦氏)
であるためスタジオ録音されたバージョンに近づける形で演奏された。(シンセサイザーで弦と管の音を出している)
最後のギターソロは尾上氏。

20曲目は【Shooting Star】。この曲はチューリップのライヴには無くてはならない曲になったと改めて感じた。
初めて聴いたのは1980年7月26日、豪雨の岐阜県大野郡朝日村だった。この4か月後、ジョン・レノンが暗殺される。

私は今日がチューリップのライヴを観るのは最後にしようと思って会場に足を運んだ。
本当にそうなるか否かは神のみぞ知る(笑)。


1.もう笑わなくちゃ
2.あいつが去った日
3.ハーモニー
4.あのバスを停めて!
5.夏色のおもいで
6.悲しきレイン・トレイン
7.エジプトの風
8.思い出のフリスビー
(生ギターコーナー)
9.恋のドラキュラ
10.箱入り娘
11.田舎へ引越そう
(第2部)
12.We Can Fly
13.夏に別れを
14.心の中は白い画用紙
15.ここはどこ
16.風のメロディ
17.虹とスニーカーの頃
18.ぼくがつくった愛のうた
19.青春の影
20.Shooting Star
21.心の旅
(アンコール1)
22.銀の指環
23.あの娘は魔法使い
24.夢中さ君に
(アンコール2)
25.魔法の黄色い靴


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