比良・堂満岳中央稜(敗退の巻)
(山行日) 2013年1月19日
(参加者) 大沢、生、伊東、北岡(報告)

いつものように午前7時に京都駅前集合。
僕の場合、始発に乗っても京都駅に着くのがこの時刻が精一杯。
すでに両師匠が新車とともにお待ちでした。
途中、四条で伊東さんを拾い湖西道路でイン谷を目指します。
車窓からは青空を背に比良連山は真っ白。
   

ピッケルとアイゼンを使っての登攀は今回が初めての僕と伊東さん。
ワクワクドキドキです。
登山口が近づくにつれて「ワクワク」はなくなり「ドキドキ」だけが(笑)
準備をして歩き出しますが暑い。  みるみるうちに頭に巻いたバンダナがボトボトに。
今日は快晴に近いような久しぶりの青空の下を歩けます。
積雪量も申し分ありません。  ッていうか多すぎるくらい。
案の定、中央稜の取り付きまでラッセルが大変大変。
ルンゼの初めの堰堤を越えるだけでも一苦労。
中央稜取り付きの少し手前の小滝(ロープが垂れ下がっていました)の通過にも四苦八苦。
ここでアイゼン装着。  そんなこんなで取り付き点到着までにかなりの時間を使ってしまいました。

ようやく先行の若い男女二人組が取り付いている最初の核心部。
少し待機して、まずは大沢さんが登ります。  ビレイヤーは伊東さん。
最初の核心部というけれど見た目はなんとも簡単そうな岩場です。
そんな簡単そうな岩場の出だしで師匠が落ちました(1.5m程)。
雪の上にデーンと派手な落ち方です。
ショックで雪崩が起きないか心配でした(笑) 伊東さんがうまく?ビレー。
伊東さん、生まれて初めてのビレー成功でした。
(これまで伊東さんのビレー中に落ちた人が誰もいませんので)
その後もう一度ドスン。  サービス精神旺盛な大沢師匠です(笑)
    最初の核心部 大沢さん

次に伊東さん。少し登ってはずり落ち、また登ってはずり落ち。
師匠が落ちるくらいだからやっぱり初心者では無理なのでしょうか。
下から生さんと僕があれこれアドバイスするも力尽きてちょっと休憩です。
(僕と二人だけの時にはもうこの辺で切れてますよ。)
その後負けず嫌いの性格が目覚めたのかなんとか無事登りきり姿が見えなくなりました。

   
                 伊東さん                      生さん
さて、これからが僕と生さんパーティーの番です。  トップは生さんにお願いしました。
生さんはウッウッウッ(やや力ずく)と唸りながらも一度も落ちることなくさっさと上がってしまわれました。
さすがです。  しばらくして上からコールがかかりいよいよ自分の番が廻って来ました。
アイゼンを履いてはいるものの見た目ではガバホールドだらけです。  楽勝v楽勝v。
オーバー手袋を外しウールの厚手の手袋で登ることにしました。
3センチくらいの岩の出っ張りに足をかけ立ち上がります。  次に手をガバに掛け・・・かかりません!
雪でつるつるで滑ります。  雪を払いのけて・・・もツルツルです。
あちこち腕を動かし掴めるところを探します。  どれも安心して持てるガバはありません。
一か八か身体を持ち上げようとした途端、手が滑って落ちました。  無念! 
やっぱり手で岩を掴むのは無理と判断。
今度はピックをあちこち突き刺してみて安心して引っ掛けられるところを探しピッケルのリストバンド
とシャフトを引っ張り身体を持ち上げました。  成功です。

最初の核心部を過ぎてすぐに次の核心部が出てきます。
予定の下山時刻が迫っていましたので大沢さんと伊東さんパーティーはここで終了。
生さんと僕の二人でこの核心だけを登ってすぐ戻ってくるということで今度は僕がリード。
ところがこの岩の中間支点は3.5m程上方にしか見えない。
これに掛けるまでに落ちたら崖下ダイブ!怖エ〜!。  「生さん、トップ交代お願いしま~す。」
師匠たちが以前来た時には支点はもっと下にもあったはずと岩についた雪をあちこち払いのけて
探しますと手前の岩面の2.5m程上方に一つ見つかりました。
生さんが頑張ってそのピンにやっとこさランニングを取りましたがこれからも大変です。
掴めるようなガバもないし足を掛けれるような出っ張りもありません。
大きな一枚岩のように見えました。
思いっきりロープにテンションを掛けて生さんを上に押し上げますが次の支点は・・・遥か彼方。

師匠方は「こんな難しくはなかったはずやけどなあ」と首を傾げることしきり。
一回の懸垂下降の後、急傾斜の小さなルンゼ状を足の付根近くまで潜りながら
一気に流されるように下って降りました。
近いうちに再度チャレンジすることを約束して京都駅に戻って来ました。  お疲れ様でした。
アイゼンとピッケル、両手は分厚い手袋をはめての登攀は思っていたよりはるかに難しかったです。
自信を持ってアイゼンの前爪に体重を乗せれるようにもっともっと練習して臨まなければなりません。
                                                                                                             (記・北岡)
 大峰・稲村ヶ岳(1725.9m)リベンジ&岩トレ
山行日 平成25年2月9日〜10日
                                 参加者 北岡 伊東(報告)

 この三連休は師匠達と4人で八ヶ岳に行く予定でした。出発前日の午前中にザックに装備を詰め込み準備完了。
ところが14時前 師匠から天候不良のため中止のメールが・・・。しばし呆然!!
仕事をしていない身とは言え せっかくの連休 なんとか山に行きたーい。
北岡さんに連絡を取り あれこれ策を練り 色々な案が出るが なんせ明日のことです。初めての山は準備に時間がない。天気予報を見ると 奈良県南部に晴れマークが・・・。
これはリベンジのチャンス!!
  ちょうど4年前 当時所属していた某山岳会で大峰・稲村ヶ岳に挑戦するも時間切れでもう少しというところで撤退し、いつかリベンジをと思いつつ 月日が経ち 毎年この時期になると「リベンジしたいなー」と思ってました。
北岡さんは何年か前の晩秋に登ったことがあるが、厳冬期はないという。私の提案に「いいよ」の返事が・・・。
「やったー 何としてもあの頂上の展望台に立ちたい・・・」打合せの結果9日(土)稲村ヶ岳に登り、下山後、車を走らせ 槇尾山の駐車場にテントを張り 翌日10日(日)は蔵岩下部でアイゼン&ピッケルトレをすることに決定しました。
そうと決まれば心も浮き浮きです。ザックに詰めた装備を小屋泊2泊3日からテント泊1泊2日に変更、食材の準備も完了です。

2月9日(土)
4時起床 5時に家を出て 待合せ場所の近鉄東花園駅に向かいます。  6時23分 東花園駅に到着し、北岡さんの車で一路 母公堂の駐車場に向かいます。  順調に進み8時50分 到着です。  すでに4台の車が先着してました。
これはトレースが期待出来ます。準備を整え 9時7分出発。法力峠までは昨日降ったであろう雪がうっすらと。雪が少ないなー。でも風もなく 途中汗ばんできたので衣服調整をして 法力峠まで1時間5分。
順調に歩いたつもりが予定時間を少しオーバーです。  13時半で引き返すと決めての出発でしたので、チラッとまた頂上に到達出来ずかと「撤退」の2文字が頭をかすめます。


法力峠でアイゼン装着、ストックをピッケルに替えました。
凍った上に雪が積もり アイゼンをきかせながらトラバース気味に歩きます。  途中から霧氷が現れ、遠くの山々も雪を被り 見上げると雲ひとつない青空に霧氷が映えます。尾根側も自然の芸術とでも言いますか 目を奪われます。
何度「きれい!!」「すごーい」と言ったことでしょう。  写真を撮ったり、立ち止まっては遠くに目をやり なかなか進みません。
 

   


     

鉄の階段や桟橋を渡り、いよいよ難所です。鎖が半分雪に埋まり 慎重にトラバースします。  なんとか難所を通過します。
何回か鉄や木の桟橋を渡り、またまた難所です。  慎重に慎重に足を運びます。  4年前 前を歩いていた会のベテランさんが足を滑らせ 目の前で滑落していきました。  30m滑落し 幸い無キズで回り込んで上がってきました。  その時のことが頭をよぎり より慎重になってましたが、なんとか通過しました。  稲村小屋目前で、朝6時過ぎに出発して下山中の初老の単独者に出会い 出発時は吹雪いていたと聞き 驚きでした。  9時過ぎに出発した私達は風もなく、雲ひとつない青空に感嘆の声を上げっぱなしでしたから。
  少し行くと稲村小屋の赤い屋根が見えてきました。  小屋裏の太陽のあたる所で昼食とします。  小屋の温度計はマイナス7度を示していましたが、太陽が照り、風もなく 全然寒さを感じません。  何としても頂上を踏みたいので、30分以内に出発ということで、急ぎカップ麺に湯を注ぎ 24分で昼食を終え12時45分に出発です。  
エアリアルのコースタイムでは頂上まで50分。  何とかタイムリミットの13時半にはたどり着きたい思いで 先を急ぎます。
難関の今にも崩れそうな巻き道のトラバースはピッケルを指しながら 一歩一歩慎重に進みます。  時々 下を見て 滑落すれば あそこまで落ちるのか・・と余計なことを考えながらもアイゼンをひっかけないよう バランスを崩さないよう 必死でした。

 

   

右前方にそそり立つ大日山の勇姿を見ながら 「4年前このあたりで撤退したなー 今日は何としても頂上を踏むぞ」という思いが込み上げてきます。  上から若者3人がシリセードをしながら降りてきました。「あともう少しですよ」と声をかけてくれたのですが、せっかくのトレースがシリセードで消えています。  シリセードはトレースのない所でやってほしいものです。

いよいよあの展望台が見えてきました。  鉄の階段を登ります。
「やったー やっと この展望台に立てたっ!!」人様のブログの写真を見ては、「私もあの展望台に立ちたい」と思い続けてきた念願の場所にやっと立つことが出来 感動です。  到着13時36分。  タイムリミットを6分オーバーしましたが、稲村小屋からほぼコースタイムの51分でたどり着くことが出来ました。  展望台からは360度の大パノラマです。  山上ヶ岳、大普賢、弥山、とんがってるのは頂仙岳。時間の立つのも忘れてしまい いつまでもここに居たい気持ちです。

   

   

先に到着した48歳の単独の方と少し話しましたが、ピッケルを持たず ストックで怖い思いをしたとのことです。
積雪期の稲村ヶ岳はピッケル必携です。名残惜しいですが、さあ下山開始です。
下山時に見る大日山は迫力満点で迫ってきます。登りたい衝動に駆られますが、いやいや 明るいうちに下山しなければ・・・帰りにも あの巻き道のトラバースを無事通過しないといけません。  帰路のトラバースは往路に比べ 踏み固められ 簡単に通過することが出来ました。稲村小屋前で休憩し 往路を戻ります。  鎖がある難所2ヶ所はピッケルを刺しながらバランスを取り 慎重に歩きます。難所を越えた所で ピッケルからストックに替えました。  遠くの山々は白く輝いてましたが、周りの木々は太陽に照らされ 霧氷が落ちてます。法力峠からは黙々と下るだけです。  17時4分 ヘッドランプのお世話にならずに駐車場にたどり着くことが出来ました。  この日の稲村ヶ岳は単独者2名、3人パーティーが2組そして私達の計10名の入山でした。
駐車場に先着していた車、後から続々と来た車の人達は山上ヶ岳へ向かったようでした。  先行者達のおかげでトレースもばっちりで踏み跡を辿ることが出来、4年来思い続けてきたリベンジを果たすことが出来ました。  私のリベンジに付き合ってくれた北岡さんにも感謝です。
装備を解き 翌日のアイゼン&ピッケルトレのため和泉市の槇尾山の駐車場に向け出発です。  19時20分に到着。
テントを張り 本日のディナーは、急に決まったので、冷蔵庫にあった食材で間に合わせたトマト鍋です。
食材は鶏肉 ウインナ きのこ類 キャベツ 玉ねぎ等です。
朝早く起きたので眠いです。  21時半にはシュラフに潜り込み お休みなさーい。

 

2月10日(日)
6時半に起き、昨日のトマト鍋のスープにご飯を入れ、チーズを混ぜた朝食をとり テントを撤収します。
テントのフライがパリパリに凍ってます。  ザックにアイゼン、クライミングギヤ一式、ピッケルを付けて 8時50分 蔵岩下部に向け出発です。
誰もいないので貸切状態と思いきや 準備をしていると2人組がやってきました。  まずは北岡さんが登り、私が確保します。
積雪期の登攀トレのため厚手の手袋をはめてです。   ピッケルのピックを引っ掛け、アイゼンの前爪で立ち込み 体重を乗せ 体を持ち上げます。  途中まで順調に進んでいた北岡さんがモタモタしてます。もう一組若者がやってきました。
クライミングシューズの時はフリクションがきくので簡単に登れるところです。  ようやくビレー地点に到達し 私が登ります。
北岡さんがモタモタしていた地点に到着しましたが、えっ どこに爪を置いたらいいの? どこにピッケルを引っ掛けたらいいの? セカンドと言えども落ちたくないので緊張です。  確保しながら隣の組としゃべっている北岡さんに思わず「しゃべらずにちゃんと確保してよ」と怒鳴る始末です。  なんとか登りきりましたが、疲れがドッと・・・。
トップロープのセットをして2度の懸垂で降ります。  必死でビレーしてましたので 証拠写真がありませんが・・・(笑)
そうこうしているうちに もう12時過ぎです。昼食を食べると戦意喪失です。
「今日はこれくらいにして帰ろうか」北岡さんがトップロープのセットを解除して懸垂で降りてきました。  山を登った翌日のおまけのような岩トレはだめですね。  日を改めて 岩トレに集中しようと 決意をし 今日のアイゼン&ピッケルトレはこれでおーしまい。
帰りに「葉菜の森」で、地元の農家の人達が作った野菜を買い込み、温泉で疲れを流し 帰路に着きました。

〈コースタイム〉
9:07 母公堂発 --- 10:12 〜 10:28 法力峠 --- 12:21〜45 山上辻(稲村小屋)--- 13:36〜53 稲村ヶ岳頂上
---14:32 山上辻(稲村小屋)---16:14 法力峠---17:04 母公堂着
 比良山系 蛇谷ヶ峰(901.7m)トレーニング
(山行日)  2013年2月24日
(参加者) 北岡 松本 高橋 真鍋 伊東(報告)
1ヶ月前 松ちゃんと高ちゃんから滑落停止の練習をしたいとの要望があり、北岡さんとどこにしようかと考えた末、2月3日 比良山系 蛇谷ヶ峰に滑落停止に適した場所があるか下見に行きました。
なかなか適した場所がなく 斜面を見つけては滑ってみるものの全く滑りません。 なんとか出来そうな場所を見つけ滑るかどうかはその日の雪次第ということで ひょっとしたら単なる雪山ハイクになるかも・・と連絡し、蛇谷ヶ峰に決〜定。
彼らはここ3年ほど 3月の武庫労山の六甲全縦に向けてのトレーニングを1月から始めており、あまり雪山の経験がなく今年は全縦は卒業ということで 色々な雪山技術の勉強をしたいと意欲的です。
事前に北岡さんから 山と渓谷社の「雪山登山」から滑落停止法のページがpdfで送られ、読んでおくようにというお達しがありました。  実は私は一回 目を通しただけでしたが・・・。
滋賀県高島市の天気予報は一日雪マーク。 雨でなく雪ならいいかっと決行。 6時半京橋に集合して 北岡号で出発です。
だんだん雪がちらちら、途中から かなり強く降って来ました。 坊村手前くらいから何台かの除雪車が除雪してくれてます。
ご苦労様です! 北岡さんの慎重な運転で 無事「朽木いきものふれあいの里」駐車場に到着しました。
身支度を整え 9時出発です。 下見時は林道に全く雪がなかったのに 駐車場周辺ですでに20〜30センチ積もってます。
駐車場からスノーシューを履いてる人達もいましたが、私達はつぼ足で出発です。
伊東が先頭を歩き 登山口に到着しましたが、かなり飛ばしてしまったらしく これが後々・・・。
登山口からは北岡さん先頭で 順番に先頭を交代して登って行きます。
登山口から30分ほどで伊東 失速です。 もう付いて行けませーん。 だんだん前に遅れていきます。
息も絶え絶え ハアーハアー。 とても付いて行けませーん。 脱落です。
蛇谷ヶ峰は3回目なので 大丈夫と一人で下山することを告げ 10mほど下ったでしょうか。 気を取り直し やっぱり頑張ろうと4人を追いかけます。
当初周回の予定でしたが、滑落停止の練習を優先したいということでピストンに変更してましたので、どこかで会うと確信して追いかけます。 4人は途中 わかんを履いたらしいのですが、必死で追いかける私には その余裕もなく 結局つぼ足で、雪の深みに足を取られたり沈みながら いつの間にか頂上に着いて やっと4人とご対面でした。

(蛇谷ヶ峰 頂上にて)
   
 真鍋さんは「絶対登ってくると思ったわ。」北岡さんからは「よー登ってきたなー」とねぎらわれましたが・・・(笑)
何年か前 真鍋さん他と雪の黒姫山に登った時、前日 何かで左胸を強打し しゃべるのも笑うのも痛くて登山口から少しの所で下山すると下りかかったのですが、左胸を手で押さえながらみんなを追いかけ登ったことがあったので、真鍋さんは追いかけてくるのを確信していたみたいです(笑)
それにしても あの雪の中 コースタイム2時間20分のところを4人は2時間9分で頂上着。 私は2時間20分で頂上着です。 そんなに遅いとも思わないのですが、「みんな どんだけ早いねん!!」

  絶え間なく 雪は降り続いてます。下見時は好天で先の電波塔まで行き 眺望を楽しんだのですが、今日は なーんにも見えません。行 動食を口にし ピストンで 滑落停止練習のポイントに向かいます。 頂上から110mほど下った高度約790mの急斜面が練習場所です。 伊東はここでアイゼンを付けました。 前日から降り続いている雪で 足を踏み入れただけで 潜ってしまう雪では全く滑らないので、7〜8m 雪を圧雪して なんとか滑るようになりました。 北岡さんから 急斜面でスリップした場合の初期制動の方法や「肩制動」で止める説明とお手本を見せてもらい、順番に滑って ピッケルのピック部を打ち込んで止める練習をします。
まあ 何もしなくても止まってしまうのですが・・・。 仕方ないですね。 型だけでもわかればいいでしょう。
松ちゃんも高ちゃんもすぐに様になります。 身体能力が高いです。 楽しげにやってます。
     

     

  その後 ロープを出し北岡さんから スタカット時のビレイ法(スタンディングアックスビレイ)を教えてもらったり、雪中ビバークで スコップのない場合 ピッケルのブレードを使って雪を堀り ヘルメットで掻きだす方法等教えてもらいました。
雪は降り続き 風も出てきたので 1時間20分位で終了し下ります。  風のないところでランチタイムとしたいのですが、なかなか風が強いです。  樹林帯の中に少しましな場所を見つけ ランチタイムとしたのですが、目の前の大木が風で揺れてます。
じっとしていると寒いです。  早々に切り上げ 来た道を戻りますが、風でトレースが消え1ケ所 少し左に振る所をまっすぐに行きそうになりGPSで確認しました。
   林道に出て15分ほど歩いて14時20分駐車場着ですが、林道歩きも4人は早いのなんの。
これってコンパスの違い?  必死で付いて行きますが、それでも遅れてしまうんですね。  またまた「みんなどんだけ早いねん!!」雪が1日降り続き、風も出て 吹雪いた中 松ちゃんも高ちゃんも真鍋さんも楽しそうで、「あんた達は強いっ!!」 の一言です。 私はもう心が折れそうでした。 帰りは茨木ICで降り 王将でたらふく食べ 解散となりました。
今回の反省点は 初っ端の林道歩きのペースが早過ぎ途中失速。
山岳会なら 全員下山か誰かが付いて下山するでしょうが、一人で下山しようとしたのは間違いですね。
ペースを落としてもらうよう言うべきか休憩してほしいと言うべきでした。 でも悪天にもかかわらず、みんな 楽しかったと言ってもらえ 企画者としては 満足な山行でした。   
今回写真が少なく 載せた写真もぼやけた写真で しょぼいレポになってしまいました。 (伊東)

[コースタイム]
駐車場9:00発−蛇谷ヶ峰頂上(4人)11:09着、 (伊東)11:20着 11:26発−P790にてトレ11:40〜12:57
駐車場14:20着
鈴鹿・霊仙山(1083.5m)
(コース)    落合 〜 汗拭峠 〜 霊仙山 〜 西南尾根 〜 今畑 〜 落合
(山行日)   2003年3月3日(日)
(参加者)   大沢、生、伊東、北岡(報告)
 
  滋賀県の鈴鹿最北部に位置する霊仙山に登ってきました。 大沢さんから「今週末、伊吹山に雪洞掘りに行きませんか?」と水曜日にメールが入ったのが今回の山行の始まりでした。  宴会好きの大沢さん、どうやら雪洞の中での鍋宴会が目的のようです。
あいにく僕も伊東さんも土曜は用事があってダメ。  日曜の日帰りならOKということで行き先を鈴鹿の霊仙山に変更。
「大沢さん、コースは?」「行きの車の中で考えようかと思ってますが?」これにはメンバー一同ダメ出し。
「お薦めのコースは?」と聞かれたので急遽、仕事をほっぽり出してネットで調べました。
「霊仙山の右回り周回コース」に決定! ということでいつもの京都駅前を7時に出発。

  登山口の落合集落へは彦根ICで降りるのですが、急遽コース決定したこともあり、メンバーの打ち合わせ不足で運転の生さん、上丹生〜谷山谷〜霊仙山〜汗フキ峠〜榑ヶ畑〜醒ヶ井養鱒場〜上丹生に戻るという周回コースと勘違いして米原ICへ。(´;ェ;`)ウゥ・・・
県道17号は雪解け水の清流が美しい芹川の流れにそって次第に離合困難な細い道になって落合の山奥に入っていきます。
道路の積雪のためどこまで入っていけるか心配です。
 幸い登山口の落合神社のすぐ手前まで入ることが出来ました。準備を済ませ出発。

川の流れを左に見ながら大洞谷に入っていきます。  積雪は10センチ程で、うっすらと新雪が。
目を上げれば樹林の上には青空。  しかし谷はひどく荒れていて沢山の倒木が行く手を何度も遮ります。
左手の尾根の稜線が近くに感じる頃 登山道が向きを変え大洞谷に別れを告げ、すぐに汗ふき峠。
ここを下れば廃村榑ヶ畑。  霊仙山へは右の尾根を登ります。  「五合目・見晴台」を過ぎ急な斜面をジグザグに登って行きます。足元には枯れ笹と石灰岩がごろごろ。  歩きにくい。
   
もう少しで汗拭峠                     石灰岩と枯れ笹の登山道           もうすぐ7合目

いつしか上空の青空は姿を消し大嫌いなグレースカイに。  登りつめると「七合目・お猿岩」。
頂上がすぐ前に見えています。  この辺りから頂稜周辺にかけてはゆるやかな起伏で枯れ木に咲かせた霧氷の花が美しく、寒さを忘れさせてくれます。  少し下れば雪原の中にぽつんとひなびた鳥居が立っていました。
「霊仙神社」と書かれています。  ガイドブックの写真にはこの鳥居の前には「お虎ガ池」があるようですが、今は雪の毛布をかぶっています。
   
お猿岩を過ぎてお虎ガ池方面へ向かう                                     霊山神社の鳥居

ここから踏み跡は浅い谷を経塚山と霊仙山頂とのコル方面へ向かっていましたがせっかちな我々は霊仙山頂へ直登です。地表の突起物全てにエビの尻尾ができています。すぐに石がゴロゴロした標高1083.5mの頂上。
「やりました。積雪期の霊仙山登頂成功です。」←なんていうほどのことは全くないのですよ。  誰でも登れますから、ハイ。
見晴らしは最高ですがグレースカイではねえ。  ゴロゴロの石にアイゼンが泣いてます。
記念写真を撮っただけで山座同定することもなくすぐに出発。  ここより10m高い最高点経由で西南尾根を降りていきます。
いつしか上空には青空も戻って来ました。

霊仙山 山頂

最高点からは感動の嵐です。緩やかな弧を連ね描く美しい雪庇の稜線がありました。
立山や白馬にも引けをとらない美しさです。  この雪庇を見て生さんは女性のスカートの裾を連想し、僕はソフトクリームが食べたくなりました。  この違い何やねん。
時々ズボッっと足の付根まで踏み抜きながらも楽しい稜線歩きです。 左手には藤原岳や御池岳も見えています。
近江展望台を過ぎ笹峠の手前あたりはかなりの急傾斜でそのうえブッシュやゴロゴロの石が散らばってます。
前を行くパーティーは苦戦模様。氷化している時は確実なアイゼンワークとピッケルが必要でしょう。
笹峠の前方にあるピーク(P712)を右から巻きその北西の小尾根を乗越せばしっかりとした作業道に出ました。
あとはその道を15分程歩けば朽ちて崩れ落ちた民家や住居跡地に出ます。
さらにそこから15分で今畑の車道に出ました。  この辺りの集落は30年ほど前に廃村になったそうです。

山頂一帯はイチリンソウの大群落地だそうで福寿草もあと3〜4週間後くらいがいいのでしょうか。
花のシーズンにコースを変えてまた来ようかな。
                                                                                               (記・北岡)

   

   

 

[コースタイム]
落合神社手前9:11〜落合登山届ポスト前9:21〜汗ふき峠10:14〜五合見晴台10:54―11:03〜七合お猿岩標識11:26―36〜霊山神社鳥居11:46〜高度970m昼食11:55―12:21〜霊仙山山頂12:38―43〜P1094最高点12:54〜P1003近江展望台13:39〜笹峠14:14〜今畑登山口14:55〜落合神社手前15:02

近江タクシーが多賀大社前駅から落合、今畑へ(河内線)1時間に1本定期便を出しているようですが
詳細は 近江タクシー兜F根営業所まで
登山口の駐車スペース 今畑3台程度、落合2台程度 道路上は離合場所として駐車禁止
無雪期ならもう少し置けるかも知れません。
 両白山地 薙刀山(1647.2m)

(山行日)   平成25年3月9日(土)〜10日(日)
(メンバー) 北岡 伊東(報告)
(報告)
  奥美濃の薙刀山(ナギナタヤマ)へ行ってきました。
2年前の4月初め 野伏ヶ岳に登った時、薙刀山から縦走してきたパーティに出会いました。
薙刀山も野伏ヶ岳同様 藪山で残雪期しか登れない山です。
ピラミダルな山容の野伏ヶ岳に比べ いかにも平面的で登高意欲の沸かない平凡な山容ですが、
なぜかやり残した感があり、「今年は行くぞ!」と意気込んでました。
3月に入り 暖かい日が続き これは4月までは待てない 早く行かないと・・・。
でもこの暖かさで雪崩が心配です。  まあ取りあえず行ってみましょう。

3/9(土)
大阪から東海北陸道 白鳥ICを経て4時間で登山口駐車場の白山中居神社(ハクサンチュウキョジンジャ)に到着。
心配していた通り 駐車場は満車です。  置けそうな場所を探し 橋の手前まで行くがすでに先行車で置く余地なしです。
この時期人気の野伏ヶ岳 その上この快晴では予想されたことです。  もう一度駐車場に戻ります。
「神様〜なんとか置かせて下さーい」願いが通じたのか 雪掻きをすればなんとか一台入りそうです。
相棒がスコップを車から取り出し 2m近くある雪壁を崩していきます。
腰痛持ちなので 途中「替わろうか」と言っても「いや大丈夫」と男の意地か? 汗ダラダラでせっせこ せっせこ。
おかげでなんとか停めるスペースを確保出来ました。  パンを口にし もう1時前です。
単独の男性が下りて来ました。  聞くと6時過ぎに出発して薙刀山をピストンしてきたとか。
早っ!! 「トレースを付けてきたので大丈夫ですよ。
でも明日は天気が崩れるので 無理をしないほうがいいですよー」とアドバイスをいただき出発です。     
大進橋のかかる石徹白川(イトシロガワ)の中州や石の上にも雪がのっかてます。
所々林道の急カーブをショートカットして樹林帯をゆっくり進みます。
   
 今日は久しぶりに そういえば去年の9月以来のテント装備を背負ってます。  それにしても暑いです。
この時期 記録的な暑さです。  もうすっかり春山の様相です。足元の雪は水分たっぷりで重いです。
先行者の足跡を踏んでも時々ズボッと踏み抜きます。
でも 我々の足元は早々とスノーシューを履いているので けっこう快適にルンルン気分です。
今日は幕営地の和田山牧場跡までの行程。急ぐことはないのです。
突然視界がパーっと広がり 大雪原の和田山牧場跡に出ました。  360度の展望です。
座り込み この大自然の中に身を置いている幸せをかみしめながら 時の流れに身をまかせていたい気分です。
(そういえば こんな歌がありましたっけ?)
見上げると雲ひとつない青空。
「あ〜1日ずれていたらなー」「明日の天気の崩れのことは考えずに今日はいい気分でいさせて下さーい。」
     

   
  さあ重い腰を上げるとしよう。 幕営地をどこにしょうか。  明日は天気が崩れる前に出来るだけ早く登ってしまいたい。
そんな思いから 先へ先へと進みます。  途中何張かのテントが設営されてます。
みんな野伏ヶ岳でしょうか。  我々は野伏ヶ岳の東尾根末端近くでテントを張りました。
本日のディナーの寄せ鍋を食し 20時には おやすみなさい。
夜中少ないながらも都会では見られない大きな星が輝いていたのですが、さて明日は・・・。


3/10(日)
 4時起床。  5時半前 まだ夜があけきらぬうちに出発です。  どんよりとした空模様です。
昨日の先行者の足跡をたどります。
周囲を見ると尾根芯であろうと谷の斜面であろうとあちらこちら亀裂が入って
中にはパックリと大きく地肌が見えているところもあります。内心びくびくです。  雪崩が怖いです。
核心は推高谷(シッコウダニ)をどの辺りで横断するかですが、
踏み跡はこの谷のかなり上部を狙って横断するように続いてます。
歩きにくい斜面のトラバースです。  我々はスノーシューなので 足の置き場に気を使います。
滑落停止のため ピッケルを刺し バランスを取ります。  谷底を見ると踏み跡が幾つか見えます。
まあ なんと大胆な!! さすが それはまずいでしょう。  あまりにも雪崩リスクが大き過ぎます。
前方に長くて大きな雪庇が立ちはだかります。  踏み跡は雪庇に向かって続いてます。
     


亀裂が大きく入った雪庇のすぐ側を恐る恐る通り抜けやっと稜線に立ちました。  ここからは緩やかな尾根歩きです。
   (なんとか無事稜線に立つことが出来た)

雪庇が連続している先に目指す薙刀山の頂上が見えます。  雪庇を踏み抜くリスクを避け 踏み跡よりも内側をたどります。
ポツリ ポツリ 雨が降ってきました。  いつ降ってもおかしくない空模様だっただけに 「もう来たか!」おまけに風も出てきました。瞬間的に体が振られるくらいの強風です。  頂上はまだ先です。
早く着きたいと思えば思うほど 遠くに感じられます。
ここまで危険を冒してきたからには なんとしても頂上を踏みたい一心です。  稜線に出て約1時間。
やっと頂上にたどり着きました。  天候が悪いながらも まだ展望がありましたが、だんだんとガスで真っ白になってきました。
長居は無用です。
  (薙刀山頂上)
  (薙刀山頂上から野伏ヶ岳方向)
頂上を踏んだ喜びも束の間 早速下山開始です。  自分達が付けた踏み跡をたどり 急ぎます。
稜線から谷筋へ下る手前あたりで、夫婦らしきカップルが上がってきました。  天気は悪くなる一方です。
たぶん頂上はガスで何も見えないでしょう。  お互い気を付けてというエールを交わし 来た道を戻ります。
雨が小降りになり、少し風もおさまったところで 空腹を感じ パンを口にし トラバースしたり 急な斜面を下ったり
 テントが見えた時はホッとしました。
テントの中でカップ麺を食べ テント撤収にかかります。  なんと今度はアラレの洗礼です。
大粒なアラレが降る中 急ぎ撤収し、和田山牧場跡をあとにします。
所々ショートカットして 駐車場までは淡々と下るだけです。  が 今度は雪が降ってきました。
雨、風、アラレ、みぞれ、雪と目まぐるしく変わりますが、細かい雪がしんしんと降っている様は幻想的ですらありました。
全然苦にならず 雪の降る中を歩くのが楽しくさえありました。  13時過ぎ 無事駐車場に到着。
帰りに「満天の湯」に寄り帰阪しました。

今回の山行は 天気が崩れるのがわかっていながら 登るべきではなかったのではないか?
何ヶ所かの亀裂を見た時に雪崩リスクを考えれば撤退すべきだったのではないか? 等
大いに考えさせられる山行でした。
                                        (伊東 記)

(幕営地から薙刀山への今回のルート)


(コースタイム)
3/9 駐車場12:49発→幕営地16:20着   
3/10 幕営地5:13発〜稜線7:28〜薙刀山8:24〜8:36発 
稜線から谷への下降点9:10〜幕営地10:29着 
(食事、テント撤収)11:29発〜駐車場13:19着

[北岡の感想]
これまで尾根歩きは雪崩の心配がないと思っていました。
ところが今回の山の斜面を見て大きな間違いであることに気づきました。
尾根芯に乗っている雪が面全体で下部の尾根芯に向かって落ちているのです。
コースの上部に積雪のある時は雪崩の可能性がゼロではないということですね。
今回は大きな雪庇の崩落が一番怖かったですね。  大きくひび割れていました。
そんな雪庇の横を通過して運良く稜線に乗れましたが伊東さんも言ってるようにあれは大きな判断ミスですね。
先行者の足跡にとらわれずに雪庇の途切れている場所を探すか或いは撤退すべきだったように思います。
・・・あれくらいのことで怖がっていたらとても雪庇をくりぬいて稜線に出るという白馬の主稜登攀なんか出来ないよ・・・っていわれそうですが。
まあそんなルートには我々は行きませんから。
 蝶ケ岳(2677m) 常念岳(2857m)
〈2013年GW ゆったりプラン〉
(山行日)  2013年5月3日(金)〜5日(日)
(参加者)  北岡(L) 伊東(報告)
 
  このGWは遠征は出来ないものとあきらめていたところ 相棒から「行けるようになったでー」の連絡があり急遽行先を決めることに。
仕事、地域活動が超多忙で約2ケ月山に行ってない相棒と、4月28日に愛宕山、出発前日の5月1日も横山岳に行った私。
相棒が老体の私の疲れを心配して、今回は欲張らず小屋泊でゆったり行程で行こうと最終的に決めたのが、蝶ケ岳〜常念岳。私は以前 GWに徳沢〜蝶ケ岳のピストン、無雪期に燕岳〜大天井〜常念岳〜蝶ケ岳〜横尾の縦走に行ったことがあるが、二人共 三股からの登りは初めて。
常念から一の沢の下りは 相棒は一度経験があるが、私は初めてなので このコースに決〜定。

5月2日(木)
18時10分 寝屋川を出発し 名神〜中央道〜長野自動車道 安曇野ICを0時10分に出て林道烏川線終点の駐車場へ0時50分到着。
この駐車場は約70台駐車出来、トイレもあります。  急いで寝支度をし、1時にはおやすみなさい。

5月3日(金)
5時半起床。もう出発するパーティもいますが、私達は今日は蝶ケ岳ヒュッテまでの行程なので ゆっくりと支度をし、7時前に出発です。
見上げると雲ひとつない青空。「山はやっぱり天気やなー」と言いながらテンションがあがります。ゲートから20分ほどで蝶ケ岳と常念岳の分岐です。
   

三股補導所の建物があり GW期間中は遭対協の担当者が駐在しており ここで登山届を提出します。
担当者から「アイゼン、ピッケルは持ってますか?」と聞かれ「はい あります。ないのはお金と若さだけです。」なーんて ベタなことを言って笑いをとり 蝶ケ岳方面の案内板を見て進みます。吊り橋を渡り 樹林帯を登っていきます。

 
1時間ほどで 「ゴジラの木」とご対面。口と目に石が埋め込まれ ホントにゴジラのようです。誰が被せたのか チョンと乗っかってる帽子がご愛嬌です。
まだ雪は現れません。そろそろ雪が現れ始め きつい段差を登っていきます。下って来たパーティの若い女性が「雪はところどころにしかないですよ。私達はアイゼン無しで大丈夫でしたよ」って「ええーっ 雪はところどころ??」雪を求めてはるばる来たのに もう一度相棒と顔を見合わせ「ええーっ」。ところがだんだんと雪が現れ始め まめうち平に到着。「雪 けっこう あるやん さっきの女性は雪はところどころにしかないって確かに言ったよね。」と聞き違いでないよね と ばかりに相槌を求めます。
ここでアイゼンを付け 私はダブルストックの片方をピッケルに持ち替えます。相棒はストックは持たず 最初からロングピッケルです。他のパーティもほとんどがここでアイゼン装着です。さあーここからきつい登りが始まります。地図を見てもずっと等高線が詰んでます。樹林帯の中 一歩一歩登って行きます。大勢の人が登り踏み跡が階段状になってます。皆さん テント泊のようで 重いザックを背負ってます。明日登る予定の常念岳か樹間からその雄姿を現します。
     
なかなかきつい登りで ゆっくりゆっくり登っていきます。相棒はなぜか元気いっぱいで快調です。
私は心の中で「 一歩一歩ゆっくりでも進めば辿り着く」と唱えながら 重い足を上げます。
     
上部がだんだんと明るくなり急登の樹林帯を抜け 最後の力を振り絞り 原っぱのような台地に到着です。素晴らしい眺望です。雪がきれいです。聞くところによると、1週間前に雪が降りけっこう積もったようで、3月初めに行った奥美濃の薙刀山の腐った雪とは大違いです。風紋が出来 ダケカンバ越しに見る雪を被った山々が青空に映え 絶妙のアングルです。ここでカップ麺を食べ大休止。
   
     
蝶ケ岳ヒュッテまでは ゆるやかな登りです。今日の目的地のヒュッテが見えて来ました。稜線上は風が強く すでに張ってあるテントが風にパタパタとはためいてます。
       

   
ヒュッテの受付を済ませ 「瞑想の丘」までお散歩ですが、風が強く寒くてさっさと引き上げて来ました。小屋前からは御嶽〜乗鞍〜穂高連峰、槍まで絶景が広がっていました。北鎌も前穂北尾根もちゃんと見えてました。
   
さあさあワインで乾杯です。一人の男性に席を譲ってもらいます。話をしていると昨年大峰の弥山・八経ケ岳を敗退した時に途中で出会った男性で その方やその方の山友のブログをよく見てたので話が弾みます。5時半の夕食を終え 前夜発の寝不足で早くにおやすみなさい。

5月4日(土)
 
アイゼンを装着し、蝶ケ岳ヒュッテを6時44分に出発。今日は常念小屋までの行程です。天気は昨日に比べ雲が多いもののよい天気です。さあ稜線漫歩を楽しみながら ゆっくり行きましょう。
あらあら 雷鳥のつがいがお散歩中です。カメラを向けても、少し近づいても逃げようとしません。今 雷鳥の毛は冬毛から夏毛に生え変わる途中のようです。まだら模様になってます。
横尾山荘分岐を過ぎると蝶槍です。ずっと左に槍、穂高連峰を見ながら 心ウキウキ、ルンルン気分、もう表現出来ないくらい、大声で叫びたいくらいの眺望です。「来てよかったー」だんだんと槍の上あたりに雲がかかり 時々槍が雲に隠れますが、また現れます。 自然の憎い演出でしょうか。
     
   
蝶槍からは樹林帯の長い激下りになり、再び樹林帯を登り返します。先に見える常念岳は威圧感をもって迫ってきますが、まだまだ長い道のりのように思えます。岩稜帯の途中でアイゼンを外します。赤ペンキに導かれ(中にはハートマークの赤ペンキもあります。かーわゆい!) いよいよ最後の登り 頂上直下で再びアイゼンを付け ひたすら登ると あっけなく頂上に立ちました。
     
常念山頂には小さな祠があり、横に常念山と書かれた展望図があります。
残念ながら雲行きがあやしく眺望を得ることは出来ませんでしたが、もう十二分に満足でした。頂上は大学生のパーティや単独の男性達で賑やかです。
少し下った所で カップ麺を食べていると 横殴りの雪が降って来ました。早々に片付け 雪の上に自分達だけのトレースをつけ下ります。だんだんと天気も回復してきました。
三股分岐を過ぎ 少し行くと いよいよ常念小屋への下りです。大きな石がゴロゴロの道をつづら折れに下って行きます。ところどころ雪があるので、アイゼンをつけたままです。眼下に小屋が見えるもジグザグに下ると長〜い下りです。雪がびっしり付いていると 直に下れるのですが・・・。雪が少なくなってきたところで アイゼンを外します。小屋に荷物を置いて常念岳をピストンする人達に出会います。中には手にビニール袋に入れたアイゼンだけを持っている人もおり、せめて最低限度必要な物を持たないと山の天気は気まぐれですよ。1時間少しかかって やっと常念小屋に到着です。
 
今日の常念小屋は満員です。残雪期のGWに登る人が多いのには驚かされました。食堂でまたまたワインで二人宴会に突入です。今回はゆったりプランなので小屋に早く到着すると想定して、酒の肴も豊富に持参です。相棒はすっかり酩酊状態で夕食まで寝ると部屋に戻り 私は一人 あっちのグループこっちのグループと話の輪に入れていただき 楽しい時間を過ごしました今日は食事が2回戦で私達は2巡目なので18時半からです。
食事のあと 同室(6人部屋)の岡山からの二人組と喋ったりして楽しい時間を過ごし 20時過ぎに おやすみなさい。

5月5日(日)
私達は一の沢を下り 三股へ車の回収に行き 帰阪するだけなので ゆっくりの起床ですが、暗いうちから 小屋の玄関には 登山者達が準備整い 出発して行きました。同室の岡山の二人組も常念〜蝶〜横尾に下るということで 早くから出発準備にかかってます。
昨晩 予定通り一の沢から下るか、予定を変更して前常念から下るかを検討しました。前常念から下ると三股に降り立つので タクシー代の7000円が要らないわけです。 常念岳からの下りで、前常念から下るパーティを見た相棒は前常念から下りたそうでしたが、登りに使うのはいいが、下りは 小屋のスタッフも、泊り客の地元のベテランさんも1週間前に降った雪でトラバースが危険なので辞めたほうがいいというアドバイスで渋々当初の予定通り 一の沢を下ることに決めてました。
私達は6時前に起床 2巡目の朝食を終え 出発準備です。受付でヒエ平登山口11時でタクシーの予約を頼み(手数料100円)7時20分出発です。
   ヒエ平への急下降

下山口で私はアイゼン装着しましたが、相棒はアイゼンを付けずです。いきなりの急な雪渓を下って行きます。私は最初はジグザクに付いたトレース通りに下りますが、相棒は楽しげに直に下りて行きました。私も少し緩んだところから 直に下りて行きます。
単独の男性が何人か この胸突き八丁を登って来ます。日帰りで常念岳に行かれるのでしょう。中程辺りで 大学生のパーティが滑落停止の練習をしていました。私達は邪魔をしないように横の方を下りて行きます。   
平坦になったところで テントが張ってあり 中学生くらいのお孫さんと一緒の女性がいました。どうしてこんなところでテントを? お孫さんがこの胸突き八丁を途中まで登ったが、下りを思うと それ以上登るのは怖いということで 途中で引き返して来た ということでした。おばあちゃん曰く 「孫は雪の五竜ケ岳も登っているんですけどねぇ」お孫さんが山に登るのを嫌いにならないように 無理しないほうがいいですよね。もう少し大きくなった時に また登ればいいですよ。
タクシーの予約があるので 時計を気にしながら下って行きます。樹林帯の中もリボンがあるので迷うことはないです。烏帽子沢出合のところで大休止。そこで私はアイゼンを外しました。外した途端に雪の上で滑りスッテンコロリです。前でアイゼンを外している若者2人に照れながら「ヘヘっ!!こけてしまいました」と得意の笑いでごまかしてました。
 
沢沿いの道を快調に進み ヒエ平登山口の登山補導所前に到着。予約のタクシーに乗り込み 三股の駐車場へ車の回収に向かいました。所要時間約40分 。料金はインターネットで調べた通りの7000円でした。
天気は快晴で 帰るのはもったいないなーと思いつつ 入浴後 帰阪しました。

このルートは天気がよければ 本当に眺望のいいコースです。今回は富士山がかすかにしか見えなかったですが、360度の大パノラマで 相棒とこの時期にもう一度来てもいいなーと話しました。
次回は前常念経由で登りたいなー。

《コースタイム》
5/3(金)
三股駐車場 6:55 〜 P1916(まめうち平)9:34〜47 〜 P2575辺り13:06〜39 昼食
P2480辺りまで樹林帯 〜 蝶ヶ岳ヒュッテ 14:03
5/4(土)
蝶ヶ岳ヒュッテ 6:44 〜 P2625(横尾山荘分岐)7:14 〜 蝶槍 7:40〜59 〜 P2592 9:16
〜P2512 9:56 〜 常念岳頂上 12:04〜33 昼食 〜 常念小屋 13:39
5/5(日)
常念小屋 7:20 〜 烏帽子沢出合 8:54 ―9:08 〜 P1323(ヒエ平登山口)10:21
南アルプス・鳳凰三山縦走 地蔵ヶ岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳
コース 広河原〜白鳳峠入口〜白鳳峠〜高嶺(2778.8m)〜地蔵ヶ岳(2764m)〜観音ヶ岳(2840m)〜 薬師ヶ岳(2780m)〜夜叉神峠〜夜叉神峠登山口
山行日 2013年9月21〜22日
参加者 伊東、北岡(報告)


 今夏は週末ごとの悪天候で予定の山行が出来ずストレスが相当溜まっていた。そして待ちに待った9月敬老の日の連休、・・・まさかの台風が。暴発寸前の気持をなんとか鎮め、予定を一週間スライドさせ秋分の日の連休、ついに僕たちは好天を手にした。それも何一つ文句のつけようのない素晴らしい秋の澄み渡る青空。大きな展望と飽きさせない景観が広がり続く快晴の中の縦走となった。
台風18号で名神・八日市〜彦根間が被害を受け通行止めの為、9月20日19時少し前、大阪茨木ICから名神、新名神、東名阪、伊勢湾岸道、東海環状、中央道、中部横断道と、普段馴染みのない高速道をひた走り白根ICで降りる。登山口の夜叉神峠登山口駐車場に着いたのが深夜1時過ぎ。駐車場に空きスペースがあるかどうか心配していたが、まだ少し余裕があった。即行で眠りにつく。
 
3時間あまりの仮眠。夜明け前の肌寒い中、広河原への5時30分のバスに乗るべくバス停で先頭で並ぶ。バス待ちの列は後方に25人程。ここから先は一般車通行止めの為バスかタクシーになる。ここより20分程手前にある市営芦安駐車場からの乗り合いタクシーが満席で続々とゲート前に並ぶ。このタクシーの中の一人の運転手、実に性格が悪い。バス待ちの人の列に向かって「こんなとこでバスを待っててもいつまでたっても乗れないよ。下の駐車場でも積み残しがあるくらいだからね。広河原へ行くなら下からタクシーで入らなきゃ。」なんて意味のことを繰り返し言う。みんな少し不安顔になる。そんなことを今ここで言われてもどうしようもないのに。タクシーを利用しないで来た者への嫌がらせか。しかし乗客整理係の方であろうか「甲府駅から直接ここに来るバスは立席なしで来るから座れないけど乗れると思いますよ。」とみんなの不安を和らげる言葉を掛けてくれる。さっきの運転手とは人間の出来が違う。
並んでいた全員が予定のバスに乗車\(^o^)/ 愛想のいい女性車掌さんのガイドで吊り革を握ったままの40分は退屈せず直ぐに経過。広河原バス停着。大勢の登山者でごった返している。ここで北沢峠行きのバスに乗り換えて甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳へ向かう人と、ここから北岳へ登る人に分かれる。自分たちがこれから向かう白鳳峠方向へは誰一人行かない。人が行かないような変人好みのコースを選んだと、また相棒に怒られそうだ。

バス停から15分程車道を行くと右手の白鳳峠への山道に入る。ここから峠まで標高差900m近くを頑張らないといけない。初端からかなりの急登。一歩一歩が高度を稼ぐ。登山道はしっかりと整備されている。標高2200m辺りでシラビソの樹林帯を抜け出る。目の前の景色が一変する。山肌に蒔き広げられた、まるで大きな木炭かと見間違えるほどの風合いの少し黒っぽい大小の石とそれを取り巻く周囲の緑の低木。そしてその上には雲ひとつない真っ青な空がある。このコントラストとその配置が実にいい。眼前の景色に感激して、ふと振り返れば左右に小太郎尾根と池山吊尾根という大きく緩やかな尾根を張り出した標高日本第2位の北岳が。この景観、しんどいコースだがそれだけの値打ちがある。ここから峠までは傾斜も緩んで歩きやすい。


バス停から5時間近くかかってようやく白鳳峠。ここまでで出会ったのは下山者が10人程。登る人にいたっては自分たちの他に一人だけ。聞き慣れない小鳥のさえずりだけが聞こえる。静かなコース。ここからもまだまだ登りが続く。白鳳峠を少し行くと直ぐ後方に山肌が白くザレた形の良い山が見えた。甲斐駒ケ岳だ。そのまま右に少し視線を移すと小淵沢辺りの街を挟んでどこかで見たような形の山が。八ヶ岳の主峰赤岳だ。
寝付きの悪い相棒はあまり睡眠時間が取れなかったようで、少し疲れている様子。一度だけ弱音を吐いた。ところが話好きの相棒、高嶺(たかね)への途中ですれ違いのアメリカとイギリスの2人組の青年と英会話を楽しんだ後はまた元気が戻ってきたようだ。相棒はただ今、英会話の学校で勉強中。(英語のブログも開設したとか)外国の青年を相手に実地訓練か。高嶺頂上の直ぐ手前、突然に前方に特徴ある岩塊が現れた。地蔵ヶ岳のオベリスクだ。文献では「語源はギリシャ語のobelos、串の意味」らしい。他に「方形で上に向かって細くなり先端はピラミッド型の石造の記念碑」とも書かれてある。 高嶺から赤抜沢ノ頭への稜線上を行くとオベリスクの先端に人が立っているのが見えた。すごいな〜!。 暫く見つめた後、あれが観音ヶ岳、あれが薬師ヶ岳と視線を移していると「あっ!」思わず声が出てしまった。富士山が大きくシルエットで空に浮かんでいた。ここからの富士山はデカイ


赤抜沢ノ頭にやってきた。ここからはオベリスクは直ぐ目の前。何人かが先端に向かって攀じっている。その姿を一度見れば岳人なら誰もがその先端に立ちたくなるだろう。前回1999年の正月に来たことがある。その時には一番上の大岩の中ほどまで登ったが途中で怖くなり残念ながら岩頭には立てなかった。さて今回はあの先端に立てるのだろうか。当時を思い出しながら眺めた。この赤抜沢ノ頭には(僕の持っている1999年版エアリアマップには)三角点が記されている。しかし周辺をいくら探しても見つけることが出来なかった。(帰宅後、国土地理院の地形図を見ると三角点はなかった)

オベリスクの足元にあるお地蔵さんが沢山鎮座する賽の河原にザックを置き早速、相棒と二人でオベリスクに挑戦。その場で見る一つ一つの岩は本当にでかい。一番上の大岩2枚の間に残置ロープが付けられている。強度的に果たしてどこまで信用できるものか。今回はロープの下4mくらいのところで登頂断念。年令と経験を重ね(?)下降時の怖さを知っているからね(笑) それ以上登ろうとは思わなかった。時間の立つのも忘れ遊んでいると辺りは4人だけに。17時前に鳳凰小屋に向け下山。小屋には人が溢れテント場は超過密状態。隣り合ったテントが触れ合うくらいだ。今夜の夕食に予定していた赤飯のアルファ米は時間がかかるので予備食のチキンラーメンとさんまの蒲焼き缶詰だけで済ませた。コーヒーの後これまた即行で就寝。お月様が明るい。

翌朝、3時30分起床。パンをポタージュで無理やり喉を通し5時出発。小屋自慢のおいしい水が流れる小屋の横の沢を渡りアルミのハシゴを登る。

朝一番の陽射しが登山道の中の樹林をオレンジ色に輝かせる。地蔵ヶ岳と赤抜沢ノ頭をショートカットして 1時間ほどで観音ヶ岳の中腹(標高2700m)へ出た。
今日も昨日ほどとはいえないが晴れ渡って気持ちのいい朝だ。霞んではいるが八ヶ岳から緩やかな山並が東の方に続いている。地図観音岳の登りから見た八ヶ岳、秩父の山並み
で見るとちょうど瑞牆山や金峰山方向だ。みんな繋がってるんだ。へんに感心。

観音ヶ岳の頂上は賑わっていた。ここからは昨日とは違って人の多いこと。20数人のツアー客も来ていた。岩の上に立った。薬師ヶ岳の後ろには大きく富士山が、そして遠く稜線部分だけの荒川三山、眼前の農鳥岳、間ノ岳、北岳の白根三山、仙丈ヶ岳、駒ケ岳、少し遠く八ヶ岳、名前も知らない秩父の山々。360度の大展望。素晴らしい眺めだ。
薬師岳頂上にて
薬師ヶ岳の山頂付近は広くて平坦だった。この場所に「鳳凰山・薬師岳」と書かれた標柱が立っていてみなさん一列に並んで写真待ちをしていた。これが日本人の行儀良さなんだ(笑)
 薬師ヶ岳の本当の頂上は少し下った直ぐ先にある岩なのだが誰も行こうとしない。すぐそこだし行ってみよう。そこには期待していた標柱も表示も何もなかった。でもまた違った景色を見ることが出来た。
薬師岳小屋を過ぎると少しで樹林帯に入る。ここの小屋も古くて小さい。収容人員100人とあるが果たして本当か。暫く下って南御室小屋に着いた。前回正月に来た時にはここで泊まった。一番の記憶は冬季トイレが恐ろしかったことだ。トイレの建物が前方に傾斜していて、おまけに小便がタップリと溜まった便器の前に立つと足元が凍っていてオットット・・・。ミナサンソウゾウシテクダサイ。

この先、夜叉神峠までずっと下りかと思って油断していたら苺平までは緩やかな登りだった。杖立峠を過ぎ夜叉神峠へと下っていく。もうなんだか今回の山行も終わってしまったような感覚。これまでのような展望もなくあとは温泉を楽しみに歩くだけか。そんなふうに思っていたが樹林帯でも心惹かれる風景に出会った。よく手入れされた唐松林が美しい。
夜叉神峠小屋にようやく着いた。ここは登山口の駐車場から1時間少しで登ってこれる。ここからの景色を楽しもうと何人かの観光客が来られていたが、あいにく今日は昼前から雲が出て、お目当ての白根三山が見えない。せっかくここまで登ってこられたのにお気の毒だ。
近くの草むらにある夜叉神の祠
ここからの下りは急なんだろうなと覚悟をしていたらなんととても歩きやすい。勾配もちょうどいい、手入れも行き届いている。しかし自分たちの足はもう限界に近い。足の裏がじんじんしてる。膝も笑いそうになってる。何度かちょっとした石ころに乗って滑りそうになる。ゆっくりと下った。


ついに夜叉神峠登山口の駐車場に降り立った。駐車場は120%埋まっていた。マイカーの横で登山靴と靴下を脱いでサンダルに履き替えた。疲れが半分ほど取れた感じ(笑)  帰りの途中にある「芦安温泉・岩園館」で入浴を済ませて帰路についた。

夜叉神峠登山口
今回の山行もまた忘れることの出来ない大事な一ページとなった。天気もいい、景色もいい。体調もまずまず。言うことなしの山行だった。辛かったことなど忘れて(と言いたいところだが今回は辛い目には遭わずに澄んだ)楽しいことだけが記憶に残る。これだから山は辞められない。
                     記:北岡  


伊東の一口感想
今回は快晴に恵まれ素晴らしい眺望を得ることが出来、思い出に残る山行になりました。
でも・・・テント装備を背負っての前夜発はだんだんつらくなってきました。
睡眠時間2〜3時間での白鳳峠からの登りは正直きつかったです。
寝不足で最初はふらふらしながら、ゆっくりゆっくり登ってもらいました。
いつも初日の登りで「なんでこんなきついコースなん?もっとみんなが登るコースから登ろうよ」と、さんざん悪態をつくのですが、今回は文句を言わずに登ろうと心に決めていたものの、
きっと何回も「しんどい、しんどい」と言ってたように思います。
でも白鳳峠からの登りは素晴らしかったです。
二日目は睡眠も十分に取ることが出来快調に歩くことが出来ました。
富士山を見て感激する度に「あー日本人だなー」と変に感心してました(笑)
 記:伊東

崩落箇所×
コースタイム
1日目
広河原バス停6:54
白鳳峠入口7:12
白鳳峠11:39−12:04
高嶺14:06−29
赤抜沢ノ頭15:39−52
地蔵ヶ岳16:08−52
鳳凰小屋17:46

2日目
鳳凰小屋5:08
稜線合流点6:12−19
観音ヶ岳6:52−7:05
薬師ヶ岳7:44−8:08
南御室小屋9:27−43
苺平10:17
杖立峠12:09
夜叉神峠小屋13:20−35
夜叉神峠登山口バス停14:24

以下は白鳳峠に付けられていた早川小屋からの注意文です。(左の写真)

2013.9.15の台風18号により白鳳峠〜広河原峠間にある赤薙沢の頭の山頂先、赤薙沢源頭部で大崩壊が発生しました。崩壊は現在も続いており近年に無く非常に危険な状態です。臨時の巻き道は未整備な上、逆(北岳方面)側からもガレの侵食が迫っており、エグれる様な形で崩壊が進んでいるため、いつ底が抜けるかわかりません。
安全のため白鳳峠からの下山を強くお勧めします。
巻き道部分は木も沢山あり一見何の危険もなさそうに見えますがもともとそうであった登山道が底が抜けて完全に消滅したことを念頭において下さい。重ねて申し上げますが小屋としては通行されないよう厳重に申し添えます。
   平成25年9月 早川小屋管理人