2012年山始めは2つの活火山             《 あえなく撤退の巻 》
(記;伊東妙子)
行 先・・・ 焼岳(2455.4m)とアカンダナ山(2109.4m)
山行日・・・ 平成24年1月1日(日)夜〜1月4日(水)
メンバー・・・ L北岡 伊東

年末の大掃除、元旦行事を済ませ1月1日 伊東のマンション隣のキリン堂(寝屋川)を18時半出発。
順調に走り、23時15分に平湯バスターミナル着。車中にて仮眠。

1月2日(月)
 4時50分起床。準備をして6時に予約したタクシーに乗り込む。
10分程で中ノ湯ゲートに到着。(タクシー代3,740円) 
中ノ湯ゲートからは宿泊者の車以外は進入禁止なのでタクシーを使わざるをえない。
短距離なのにえらい出費である。
     


6時半ヘッデンを付けて雪がちらつく中、出発。ゲートの紐を外し、中ノ湯温泉旅館まで約40分の林道歩きである。

いよいよ旅館裏手の登山口でスノーシューをつける。昨日登ったであろう人達の足跡がうっすらあるが、
ところどころスノーシューでも新雪ゆえ、沈む。
急斜面は水平に足を置いても滑り、這い上がるのに息を切らす。
林道の途中の道路脇にテープと踏み跡があった。「よし行けるぞ」 とショートカットを選択し進む。
途中から踏み跡はなくなり、雪が深く、沈みながら、木の枝の間をくぐり、夏道と合流する頃にはもうヘロヘロ。
あのまま林道で夏道を行けばよかった。
絶え間なく雪は降り続いている。でも風がないので寒くはない。
 
その後もラッセル、ラッセルで、急斜面は滑り落ちながら、這い上がり、りんどう平の先の平らなところで、11時半。
目の前に岩と雪がミックスして、ゴツゴツした焼岳上部が姿を現した。しかしそれも一瞬。
すぐにガスで先が真っ白。姿を拝んだのはその一瞬だけだった。
   
時間を計算すれば、その先を進むのは無理と判断し、森林限界から上部で使う予定だったピッケルとアイゼンに
替える前に敗退することに・・・。
12時下山と決めツエルトをかぶり、ラーメンとパンで腹ごしらえ。
下りかけたところで、二人組の男性に会う。  後にも先にも会ったのはこの二人組だけである。
彼らも私達と同じところで引き返すという。
2時間で中ノ湯温泉旅館前。ゲートを出たところでスノーシューを外しゲートから7、8分歩いて中ノ湯バス停。
3時20分発の路線バスで平湯バスターミナルへ。(バス代540円) 
今日は一日中 雪がしんしんと降り続いた。
この日はレストランで腹ごしらえをし、車中泊。

1月3日(火)
以前から、気になっていた平湯アカンダナ駐車場の裏手にあるアカンダナ山。無雪期は藪で登れない。
地元の人も知らないマイナーな山だ。
調べる時点で、色々なブログを見ても山スキーで入る人はいるが登山の記録がなかなか見当たらない。
山スキーの人達は沢筋から入り、沢を下降時に自ら雪崩を起こしているという記述があった。
考えた末、尾根筋を辿ることに。地形図で見ると結構な急斜面のようだ。
起床後、計画通りアカンダナ山に登るか、計画変更して、新穂高ロープウエイまで車を走らせ、
確実にトレースがある西穂山荘、そこから丸山か独標までとするか話しあう。
結果 登山口に車が一台もなければ、計画を変更しようということで、アカンダナ山登山口まで車を走らせた。

やっぱり車は一台も停まっていない。が、スキーの後があるではないか。よし 予定通りアカンダナ山を登ろう。
スノーシューを履き用意をして出発。
すっかり出発が遅くなってしまった。その時点で、心の中にまた敗退の2文字が・・・。
   
薄いスキーの跡を辿りジグザクに登っていく。昨日降ったフカフカの雪の上はスノーシューでも沈む沈む。
ラッセルしながら、また急斜面では滑り落ちながら這い上がり、1時間少しで林道に出た。
   
スキーの跡は沢筋へ。私達は尾根筋へ。
が、3m位のコンクリートの壁と金網に阻まれ立ち往生。  ここを越えなければ先へは進めない。
沢筋へ行く選択肢は全く考えになかった。  諦め切れない北岡さんがよじ登れる所を探しに行く。
あったぞ 金網が幅1m位なく、丸いデコボコの石垣が・・・。  よしここを登ろう。
スノーシューからアイゼンに替え、まず北岡さんがピッケルを石の角に引っ掛けながら何とか登りきり、
ロープを出してもらい伊東が登る。  やれやれである。  
トレースはなく見るからに雪が深そうだ。  行ける所まで行こう。
急斜面で直登は無理なので、ジグザクに行こうと足を出すが雪が深い。  あまりにも深い。
だんだん気持ちが萎えてきた。  もうこれ以上進むのは無理。
伊東の「もう引き返そう」の一言でまたもや敗退決定である。
 登ってきた石垣を今度は懸垂下降で降り林道の雪の上に座り込み、長い休憩を取った。
下りはショートカットしながら、真っさらな雪にズボズボ入りながら楽しく下ることが出来た。
 
駐車地で善哉を作り、ゆっくり寛ぐ。このまま帰阪しようか?
でも当初翌日4日帰阪の予定だしもう少し雪景色の銀世界に身を置いておきたいな。
ということで雪と戯れ、温泉に浸かりまたまた車中泊。
翌早朝に雪の中、帰阪する。


(感想)
この時期の焼岳は雪の状態にもよるが、平湯からの日帰りは無理である。
中ノ湯温泉旅館に泊まり暗いうちに出発するか、りんどう平の先の平らな辺りでテン泊するかである。
また、二人でのラッセルでは思うように進めない。  四人以上がベターであろう。
来年 テン泊、仲間四人以上でリベンジしたい山だ。
アカンダナ山は、林道から上は雪が深い上、トレースが期待出来ない。
気になっていた山に足を踏み入れただけで満足である。  もっと雪が締まっている時期が狙い目か。
結局、氷ノ山に続き、新雪に苦労し敗退続きであるが人があまり入っていない
静かな山歩きが出来たことに満足である。
やっぱり 雪山最高!
 

新年会(蓬莱山)登山報告
(山行日)  2011年1月15日(日)
(参加者)  マゼンタ、H郎、T生、Y・I 、とらちゃん(記)
(コースタイム)
    平(9:30)〜アラキ峠〜権現山(10:15)〜ホッケ山〜
小女郎峠(12:30)〜小女郎池(12:40 昼食)
    〜蓬莱山(14:00)〜打見山(14:30)〜ロープウェイ〜バス〜JR志賀駅

(報告)
  堅田8:45のバスに乗りました。  丁度雪山歩きのシーズンなのでバス停には長い行列。
一つ前の電車できていて正解でした。  平に着くと2〜3の山の会の集団がいて、今日はかなりのにぎわいでした。

 もうかなりの人が入っていたのでトレースがついていました。  前の集団の後ろをゆっくりと登りました。
アラキ峠を過ぎてかなりの登りになると、まえのスノーシューをはいた人達が登りづらいらしくもたもたしているので、
追いこしたいのですがなかなか追いこせず・・・で、やっと追いこし快調に進みました。
右手に琵琶湖が見え、一面の銀世界ですばらしい景色です。

権現山で記念写真をパチリ。  やはり冬の雪山は最高です。(天気がよければですが)

 小女郎池のほとりで昼食、小郎池は凍っていました。  かなり順調なペースで来ていたので、
後はゆっくり行けるだろうと、ワカンにはきかえ、木立の間の道なき道をペッタ、ペッタと雪山歩きを楽しみました。
琵琶湖バレーでは沢山のスキーヤーやボーダーが滑っていました。
琵琶湖バレーの食堂でゆっくりしロープウェイ、バスで志賀駅に行き、京都で新年会をして解散しました。
楽しい一日でした。

 計画してくださったマゼンタさん有り難うございました。  H郎さんお世話になりました。
久しぶりにみんなと雪山に行けてうれしかったです。
      銀世界 琵琶湖を眺め ルンルンと
          雪はすべてを 真白くすなり
皆さんまた一緒に行きましょうね。
 鈴鹿 奥の畑〜清水の頭〜大峠〜ツルベ谷 周回ルート
=忘れられない景色と再会=

(山行日)   平成24年5月20日(日) 前夜発
(参加者)    CL北岡 Mちゃん Tちゃん H美さん 伊東(記)
(コース)    岩ヶ谷林道 〜 桜地蔵 〜 奥の畑谷 〜 奥の畑峠 〜 南雨乞岳(ピストン) 〜 清水の頭(ショウズノカシラ)
              〜大峠〜ツルベ谷〜岩ヶ谷林道 )
6年前 山を始めて少し経った頃 訳も分からずただただ付いて行った奥の畑〜清水の頭〜大峠〜ツ
ルベ谷の周回コース。束ねた草や木を掴みながら よじ登った美しい稜線と眺望が忘れられず いつかま
た訪れたいと思いながら 丸6年。
今回 相棒と予定していたところに 山仲間から 「前夜発でどこか連れて行って下さい」とのリクエ
ストがあり、このコースを提案しました。
大阪駅 旧中央郵便局前にpm7時集合。Tちゃんの車で出発。久しぶりの再会に話が弾み、
名神八日市ICを出て10分走ると あっという間に 今日のねぐらの「道の駅あいとうマーガ
レットステーション」に到着しました。邪魔にならない所にテントを張り(Mちゃん、Tちゃんはツエルト)
早速宴会に突入。H美さんが用意してくれた食料で盛り上がります。


山談義に花が咲く  11時前にはテントに入り「おやすみなさーい」。
が、若者達のぎんぎらに装飾を施した数台の車のライトの明るさとボリュームいっぱいの音楽がやかましく
眠れません。  注意する勇気もなく ただただ去りゆくのを待つだけでした。
たぶん0時過ぎに去って行ったのでしょう。
その後もうつらうつらと寝たり起きたり 悶々としながら夜が明け5時前には起床です。
寝不足の不安を抱きながら準備をして予定通り6時出発です。
甲津畑集落から道なりに30分走り、鳴尾橋手前に駐車します。すでに3台の車が駐車しています。
少し戻った所に登山口があり登山口には登山届のポストがありました。
(我々はすでに管轄の東近江警察署にFAX送信済みです。)
岩ヶ谷林道が地道になり植林の中を道なりに進むと桜地蔵。
立止り 今日の安全登山を祈願します。ほどなくツルベ谷の分
岐です。帰りはここに下りてきます。三度目の橋を渡ると、
雨乞岳 杉峠との分岐。何の疑いもなく 分岐の少し先の登山
道に入り、蓮如避難小屋前を少し進みます。あまりにも整備
された道が6年前の記憶と違います。
桜地蔵

 蓮如避難小屋

相棒がGPSで確認すると、違う方向へと進んでいるようです。
「そういえば 木の枝でとおせんぼしたところがあったなぁー」ということで引き返しました。
木の枝で とおせんぼ(通行止め)した道が進むべき方向でした。
以前は「奥の畑」という小さなプレートがあったらしいのですが、安易に入り遭難が多いのでしょう。
その為そのプレートが撤去されたらしいのです。
道は谷に沿って山腹を進みますが 所々ロープが張られ 眼下には渋川が流れています。柔らかな
新緑に感嘆の声をあげながら進むと広い草原のような空間が現れます。「下の奥の畑」に到着です。
少し行くと「上の奥の畑」。コバイケイソウが30センチほどに成長しています。
藤の花はまだ蕾です。この癒される草地で一息入れます。

 

 最初の渡渉     二度目の渡渉

 三度目の渡渉

前方には目指す雨乞岳から清水の頭の稜線がくっきり見えます。
これから奥の畑峠によじ登る地点までテープを探しGPSで確認しながら
奥の畑谷の渡渉を繰り返し、横に広がった どこを歩いてもよさそうな森を谷に沿って、
付かず離れず歩き稜線に這い上がれそうなポイントを探します。
調べる段階で他の人のブログを見ても、みんな色々な所からよじ登ってます。
相棒の「よしっ ここをよじ登ろう」の声で束ねた下草や木を掴みながら急な斜面を
ずり落ちないように登ります。
  谷から離れ稜線へ

この這い上がるポイントを間違うとかなり苦労するようですが、ドンピシャだったのか
あまり苦労することなく稜線に到着しました。
ガスであまりきれいには見えませんでしたが、「この景色を見たかったー」と感激もひとしおでした。

  陽気で元気なTさんとMさん  南雨乞

  清水の頭に向かって  

  清水の頭

私もH美さんも雨乞岳は何度か行っているので、予定の南雨乞岳ピストンはどうでもよくなり、
もっとこの空間に身を置きたいということで、男性3人が空身で走るように登って行くのを
見送り、眺望とおしゃべりを楽しんでいましたが、男性達はあっという間に帰って来ました。
さすが兵庫県武庫労山の六甲全縦で毎年上位の成績をおさめている強者です。
相棒はヒーヒ―言いながら付いて行ったことでしょう(笑)
風は冷たいですが、笹原の稜線をゆったり歩くと清水の頭です。
少し早いですが、ちょっと下った眺望のよいところでランチタイムです。
さあ 大峠を目指します。新緑に目をやりながら進むと尾根が痩せ始めます。
痩せ尾根の左右にシャクナゲの木が並び まさしくシャクナゲ街道の始まり 始まりです。
今年は裏年か花付きがもう一つです。  全く花を付けていない木もありますが、
中には木いっぱいに花を付けた木もあり、このシャクナゲ街道は延々と続きます。
途中の小さな岩棚から今日歩いてきた奥の畑谷の全容を見ることが出来る絶好のビューポイ
ントがあります。延々と続くシャクナゲ街道に最初は歓声をあげていたものの、だんだんと「飽き
てきたなー」と贅沢な声も出てきます。コイワカガミも可憐な花をつけています。痩せ尾根を過ぎ、
左手の崖に注意しながら腰を落として木につかまりながら急な斜面を下降すると大峠に出まし
た。ここで一息入れます。
ツルベ谷ルートはこの峠から北側の緩やかな谷を下るようになっていますが多くの立木が邪魔を
していたため少し前方(北西側)のイハイガ岳方面へ向かう小ピークの先の小さなコルからの
下降に決めました。  地形図には破線が書かれています。
ところがそこに行ってみると先ほどの谷よりも急傾斜です。  少し戻り先ほどの小ピークに赤テ
ープがありましたのでその尾根から下降し始めました。  ほんの少しでまたもや多くの立木に進路を
邪魔されます。  幸い尾根芯のすぐ右手の斜面が傾斜はきついですが下降し易いようです。
150mほど下降しますと踏み跡に出会いました。  どうやら大峠からの道のようです。
ここから踏み跡を探しながらツルベ谷の渡渉の始まりです。  何度も何度も渡渉を繰り返します。
見た目滑らないように見える石が足を置くと滑るので慎重に足を置きながらです。
最後に流れの早い渡渉箇所が出てきました。
6年前にこの渡渉で仲間の女性が水に流されそうになり全身ずぶ濡れになった
鮮明な記憶から20mロープを持ってきています。
が、流れは早いものの水量が6年前より少なく、水面の上に石が出ています。
なんとかロープを使わずに石伝いに渡れました。

ツルベ谷

やがて朝方通過したツルベ谷分岐の標識に出ると、林道を小一時間で 駐車地に戻って来ました。
やれやれです。  出発時より車が増えてます。途中誰にも会わなかったので、
みんな杉峠から雨乞岳に向かったのでしょう。
スパッツを外し、ヒルチェックを済ませたところで、相棒が「あっ、上で缶詰を食べるのを忘れ
た!!」大きな缶詰を3つザックに忍ばせて 持って上がったのに、そのまま持って下りてきたのです。
ご苦労なことでした。「さあ 今からいただきましょう」 みかん、パイナップル、ピーチ等を混ぜ、
いただきます。  そのおいしかったこと。

ポツリポツリと雨が降ってきたので車に乗り込みます。  乗った途端にざぁーっと降って来ました。
なんとラッキーなことでしょう。一路大阪に向かいます。
このコースは地形図を熟知している人か、GPSを持っている人でないと踏みこまないほうがいいでしょう。
テープも当てにならないです。所々に消防署と山岳遭難対策協議会のレスキューポイントの
看板があるのも道迷いが多いからでしょう。

今回は相棒のデジカメが電池切れ寸前だったため、写真があまり撮れませんでした。
シャクナゲの写真も一枚もなく、奥の畑や稜線の素晴らしさがこの拙い文章で伝えることが
出来ないのが残念です。
同行者からは、変化に富んだ山歩きが出来てよかったと喜んでもらえ、企画した者としては、
大満足な山行でした。

 

  GPSの軌跡


《コースタイム》
登山口駐車地6:31
桜地蔵7:15
フジキリ谷−−ツルベ谷分岐7:40
奥の畑谷分岐7:51
下の奥の畑(広い草地)8:17
上の奥の畑(広い草地)8:35
稜線へ向けて進路を変える9:12
稜線(奥の畑峠)9:47
南雨乞10:06
稜線(奥の畑峠)10:18
清水の頭10:28
昼食10:33--11:00
大峠12:10
大峠の西のピークより下山開始12:27
フジキリ谷−−ツルベ谷分岐13:22
桜地蔵13:37
登山口駐車地14:20
 奥秩父・乾徳山(けんとくさん・2031m)
    本チャン前日にまず一座 
(山行日)   2012年7月14日
(参加者)    北岡 伊東(報告)

7月13日(金)19時10分 寝屋川発 甲府昭和ICを降り 小1時間走ると、道の駅「まきおか」に1時着。
明日に備え すぐに就寝。朝5時前 雨がけっこう降っています。
天気予報の「6時に雨は上がる」を信じ 6時まえに起床、出発準備を始めます。
なんと 6時ごろに雨が上がりました。
日頃 天気予報は半信半疑なのに 「信じる者は救われる」で、ありがたや ありがたや です。

道の駅「まきおか」から乾徳山登山口まで 10分足らず車を走らせ、乾徳山入口バス停近くの
無料駐車場に車を停めました。
すでに3台の車が停まっており、右隣には今流行りの山ガール2人、左隣りにも若い男女。
どうやら同じパーティの4人組のようです。

吉祥寺を左に、登山口の標識を過ぎ、徳和集落外れの登山口から入ると 獣除けのゲートがあり、
鎖を外して入って行きます。
 

  ここから道満山迄 樹林帯の急登です。雨上がりのせいか 蒸し暑く、風もなく どんどん体力が
奪われていきそうです。3  0分に一度の休憩でゆっくり登ります。
道満山は展望もなく 通過点として先に進みます。
やがて大平高原との分岐。 だんだん風も出てきて 曇り空のせいか 休憩していると肌寒いくらいです。
月見岩が見えてくる辺りから視界が開けてきました。
南方向に雲に覆われて一部しか見えない富士山の姿が・・。
青空に冠雪の富士山の印象が強く、さほどの感動もありませんでした。
   
  月見岩は国師ヶ原経由と合流する分岐点です。岩を見るとなぜか登ってしまう私達。
ついつい登ってしまってます。扇平の標識のところで小休止です
扇平からは 石ころゴロゴロの道になり、途中 二つに割れた髭剃岩で1枚パチリ。
やがて鎖場その1が現れました。ここは鎖に頼らなくても三点支持で登れます。
髭剃り岩    鎖場その1

  山頂直下の鎖場その2は天狗岩と言うらしいですが、出だしがツルッとしていて 右手で鎖、
左手で横の岩を抑えながら 少し登ると あとは三点支持で登れました。
 天狗岩

天狗岩を登り切ったところが岩ゴツゴツの狭い頂上です。
ここでも あまり展望を得ることが出来ず 8人位のパーティが来たので 早々に退散しました。
おっと ここで足が攣り 激痛が走りました。  岩場の登り下りで 変なところに力が入ったのでしょうか。
足が攣るのは 最近ないことでしたが、しばらくすると治まりました。ここらでちょっと小休止。
 

  おっと ここで足が攣り 激痛が走りました。岩場の登り下りで 変なところに力が入ったのでしょうか。
足が攣るのは 最近ないことでしたが、しばらくすると治まりました。ここらでちょっと小休止。
 
岩場を登ったり下ったりで「水のタル」を経由して下山道に入ります。
前半は急坂のうえ 岩も多く 悪路で 気を使います。テープを追いながら 慎重に下っていきます。
途中 枯れ沢に下りるべきか 迷う所もありますが、どこを通っても 歩きづらさに変わりはありません。

 滑り易い岩片の下山道

やがて建物が見えてきました。
今は無人の高原ヒュッテです。この辺りが国師ヶ原です。5、6匹の鹿の群れが近づいて来ました。
小鹿がこちらに向かってきます。人馴れしているようです。餌付けしているのでしょうか。
なかなか離れようとしません。
少しすると また鹿の群れです。帰って調べると、この辺り かなり鹿が増殖しているみたいです。

錦晶水
  この辺りから 歩きやすくなって来ました。先に錦晶水という水場があり、
少し行くと銀晶水という水場がありますが、錦晶水はパイプから勢いよく水が出ており、
銀晶水は ちょろっとしか出ていませんでした。
銀晶水を過ぎた辺りで、大きなザックを背負った若者が10人位登ってきました。
聞くと高校のワンゲル部で、国師ヶ原でテン泊だそうです。
 
  一時 高校も大学もワンゲル部に入る人が少なくなったと聞いていたので、なんだか うれしくて
浮かれ気分で歩いていたら ずるっと滑り 思わず左手をつき イテテッ。
ここまで 気を付けて慎重に歩いていたのに 気を抜いた途端にこれです(トホホ)
P988の乾徳山登山口まで下りて来ました。約30分で駐車場に到着しましたが、救急車が1台停まっています。
やがて消防レスキュー車が到着。上空にはヘリが飛んでます。
聞くと 30代の4人パーティーの一人が道満尾根で気分が悪くなりヘリを要請したとか。
吊り上げることが出来ないと 隊員が向かうことに・・・。
そういえば出発時 私達の車の左右に停めていた4人組の車がまだあります。
一言二言 言葉を交わしただけに身を案じながら「みとみ笛吹の湯」で汗を流し、
今日の寝ぐらの道の駅「みとみ」へ向かいます。  今日の夕食はうどん鍋です。
17時半ごろ ヘリがまた1機 西沢渓谷方面に向かってます。
翌日聞くと 鶏冠谷(明日の予定の鶏冠尾根のすぐ東側)で沢登り中 10m滑落した死亡事故だったそうです。
今回のメインである翌日の鶏冠山登山を控え 不安な気持ちを抱えながら、20時半に「おやすみなさーい」

<コースタイム>
駐車場7:07 − 徳和峠手前の登山口7:22 − 道満岳8:21 − 月見岩9:58 − 乾徳山11:40
 − 高原ヒュッテ13:40 − 錦晶水14:05 − 銀晶水14:59 − P988登山口15:23 − 駐車場15:54
                                                         (記・伊東)
 奥秩父・鶏冠山(とさかやま・2115m) 

西沢渓谷から木賊山(とくさやま)への岩峰と藪のルートを行く

(山行日) 2012年7月15日
(参加者) 北岡(報告)、伊東
(報告)
  今年のGW、金峰山から甲武信ヶ岳への縦走を終え下山途中の戸渡尾根で目にした
あの険しそうな山容が忘れられず、帰宅後調べてみますと途中まではテープが
多数付けられた「踏跡」があるらしいのです。
いつかは登ってみたいなと思っていましたら早くもその機会がやってきました。



梅雨明け前の連休、幸いにもこの山域の天気は良さそうでした。
といいますか幾つか山域別に山行を計画していて一番天気の良さそうな山に行こうという作戦でした。
吊り橋からの鶏冠山    

西沢渓谷入り口バス停傍の、国道140号西沢大橋が大きく円を描く陸橋下に設けられた無料駐車場を出発。
白みかけた林道。二俣吊橋の中程から薄いベールをまとった鶏冠山が見えました。
今日一日の長い道のりを思い必ず成功させるぞという決意がこみ上げてきます。
吊橋の後に続く小さな鉄の橋を渡るとそこからは一般遊歩道と別れいよいよ本格的な鶏冠尾根への
バリエーションルートの始まりです。30分程向こうの鶏冠谷出合に行く途中のトラバースで足を滑らせ
トラロープに危ういところを助けられ冷や汗。出だしからこれです。・・・この先どうなることやら。
西沢渓谷入り口バス停傍の、国道140号西沢大橋が大きく円を描く陸橋下に設けられた無料駐車場を出発。
白みかけた林道。二俣吊橋の中程から薄いベールをまとった鶏冠山が見えました。
今日一日の長い道のりを思い必ず成功させるぞという決意がこみ上げてきます。
鶏冠谷と東沢の合流点に着きました。ここで登山靴をザックにしまいズボンをまくり上げ裸足になって渡渉。
相棒はバランスよく渡りきりました。次いで僕、ストックがないことに加えザックの重さと生来のバランスの悪さで
うまく歩けません。
両手をバタつかせ、こんなところで踊っている場合じゃないんですが…。
 膝上までの深間にはまりズボンを濡らしながらヒヤヒヤしながらもなんとか渡りきりました。
登山靴を履きハーネスを付けて出発準備をしている間に後続の2パーティー7人に先をこされました。
いつもながらのグズです。
30分歩いて5分の休憩。このペースでゆっくりと細尾根の急登をこなしていきます。
先行の4人組と抜きつ抜かれつのお付き合い。
高度1750mの岩塊群を乗越す辺りはトラロープがあちらこちらに張られてあって安心して
ルート取りができました。(下3枚の画像)
   
「チンネのコル」と小さく書かれた道標のあるところから岩峰縦走の始まりです。
次々とピンクのテープが現れます。これだけテープがあればルート迷いはしませんね。
1986m峰の手前には二箇所の鎖場がありました。一つ目のは難なく通過です。(下3枚の画像)
     

一つ目を登り切り前方を見るとびっくりです。「あそこへ向かうの!?」    すぐに基部に着きました。
ちょっと嫌らしい感じで僕は第一歩目を力任せに鎖にしがみついて登りきりましたが相棒は足が届かなくて、
すぐ横の違うルートから登ろうとするのですが第一歩目に苦労しています。
上からスリングを繋げて垂らし、なんとかクリアー。
 
(上2枚・1986m峰手前の一つ目の鎖場の上から進行方向を見る)

   
(上2枚と右・二つ目の鎖場の登りと岩上から進行方向を見る)
岩峰の上に立つとこの先もまだまだ痩せた岩尾根が続いています。
振り返っても進行方向を見てもどれがなんという岩峰かわかりません。
多分コンパス、地形図を出して山座同定する気持ちの余裕がなかったのでしょう。
どれが第一岩峰?、第二岩峰?、どれが鶏冠山? 
目的の山がどれかわからないなんて大笑いです。(でもよくあることですよね。)
もし又この山に登ることがあればその時にはしっかりと同定したいと思っています。

「第3岩峰迂回路」と書かれた道標のある場所にやって来ました。
ということはここが第三岩峰なんでしょうね。  第三岩峰基部
先程から見えていましたラクダのコブのような岩峰が第三岩峰ということのようです

 

周囲の景色を隠すガスですが良いことも。暑さをしのげて時々は涼風を運んできます。ここで大休止。
抜きつ抜かれつの4人組とはここでお別れです。25分ほどの休憩の後、岩峰の登攀にかかります。
と言いたいところですが我々にはもっともっと修業が必要です(笑)
ここから数メートルの急下降をして岩を巻くように登り返すとこの第三岩峰の岩頭に出ました。

   左の写真のような標柱が立っていました。
地形図にある「鶏冠山2115m」はまだこの先です。

   

  甲武信ヶ岳   木賊山
2177m峰にて・疲れが表情に出てます

  先ほどの標柱から30分程かかり鶏冠山2115mに到着です。
ここからは甲武信ヶ岳や木賊山が大きく望まれます。
ここから木賊山まで標高差で計算すると通常なら約1時間30分。
しかしこのルートはそんなに甘くはないようです。それで倍の3時間かかると見ました。
ところが実際は4時間以上。予想以上の難コースでした。


ここからはこれまでと違って極端にテープが無くなってしまいます。
細い尾根で道迷いはないだろうからテープのルート案内はいらないだろうと高を括っていると
支尾根に誘い込まれそうになったり、また何箇所か岩場の通過がありその都度巻かなくてはいけません。
が、この巻が大変な労力なんです。
シャクナゲの枝に行く手を遮られながら足元の薄い踏み跡を探して進みます。
それも密度の濃いシャクナゲの藪です。踏み跡を外すとすごく体力を消耗します。
薄くても踏み跡を行くのがもっとも楽な歩き方のように思います。
足元が見えにくいところや30センチほどの道幅で両側が切れ落ちているようなところ、
木の根に足を取られると谷底に落ちそうなところがあったりと全く気が抜けません。

一箇所どこに足を置いても崩れていきそうな15m程のガレ場のトラバースがありました。
トラバースしたところから周りを見渡しますが人が歩いた形跡がありません。
どうやらルートを外してしまったのかも知れません。尾根上まで30m位なので強行突破です。
木の根や枝を掴みながら強引に上を目指して登っていきます。
後方で相棒が「動かれへんねん!どうにかして〜!!」と叫んでいます。
ザックと体が枝に引っかかり身動きできなくなっています。
「ザックを背中から下ろしてみたら〜?」解決です。

シャクナゲのない部分に来ますとほっとします。踏み跡を見失う度に尾根に向かって歩きます。
そうするうちに又踏み跡が出てくるのです。それなら初めから尾根筋を忠実にたどれば
藪漕ぎやらの苦労はないということですが時々大きな岩が出てきて行き詰ってしまうのです。
高度2400m付近   
倒木の通過にも苦労しました。  跨ぐには高すぎて下を潜るには低すぎて(笑)
 そうこうしながらも徐々に高度を稼いでいきます。  木賊山の肩まで来ました。
傾斜も緩みもう楽勝かと思いきやこれがなかなかそう簡単には頂上を踏ませてもらえません。
またもやシャクナゲの通せんぼです。これほどシャクナゲに邪魔をされると
いくら綺麗な花を咲かせるといっても嫌いになってきます。
木賊山の高度2400m付近から頂上の2468mまでの標高差約70mは東西と南に大きくゆるやかに
尾根が張りだしていて南側の斜面には幾つもの踏跡がありました。
それぞれ頂上の三角点を目指して好きなところを歩いているようです。

僕達もブッシュを避けながら歩きやすそうなところを右に左にと三角点を狙って進みます。
数メートル先を登山者が歩いて来ました。
「やったぁ〜〜〜(*^_^*)!」やっと一般登山道に出ました。
でもちょっと残念だったのは三角点から東に60mもずれてしまったことです。
でも…「やったぁ〜〜〜〜(*^_^*)!」です。
やっとたどり着いた感動の頂上

朝、出発してから10時間と40分。殆ど気を緩めることなく歩を進めました。
苦労してたどり着いた頂上、二人ともクライマーズ・ハイ状態です。
相当疲れているはずなのにさほど疲れも感じません。
時刻はすでに15時30分。いつまでもここで感激してはおれません。これから下山にかかります。
反対方向に少しいけば甲武信小屋があってゆっくりと出来るのに。
下山は2ヶ月前に歩いた戸渡尾根で。一般登山道の歩きやすいこと(笑)
下までこの分だと4時間ほど。確実に日没です。右手の鶏冠尾根がガスで見えません。
心のなかで鶏冠尾根にありがとうを言ってゆっくりゆっくりと一歩ずつ確実に降りていきます。
足も膝もかなり疲れがきています。最後の最後で捻挫や転倒して骨折なんて絶対にできません。
もしそんなことになって救助を求めることにでもなれば「この時刻から下山するというのは無謀」だと
世間から批判されること間違いなしです。
下山途中、立ち止まると足の裏からジンジンと泣き声が聞こえてきます。
そして疲れきった身体にもう少しだけ頑張ってもらい午後8時前、駐車場に着いて
無事今回の登山を終えました。

これまで経験した中でも今回のルートは最もハードで、そして渡渉あり、岩登りあり、藪漕ぎありの
これぞバリルートというにふさわしい楽しいコースでした。
幸いにも雨にも降られずガスのお陰で涼風を受けながらの快適な登山日和にも助けられました。
自宅に帰ってからもしばらくは筋肉痛と腰痛です。
相棒もこんなバリルートが好きなんだ、さぞかし楽しかったろうと思っていたらどうやら僕の勘違いで、
「もっとメジャーな山行きがしたい」みたいです(笑)          (記・きたおか)


コースタイム 
(合計15時間16分)
無料駐車場 4:42
二俣吊り橋 5:15
鶏冠谷出合 5:34-6:00
P1986 9:26
第三岩峰基部 9:36-10:00
第三岩峰頂上 10:17-10:22
鶏冠山P2115 10:55-11:10
P2177 13:01-13:17
木賊山 15:23-15:33
P2111 16:33
P1869徳ちゃん新道分岐 17:18
P1619 18:09
西沢山荘 19:24-19:32
無料駐車場 19:58

[伊東の一口感想]
「ギザギザの とさか山」に行きたいと相棒からメールが来た時 内心「ええっ!?」でした。
「もっと普通の山へ行きたいよー」でも付き合うのが相棒の宿命かと同行することにしましたが、
やっぱり「とさか山」はタフで過酷な山でした。北鎌よりもバリルートだったかも・・・です。
木賊山直下まで気を抜く所がなく 緊張の連続でした。その分達成感は大きいのですが、
悪い左膝が下山まで15時間 よくもってくれたと耐えてくれた足に感謝です。
「相棒よ! 普通の山に行こうよ!」と言いながら こんな無茶もあと2年くらいかと思えば
 また 「ギザギザのお山」に行くんだろうな(笑)(泣)
 鈴鹿・元越谷(本谷)遡行
(山行日) 2012年7月29日(
(参加者) 三木、松本、高橋、真鍋、伊東、北岡(報告)
元越大滝
[透明感あふれる釜と美しいナメを満喫]

  大阪・天王寺駅前に久々の仲間が集合。今日は暑さを忘れて別世界で楽しんできます。
西名阪・関ICを出て鈴鹿スカイラインへ。近くの山々の稜線付近にはガスがかかっています。
しっかりと晴れて水面をキラキラ輝かせて欲しいんだけど。心なしか昨日よりは涼しい感じ。
沢登りなんだから晴れて暑くなってくれないと震えながらでは楽しめないよ〜。
野洲川ダムの少し先にある大河原橋を渡り林道を少し入った路肩に駐車。ここから沢装束で歩き出します。
今日のメンバーにはそれぞれ役割があります。
 トップ(松本)は勿論ルーファイ、2番手(伊東)はトップの暴走の制止、3番手(高橋)は4番手の引っ張り上げ役、
4番手(真鍋)は?愛嬌かな(笑)、5番手(三木)は4番手のおしり押上役と最後尾の引っ張り上げ役、
そして最後尾の僕はおしり専門の写真係。
   

  荒れた林道を30分ほど進み、道がヘアピンカーブしている辺り(高度540m)から谷へ降りていきます。
いきなりの急斜面です。朝一で体の動きがまだ硬いので念のためロープを出しました。
大きな石がゴロゴロ転がっている川床に降り立つとそこには澄んだ流れがありました。
「綺麗〜!」 今日の沢の感触は? 「お〜冷てぇ〜」 足の付根くらいの水深をまだ慣れない足取りで
進んでいきます。
5分程で大きな堰堤(地形図では2連)です。軽く高巻いて通過。  また5分程で堰堤です。
二年前友人の案内で来た時には高巻いた後の下降に神経を使いましたので今日はロープを出して
フィックスしようかと考えています。でも上にあがるとうまい具合にトラロープがしっかりと下まで張られてありました。
水がだんだんと温かく感じるようになると皆さん果敢に流芯を攻めます。
大きな釜では自称「カナズチ」の女性二人はロープで引っ張ってもらい、さながら水上スキーの出だしのようです。
入渓から50分、本日一番の見所、「元越大滝」に着きました。
前回より水量は少なく感じましたがでもなかなか壮観です。皆さん感嘆符の連続です。
これだけ喜んでいただければ案内したものとしては冥利に尽きるというものです。
ここは右側のガレを登り上部では木の根やトラロープに助けられ落ち口へ。
   

その後も次から次へとナメとエメラルドグリーンの透き通った釜が現れます。
この谷には「うだる」とか「極暑」なんて言葉は存在しません。
昨日、相棒とふたりで六甲のロックガーデン周辺を暑さでヘロヘロになりながら歩いていたのとは大違いです。
夏場の遊びはこれに尽きますね。
   
この沢は水がほんとに綺麗で、特に難しいところもなく高巻きも少なく初心者向きです。
それでいて適度のスリルが味わえ、また泳げるような釜もたくさんあって僕なんかにはうってつけの沢です。
その分、同行の男性3人には物足りなかったかも知れませんが。
       
まだまだ釜が続きます。  泳ぐ人、へつる人  皆さんの動き、表情みんな最高です。
童心に帰って楽しんでいます。

水沢峠へ向かう沢との分岐二俣(高度615m)地点は日当たりもよくて全員が揃って休めそうな
大きな白い石がありましたのでここで昼食にしました。
   
この分岐から暫くは平凡な沢歩きです。大滝からこの分岐にかけてがこの沢の一番の楽しみどころ
かも知れません。  とは言ってもこの先も美しい流れの小滝が連続します
       
この分岐から暫くは平凡な沢歩きです。
大滝からこの分岐にかけてがこの沢の一番の楽しみどころかも知れません。
とは言ってもこの先も美しい流れの小滝が連続します。
たまには僕の写真も

  小滝群に少々飽きてきた頃に仏谷出合(高度725m)です。
ここを過ぎると狭まった岩間にかかる滝が出てきました。
両手両足を踏ん張って超えていきます。
次は滝身に流木が刺さっています。さてどこから登ろうか。どこに足を置いても滑りそう。
     
この後は廊下になって少ししてみんながびっくりするような長い滝が見えてきました。
僕の前回の記憶にはありません。近くまで行きますと何の事はない。
幾つかの滝が連なって長く見えていただけです。多段30mの滝です。
右側の階段状になった岩で難なく登れました。
そこから先は大して変化のない細い流れを辿り高度845mで沢中歩きを終了しました。
沢靴から登山靴に履き替え稜線の登山道を目指します。水沢峠までゆっくりと30分。
そこから西方向の谷で下山です。早くも気持は温泉です。
沢の中の登山道を15分程下ると(高度750m)工事中の林道が出てきました。
2年前にはなかったものです。
足の不調(靴の不調?)で引きずるようにして歩いていた伊東さん、林道のおかげで少しは楽に歩けるようです。
ゆっくりと林道を辿り17時前に駐車地に戻りました。

     

(コースタイム)
駐車地8:50スタート − 猪足谷橋9:08 − ヘアピンカーブ入渓点上部9:26
− 川床、水流に入る9:37 − 元越大滝10:26--40 二俣・昼食11:22--12:08
− 仏谷出合13:02 − 高度845m終了点14:13--34  稜線14:44
− 水沢峠15:03--08  林道(高度750m)15:24 − 駐車地16:50
− 宮乃温泉17:44--18:42  − 天王寺駅20:24

  近くの国民宿舎「かもしか荘」が改修工事で休業中のため1時間近く走った和の風情たっぷりの
「甲賀・忍びの宿 宮乃温泉」でヒルチェック(笑)
 仲間3人の鍛えあげられた肉体美を見せてもらって(もち、野郎のですヨ)
ブヨツイタ自分が少々恥ずかしくもあったりしますがそれはそれ。ゆったりと温泉に浸かりお腹も空いてることだし…
ここで会席料理なんかをいただいてお泊り…なんていいですよねえ〜。
 帰路は雷鳴と稲光りと土砂降りの高速道路、高橋さん、往復の運転ありがとうございました。

無事、沢企画の終了です。怪我もなくほんとに良かったです。皆さん、ありがとうございました。
さて次はどこに行きましょうか。   (北岡・記)

[メンバーの感想]
[三木さん]
 行き届いたお世話、感服します。山行内容は申し分ありませんでした。
透き通った沢の流れと会話しているようで全くストレスがなかった
。今、振り返ってもなんだかほのぼのとする様な楽しい一日でした。改めて自然の大きさを感じました。
沢に入ると一瞬にして少年に戻れる。今回は泳ぐ場面が多かったので面白さが増幅したんだろう。
帰りの温泉も最高でした。高橋君、運転お疲れ様でした。あの足の長さと開脚があれば、無敵だな。
松ちゃん、トップお疲れ様でした。お陰様でロープも持ってもらって後ろからルートを見ながら楽をさせてもらいました。
やっぱり、自然と人に尽きるよなあ。皆に感謝。
[松本さん]
 今年初の沢、元越谷は楽しめると思ってましたが想像以上に感激してアドレナリンが大量に出ました。
水の綺麗さ、水量、立派な滝、難易度、頼れるリーダーと先輩方との遡行と、どれをとっても大満足でした。
沢での安全対策やサービス精神などリーダーとしての心得を学ばせて頂いたのも僕達の大きな収穫です。
何ヶ月も前から無理を言って僕達の行っていない沢を計画してくださり大変感謝いたします。本当に有難うございました。

[高橋さん]
元越谷は初めての沢なのでどんな所か楽しみにしていました。
いざ行ってみると、とてもきれいな沢でびっくり。泳ぐところも沢山ありすごく楽しかったです。
また行きたくなる沢登りでした。

[真鍋さん]
 北岡さん伊東さん、お誘いして頂きありがとうございました。また色々とお世話掛けました。
松ちゃん、高ちゃん、この重い体を幾度も引っ張り上げて下さり大変やったでしょう。ありがとうございました。
まだ五回の沢経験ですが初めて沢の楽しさが味わえた様な気がします。・・・装備の中に蛭一匹出てきよりました。
ビニール袋の中に入れてしばらく観察してやろうと思います。本当に楽しい沢山行でした。
ありがとうございました。こんな老いぼれですが、老体に鞭打って頑張りますのでまたお誘い下さいませ。
よろしくお願いします。

[伊東さん]
 前日の六甲で暑さに参りヘロヘロで疲れの抜けないままでの参加。
 「伊東さん、今日はしんどそうやな、しおらしいなぁ。」と言われ、自分でも最後までもつかなーと不安でしたが
楽しいみんなのお陰ですぐに元気回復。  前日の六甲の暑さが嘘のような心地よさ。
元越谷は難しいところもさほどなく、本当に楽しめる水の綺麗な沢でした。
あまりの楽しさに、(水が)枯れてくると「ああ、もう終わりか」と思うほどいつまでも水と戯れていたい気持でした。
やっぱり夏は沢に限る。
泳ぐところが何箇所かあって気持ちよさそうに泳いでいるみんなを見て、悲しいかな泳げない私はへつり、へつりで
楽しさを半分損した様な・・・でもでも楽しい仲間との水遊びは最高に楽しかったです。


今日のメンバー
前列左から
  高橋さん、三木さん、松本さん
後列左から
  真鍋さん、伊東さん
 北ア・八方尾根往復
 唐松岳から不帰の嶮の縦走予定が撤退に
(山行日) 2012年8月13〜14日
(参加者) 伊東、北岡(報告)
唐松岳とコマクサ

お盆休みの12日、14時過ぎに車を走らせ一路、信州へ。
今回はメジャーな山行がしたいという相棒のリクエストで「不帰の嶮」へ行きます。
道路は比較的空いていて快適に走ります。豊科IC出てすぐのロイヤルホストで夕食。
目指す八方第5駐車場(無料)には22時頃到着。  大きな駐車場にはすでに40台くらいが入っていました。
早速車中泊の仮眠に入りますが暑い。窓を少し開けて寝ることにします。  しかし…蚊が…(-_-メ)。
8/13、今日は4時間ほどの歩行時間でテント場着です。
そう早く出発しなくても良いのですが予報通り空模様が怪しい。  本降りになる前に到着しておきたい。
出発準備をしているとタクシーの運ちゃんが声をかけてきました。  猿倉への客を集めているのです。
この八方からバスだと一人900円。タクシーだと一台3000円。  4人集めて走らせるみたいです。
八方に車を置き、猿倉へバスかタクシーで入り、大雪渓、或いは鑓温泉経由で唐松岳へ、
そこから八方尾根を使ってこの八方に降りてくる人が多くいるらしい。
自分たちは逆コースなので猿倉に下山してからここまでバスかタクシーで戻る計画です。
駐車場からゴンドラ乗り場まで少し歩きます。  地図では10分とありましたが20分くらいかかったでしょうか。
ゴンドラ乗り場の近くにある各駐車場は有料です。  ザックの計量をします。
15s以上は400円の荷物料を払わなければいけません。  相棒は13キロ超、僕は19キロ超。
自炊用の水を捨てたり中身を手荷物にしたりして二人あわせて約3s減らせば400円の節約ですが
面倒だからここではリッチマンになりましょう。  今回の初日は短時間の行動なので少々の歩荷は大丈夫。
 

乗り場はすでに50人くらいの列。ゴンドラ、リフト2回と乗り継いで一気に標高1840mの高原へ降り立ちます。
初日は雨の予報が出ていました。  いざ現地では霧雨だったり止んでいたり。  合羽を着たり脱いだりです。
登山者に混じって観光客も沢山登っています。あいにく視界は20mくらいでしょうか。
時折パッとガスが取れて見晴らしが幾分良くはなるもののアルプスの大パノラマを見ることはできません。
すぐ近くの鹿島槍や五竜岳、そして険しい尾根が連なる不帰の嶮や観光パンフでも馴染みの白馬三山も
全く見えません。  その分、普段以上に登山道脇の高山植物が目を楽しませてくれます。
八方池を過ぎるとあとは登山者の世界です。が、小さな子供連れのファミリーもいます。
こんな天気の山登りを最初に経験すると山嫌いになってしまわないか心配です。
さほど疲れもないうちに突然唐松山荘の小屋裏に出ました。 「エ〜〜ッ!?」
 僕の頭の中にはつづら折れの登山道の途中にテント場がありその先に小屋が建っているという景色がありましたが。
テント場を知らないうちに通過してしまったのかな。  とにかく小屋で受付をしなくちゃ。
この頃には風も吹き出し雨も本降りになりそうな気配です。
「今夜は荒れそうやからテント泊はやめて小屋泊しようよ。」と相棒の一声に素泊まり決定。
ところがびっくりです。素泊まり6300円!!。  4500円くらいと思っていたのに。
その上、「この本館は800円追加で7100円です。」素泊まりで7100円です。 高〜〜!!
 相棒は受付の女性に悪たれ口を叩きながらも6300円の北館でということで受付を済ませすぐ横の北館へ。
受付嬢が短気な方でなくてよかった( ´―`)フゥー・・・
本館が800円の追加料金ということはこの北館はかなりボロボロなんだと覚悟を決めて入り口を入りました。
ところが以外や以外。  床や壁、窓のサッシュ、みんな真新しいです。
2段ベッドも廊下もすべて真新しく、トイレも水洗で臭わず廊下は蛍光灯が煌々と灯っています。
混雑時には9人が雑魚寝(ザコネ)の一区画ですが今夜は二人だけで使わせてもらえました。
本館との違いは食堂と売店と自炊者用テーブルがないことくらいでしょうか。
逆に乾燥室は本館より日差しもあり明るいですしよく乾くように思いました。
この800円の差はどう考えても納得いきません。
 
この十数年間で(もっと以前からかも知れませんが)小屋経営の考え方が変わってきていると感じました。
それまでは山小屋といえば汚くて狭くて夜は真っ暗で食事もまずくて…といった負の感想しかなかったもんですが
この小屋ではそのどれひとつも当てはまりません。  消灯時間も決められていません。
宿泊者は山小屋に都会のホテルと同じような快適さを求めているのでしょうか。
料金がいくら高くても快適に過ごせる方を選択するのでしょうか。(自分がケチなだけか)
 
夕方小屋の外に出ますと少しガスが取れて風も収まり雨も止んでいます。
晴れていれば眼前に劔岳が見えるのですがガスの中です。
明日の唐松岳と不帰の嶮V峰とU峰が見えましたが後にも先にもこの時しか見ることができませんでした。                           小屋の受付横のテレビには常時富山県黒部市の3時間毎の天気予報が映しだされています。
明日も良くないみたいです。  出発前の予報では曇り時々晴れでしたが曇りマークばかりが並んでいます。
夜には風も雨も強まりテント泊では大変な思いをしたでしょう。
8/14、昨夜よりかなり和らいではいますが雨と風です。  加えてガスで昨日にも増して視界がありません。
下山決定です。  急いで降りることもないので足元の高山植物を存分に観察しながらゆっくりと降ります。
米粒くらいから手のひらサイズまで沢山の種類の花が生き生きと咲いています。
それらには所々に花名板が添えられていてこのうちの少しでも頭の中に入れて持ち帰ろうと
二人で一生懸命に花の名前を言い当てっこしながら降りました。
お陰で目的を失った単調な下山ですが退屈することなくリフト乗り場に着きました。
八方の町に降り立つと青空も広がり暑いです。  山の上の天気とは大きな違いです。
どうりでリフトで上がってくる観光客の中には手ぶらで半袖、半パン、スリッパ履きの人もいました。
   
  今回は残念ながら不帰の嶮には行けませんでした。  悪天候とは言えあれくらいの天候なら予定通り
進むことは出来たでしょうが見晴らしも全くない事だし滑りやすい岩場のコースなので
行かなくてよかったと思っています。  いい天気の時にちょこっとのスリルを楽しみにまた出かけましょう。
夜に「八方尾根夏祭り」で太鼓と花火を楽しんで帰阪です。

[一口感想]
7月三連休は天候で行先を変えようと 候補を3つ上げて 一番天候のいい奥秩父へ行ったのですが、
このお盆はどこも似たりよったりの天候。ではでは予定通りに不帰ノ險へ と出発です。
直前の天気予報は雨と曇マーク。
好転することを期待して出発したのですが、リフトを下りて合羽を着たり脱いだり ガスで展望もなく
でも久しぶりの一般登山道は歩きやすく あっという間に唐松山荘へ到着しました。
小屋で見た天気予報で、今晩から雨マークがずらり 軟弱な私は相棒に「小屋に泊まろうよ」
今回テント泊にしたのは 相棒がかなり昔 唐松小屋に泊った時 人 人 人で寝ていても寝返りも
うてないほどだったというトラウマからですが、天候が悪かったせいか宿泊者も少なく乾燥室もあり快適でした。
テント泊をした若者に翌日聞くと、雨と強風で眠れなかったとのこと。  小屋泊 正解 正解。
悪天候で撤退しましたが、働いていると 天候は選べず 仕方のないこと。
しょんぼり撤退するだけでなく 何か楽しみを見つけて「来てよかった」というものを見つけないと・・・。
それが下山時に20種類を超える花の名前を覚えたことと、駐車場での八方祭りを楽しめたことです。
花の名前は来年には、また忘れているでしょう(笑)
今回 久しぶりのテント泊装備。相棒は20キロ弱、私は重い背中でキレットを通過する自信がなく
約13キロにおさめてでしたが、最低15キロは背負わないと 相棒の負担が大きくなるだけです。
今は故障箇所を抱えているので、治ったら スクワットで歩荷力を強化しますか。
 鈴鹿 石谷川(本谷) 遡行
山行日 2012年8月26日(日)
参加者 L北岡 SL伊東 大沢 三木

京都駅に7時集合。本日は沢の師匠 大沢さんとの久しぶりの沢行き。
北岡号に4人満席 名神京都東IC〜東名阪亀山ICを出て 石谷川林道を走り、
通行止めの手前の駐車地に車を止め 身支度を整え、8時50分出発です。
駐車場横の階段を降りると大堰堤の上に出ました。
砂地の浅瀬を少し歩くとだんだん水量も増え 10分程で きれいな淵に出合います。
早速ウォーミングアップとばかり 泳ぎます。男性3人は泳ぎ名人です。
伊東はへなちょこ泳ぎですが、指導を仰ぎ なんとか泳ぎ切りました。
   

   

しばらく進むと廊下の奥に深い釜を擁した2段12m頂礼井戸の滝。またまた泳いで取付きます。
見るからに つるつるで大沢さんが巻いてロープを出してくれました。なぜか一番手 伊東です。
足を置いてもつるつる 敢えなく釜にドボンです。
それを見た二人は「無理無理巻こ巻こ」っていうことで、さっさと 右の岩の斜面を巻きました。
   

小滝と釜、穏やかな渓相が続き 次に美しい釜を持った7m滝が現れます。
エメラルドグリーンの釜が美しいです。  この滝もつるつるで登れそうもありません。
ここは左斜面のトラロープを伝って越えました。
   

小滝を抜け 7つ釜が始まります。きれいです!!泳いで 5mのチョークストーンに取り付きますが・・・。
三木さん、CSを抱え込んであともう一息というところまで行くのですが・・・直登失敗です。
   

右から巻きますが、これがなかなか登りにくく スリングを足場として掛け 北岡さんが登り切ります。
伊東はここで大苦戦。  ただただ引っ張りあげてもらうだけでした。(お〜情けなや!)
   

しばらく進むと堰堤が出て来ました。ここは右から巻いて登山道へ。
堰堤の上に降り ソーメンのランチです。
沢の水でソーメンを湯がき 具材は薄焼き卵、ハム、きゅうり等々。
ソーメン6束ではちょっと足らなかったようです。
   

すぐに白雲の滝が現れます。ここは直登します。
リングボルトやハーケンも打ってあり、右手からくの字に登って行きます。
まず北岡さんが登り、伊東が確保します。  皆さん順番に楽々登って行きます。
   

ここから先はだんだん水量も減ってきますが、CS3mとつるつるの4m滝に苦戦します。
CS3mは大沢さん 伊東は巻き、北岡さんは卵形の大岩に抱きついて突破。
三木さんはCSの下でスリップして敢えなくドボン。
次に出てくる4mつるつる滝は三木さんが先頭。
スリングを出したり、足を持ったり、お尻をあげたりで大変です。
が、大沢さんはパイルを持ち 楽々突破 さすが師匠です。
   

いよいよ5m滝手前で遡行終了です。  釜で最後の泳ぎを楽しみました。
   
登山靴に履き替え 装備を解き 下山にかかります。
途中 渡渉すべきところをまっすぐ進み ハイカーから「こちらですよ」と教えられる場面もありましたが、
1時間余で駐車地へ到着しました。
石谷川は泳ぐ所も多々あり、直登すれば おもしろい沢だと思います。
心配したヒルも少なく、伊東が一箇所噛まれ、一匹お持ち帰りしましたが、男性3人は被害なかったようです。
帰りは総合保健福祉センター 「あいあい」内 白鳥の湯(入浴料150円)で さっぱりして 一路京都駅へ・・・。

【コースタイム】
石谷川林道ゲート前に駐車
大堰堤 8:50発
頂礼井戸の滝 9:06ー9:25
七ツ釜の廊下入口 10:45
七ツ釜の廊下出口 11:18
葺谷出合 11:34
小堰堤上の広場 11:47ー12:53(昼食)
白雲の滝 12:59ー13:24
ツルツル4m滝 13:46ー14:00
最後の5m滝 14:04ー14:17(水遊び)
登山道で下山、途中で沢装備解除 14:23ー14:45
営林小屋跡 14:59
石谷川林道ゲート前 15:27着ー15:31発
総合保健福祉センター「あいあい」 15:49着ー入浴

[北岡の一口感想]
石谷川本流の遡行はすぐ横に仙ガ岳への登山道が常に走っており
どこからでもエスケープできるので安心です。
今回は巻けば1級、直登すれば2級ということで出来るだけ直登にアタックしてみました。
それに大沢師匠が同行してくださってるので尚更安心してアタックできました。
夏の暑さを忘れての一日でした。
 鈴鹿 矢原川左俣(本谷)遡行記録
(山行日)   2012年9月2日(日) 現地にて前泊
(参加者)   大沢・北岡・三木
(コース)
    7:20坂本棚田駐車場出発 → 7:49「矢原川本谷」標識通過 → 8:15遡行開始
     → 8:36最初の5mの滝 → 9:10不動下滝 → 9:35高巻終了 → 9:56不動上滝
     → 10:20廊下 → 11:00 渓流の遡行終了 → 11:33仙鶏尾根に辿り着く
     → 11:37仙ノ石 → 仙鶏尾根 → 野登寺の参道 → 14:15坂本棚田駐車場到着
 林道の「矢原川本谷」標識を谷へと下る。
最後の下りで足跡を見失って、ずるずるの斜面を滑り降りた。
咄嗟に横倒しになっている木にしがみついて、難を逃れたもののズボンは泥だらけ。
坂本棚田駐車場から40分余りかかって、ようやく沢に辿り着いた。
ここで、登山靴から沢靴に履き替える。とそのとき、左の靴下に2匹、右にも2匹、
ヒルが必死にしがみ付いている。  手につかぬよう引き剥がす。
きっと、あの斜面で滑ったときにやられたのであろう。
とりあえず、目に見える範囲のものは取っ払った。
やはり、この沢もヒルの楽園なのか。
   遡行を開始して、最初に5mの滝に出くわす。
5mとは言え、水量の多さに登る意欲を掻き立てられる。
右側から登って、滝の中央を左へ横断、そのまま登りきる。
横断したとき、身体は川の内側に入り込んだが、ザックはもろに水を被っていたので、
可也の水圧が身体にのしかかったため、しばしその場で踏ん張った。
外から見ると、私の姿は完全に消えている。
避けて通ることはできるのだが、結構楽しめた。
続いて、5m・4mの斜瀑を登り、5m・6mの滝へと。ここは、左側から水の流
れのないところを難なく登る。
     
これを過ぎると、20mの滝がまっすぐ伸びている。
この下で、「ファイト一発」のポーズを決めたつもりだが・・・。
ここは、左の巻き道を使って、滝の上に出た。
続いて、現れたのが本日1番の大滝、80mの不動下滝である。
屈曲しているので、下から全貌を見ることはできない。
最初の6mほどのところまでは登れそうだが、その先が分からないので、
突っ込むことはやめて、右側にある巻き道を登ることにした。
この巻き道の出だしは、小さな沢になっていて、やや登りづらい。少し登ったところで、
左手に滝が見えたので、滝に近づいて行った。
すると、目の前に、どでかい滝が水しぶきを上げて、その勇姿を表わした。
我々の立っている場所の直下で滝が屈曲している。  再び巻き道に戻って、高巻く。
急な斜面と足場の悪さとで、可也神経を使った。
やはり、滝の大きさに合わせて高巻きも長く、体力を要する。
 
この大滝の上に出ると、のんびりする間もなく3m〜6mの滝が続く。
いずれも直登する。その後、10mの滝の左を登り、段になっているところから右へ
沢の左の淵を直登する。  しかし、あと一歩のところで、上がれず。
大沢さんが左を巻いて、お助け紐で引っ張り上げてくれた。
このあたりの石は丸く滑りやすそうである。
 
続いて、20mの不動上滝に出くわす。  この滝は、不動下滝に比べれば、
スケールは小さいが、水量は多く、上流まで真正面に見ることができるので、
迫力がある。  ここは、左の登山道を巻く。
     
その後、廊下を伝って、再び連瀑。奥へと進む。
両岸が狭まったところで、滝は左上方から水を流し出している。
沢の右淵を登り、一段上がったところで、沢を横断し、左淵へと移動する。
その先は、左を直登して、滝を通過する。
この後は、水と戯れる程度のもので、遡行の終了も近づいていた。
 
高度670mの二俣あたりから倒木が見られたが、コースを左にとって行けば、
気にするほどではなく、上流まで水量が多かった。
 
沢の幅が著しく狭くなって、水量も減ってきたので、沢から外れて、遡行を終了、
登山靴に履き替えた。
仙鶏尾根まで約30分、急斜面の足場の悪いところを直登するには、気合がいる。
仙ノ石で休憩。その後、野登山から坂本棚田駐車場へと下山。
この沢は、距離は短く、川幅も狭い。
そのため、鈴鹿の元越谷や石谷川・本流のように明るさはなく、やや暗く感じる。
  しかし、この狭いエリアに数多くの滝が存在し、全く飽きることなく、次から次へとその勇姿を現す。
のんびりと一息ついている暇はなく、時の経つのをすっかり忘れてしまう。
昼食も簡単に済ませており、休憩をしたという認識がないほどである。
大滝を除いて、直登できるのも魅力である。
但し、釜のスケールはいずれも小さく、泳げるところはなかった。
前夜、雨に降られて、ヒルの大量出現かと、また、高巻の地面のぬかるみにと心配をしつつ、
坂本棚田駐車場を出発したが、沢についてみると、川の水は濁っておらず、
ヒルと対面したものの被害はなく、無事沢登りを満喫することができた。
 天気は、全般に曇っていたが、時折晴れ間も見えた。
このコースの難を言えば、下山の仙鶏尾根の距離が長く、斜度もきつく、
土質が滑りやすいこともあって、神経、体力ともに消耗した。
野登寺の参道もお寺参りの人が歩いている様子はなかった。
しかし、満足度は、高く、実に楽しい遡行であった。
2週連続、沢登りの師匠である大沢さんと一緒に遡行することができ、
随所に助けて頂いたことに感謝します。
また、いつも多くの写真を撮って頂き、遡行計画に当って、的確なアドバイスを頂き、
車の出動をして頂いた北岡さんに感謝します。

記録:三木
 鈴鹿 矢原川左俣(本谷)遡行記録
2012年9月2日(日) 現地にて前泊
参加者:大沢・北岡・三木(記録)

コース
7:20坂本棚田駐車場出発 → 7:49「矢原川本谷」標識通過 → 
8:15遡行開始 → 8:36最初の5mの滝 → 9:10不動下滝 → 
9:35高巻終了 → 9:56不動上滝 → 10:20廊下 → 11:00渓流の遡行終了 → 11:33仙鶏尾根に辿り着く → 11:37仙ノ石 → 仙鶏尾根 → 野登寺の参道 → 14:15坂本棚田駐車場到着

 
林道の「矢原川本谷」標識を谷へと下る。最後の下りで足跡を見失って、ずるずるの斜面を滑り降りた。咄嗟に横倒しになっている木にしがみついて、難を逃れたもののズボンは泥だらけ。坂本棚田駐車場から40分余りかかって、ようやく沢に辿り着いた。ここで、登山靴から沢靴に履き替える。とそのとき、左の靴下に2匹、右にも2匹、ヒルが必死にしがみ付いている。手につかぬよう引き剥がす。きっと、あの斜面で滑ったときにやられたのであろう。とりあえず、目に見える範囲のものは取っ払った。やはり、この沢もヒルの楽園なのか。
   
遡行を開始して、最初に5mの滝に出くわす。5mとは言え、水量の多さに登る意欲を掻き立てられる。右側から登って、滝の中央を左へ横断、そのまま登りきる。横断したとき、身体は川の内側に入り込んだが、ザックはもろに水を被っていたので、可也の水圧が身体にのしかかったため、しばしその場で踏ん張った。外から見ると、私の姿は完全に消えている。避けて通ることはできるのだが、結構楽しめた。
続いて、5m・4mの斜瀑を登り、5m・6mの滝へと。ここは、左側から水の流れのないところを難なく登る。

これを過ぎると、20mの滝がまっすぐ伸びている。
この下で、「ファイト一発」のポーズを決めたつもりだが・・・。ここは、左の巻き道を使って、滝の上に出た。
続いて、現れたのが本日1番の大滝、80mの不動下滝である。屈曲しているので、下から全貌を見ることはできない。
         
最初の6mほどのところまでは登れそうだが、その先が分からないので、突っ込むことはやめて、右側にある巻き道を登ることにした。この巻き道の出だしは、小さな沢になっていて、やや登りづらい。少し登ったところで、左手に滝が見えたので、滝に近づいて行った。すると、目の前に、どでかい滝が水しぶきを上げて、その勇姿を表わした。我々の立っている場所の直下で滝が屈曲している。再び巻き道に戻って、高巻く。急な斜面と足場の悪さとで、可也神経を使った。やはり、滝の大きさに合わせて高巻きも長く、体力を要する。
この大滝の上に出ると、のんびりする間もなく3m〜6mの滝が続く。いずれも直登する。その後、10mの滝の左を登り、段になっているところから右へ沢の左の淵を直登する。しかし、あと一歩のところで、上がれず。大沢さんが左を巻いて、お助け紐で引っ張り上げてくれた。このあたりの石は丸く滑りやすそうである。
   
続いて、20mの不動上滝に出くわす。この滝は、不動下滝に比べれば、スケールは小さいが、水量は多く、上流まで真正面に見ることができるので、迫力がある。ここは、左の登山道を巻く。
     
その後、廊下を伝って、再び連瀑。奥へと進む。両岸が狭まったところで、滝は左上方から水を流し出している。沢の右淵を登り、一段上がったところで、沢を横断し、左淵へと移動する。その先は、左を直登して、滝を通過する。
       
この後は、水と戯れる程度のもので、遡行の終了も近づいていた。
高度670mの二俣あたりから倒木が見られたが、コースを左にとって行けば、気にするほどではなく、上流まで水量が多かった。
   
沢の幅が著しく狭くなって、水量も減ってきたので、沢から外れて、遡行を終了、登山靴に履き替えた。
仙鶏尾根まで約30分、急斜面の足場の悪いところを直登するには、気合がいる。
仙ノ石で休憩。その後、野登山から坂本棚田駐車場へと下山。
この沢は、距離は短く、川幅も狭い。そのため、鈴鹿の元越谷や石谷川・本流のように明るさはなく、やや暗く感じる。しかし、この狭いエリアに数多くの滝が存在し、全く飽きることなく、次から次へとその勇姿を現す。のんびりと一息ついている暇はなく、時の経つのをすっかり忘れてしまう。昼食も簡単に済ませており、休憩をしたという認識がないほどである。
大滝を除いて、直登できるのも魅力である。但し、釜のスケールはいずれも小さく、泳げるところはなかった。
前夜、雨に降られて、ヒルの大量出現かと、また、高巻の地面のぬかるみにと心配をしつつ、坂本棚田駐車場を出発したが、沢についてみると、川の水は濁っておらず、ヒルと対面したものの被害はなく、無事沢登りを満喫することができた。天気は、全般に曇っていたが、時折晴れ間も見えた。
このコースの難を言えば、下山の仙鶏尾根の距離が長く、斜度もきつく、土質が滑りやすいこともあって、神経、体力ともに消耗した。野登寺の参道もお寺参りの人が歩いている様子はなかった。
しかし、満足度は、高く、実に楽しい遡行であった。

2週連続、沢登りの師匠である大沢さんと一緒に遡行することができ、随所に助けて頂いたことに感謝します。また、いつも多くの写真を撮って頂き、遡行計画に当って、的確なアドバイスを頂き、車の出動をして頂いた北岡さんに感謝します。
 北穂高岳(3106m)東稜(ゴジラの背)
            〈初級バリルートを行く〉
(山行日) 2012年9月15日〜17日
(参加者) 北岡(L)伊東(報告)

 前穂北尾根に行くべきで買ったDVDにおまけのように「北穂高岳東稜」がカップリングされていました。
これはおまけではなく、北穂東稜と前穂北尾根は同一山行で行くということか・・・と思いつつ
前穂北尾根の落石が怖く どうも行く気にならず 今回は北穂東稜のみの山行となりました。
9月14日(金)
 19時50分 寝屋川発 飛騨清見ICを0時15分に出、 平湯着1時15分 車中で仮眠。
9月15日(土)
  アカンダナ駐車場に車を止め 6時20分発のバスで 6時50分上高地着。 
身支度を整え今日は涸沢までとお気楽に歩き始めます。
 明神で 以前所属していた山の会のメンバーとバッタリ。  なつかしさに話が弾みます。
一足先に歩き始め 横尾に到着。  去年 北鎌へ行った時 ここで昼寝したことがなつかしく思い出されます。
早く涸沢に着いて いいテン場を確保しなければ・・・と思いつつ お尻に根が生えるくらいの大休止。
さあ出発しましょう。
横尾大橋を渡り 屏風岩を左手に見て 誰も取り付いてないなーと思いながら進むと本谷橋。
おおぜいの登山者が休憩しています。  私達もここで またまた大休止です。
いよいよ テント装備と登攀具でズシリと重いザックを背負いながら 本格的な登りが始まります。
登山者が次から次へと途切れることなく登ってきて ちょっとした渋滞です。
アルプスに来ると ほんとに若い登山者が多いです。  みんな重そうなザックを背負ってます。
休憩をはさみながら 涸沢に到着。  石がごつごつしてなさそうな場所を見つけ テントを設営し のんびりです。
相棒はサンマの蒲焼の缶詰をアテに ワインには合えへんな―と言いながら飲み始めました。
久しぶりに この涸沢カールに身を置き穂高連峰を眺めながらの至福の時間が流れていきます。
今日の夕飯はカップ焼きそばです。  今回は登攀具があるので軽量化の為 質素です。
食器は持たず焼きそばのカップを明日の夕飯に使用する考えです。
途中 雨が降って来てテントの中に避難しましたが、やがて雨も上がり
明日の好天が約束されたかのような満天の星空です。
明日のゴジラの背に思いを馳せ 早くにお休みなさーい。
9月16日(日)
 4時半起床。  トイレの待ちもあり、出発が遅くなってしまいました。
青空が広がり 絶好の登山日和になりそうでテンションが上がってきます。
     
     
涸沢小屋の右手の取付から本格的な登りで、ハイマツ帯に入るとジグザグに登って行きます。
朝一は調子が出ず ゆっくり登ります。  左に一般ルートの南稜への鎖場が見える所を右へ行きます。
岩がゴロゴロしたところで登攀具を身につけ、北穂沢をトラバースします。  いよいよ東稜への取付です。
すでにゴリラの背を登るパーティの姿を確認することが出来ます。
みんな色々なルート取りをしているようですが、私達はルンゼの左の草付きのあたりから登り始めます。
浮き石を一つ一つ確認しながら慎重に登ります。
途中右へ小さくトラバースする踏み跡がありましたが、私達は稜線に向かって直上します。
   
ふと下を見ると単独の登山者が立止り 私達をじっと見ています。  落石しないように より慎重に登って行きます。
その登山者はずっと私達を見てますが、登る気配はなく ヘルメットも登攀具も付けておらず
どうやら 一般登山道へ行くつもりが こちらへ迷い込んできた様子です。
その後 全く見かけなかったので たぶん自分が行くべきルートへ戻ったのでしょう。
浮き石に気を使いながら登り切り 稜線に出ると 一気に展望が開け 素晴らしい景色が広がります。
     
前穂北尾根の向こうに富士山が見えます。
今まで色々なところで富士山を見てきましたが、期待していなかっただけに感動でした。
お約束の槍ヶ岳もとんがってます。  ここからいよいよ大きな岩が積み重なる岩稜歩きの始まりです。
岩はしっかりしており 安心して登ることが出来ます。
     
1ヶ所北穂沢側の岩棚をトラバースする所があり 一瞬怯みますが、足場もしっかりしており
問題なく通過です。
いよいよ核心部に入ります。  ナイフリッジになった所で 前のパーティがロープを出してます。
ロープなしでも越えれそうですが、せっかくロープを持ってきたので練習のためにもロープを
出そうと前のパーティが通過するのを待ちます。
そうこうしているうちに後続パーティも到着しました。
そのパーティも練習のためにロープを出そうと決めたようです。  いよいよ1ピッチ目 相棒がリードします。
小さな岩にビレーを取り 確保します。
相棒は少し切れ落ちて左から巻いて登ったところにランニングビレーを取り順調に進み
岩にビレーを取りました。
私も問題なく進み 少し切れ落ちた手前で左に下りるところを右に下りたため 少し苦労しましたが
無事1ピッチを終了です。

2ピッチ目も前のパーティが通過するのを待ち、今度は私がリードで行きます。
岩裏のハーケンともう1ヶ所岩にランニングビレーを取り ビレー地点に到着です。
ロープアップをしていると 岩に取ったランニングビレーが抜けてしまいました。
ビレー位置がランニングビレーを取った岩よりも高かったため 抜けたようで反省です。
あっという間の2ピッチです。 相棒ともう少し長かったらいいのにな―と言いながら
下降地点にやってきました。
前のパーティは懸垂で下りるようです。DVDの通り クライムダウンする予定でしたが、
      
支点になる岩にたくさんの捨てシュリンゲがかかって