レジュメ&資料等
アルパイン友の会(略称;アル友)

 沢登り入門講座
   機ゥイダンス
   供ヂ登り用具と遡行図の読み方
 岩登りの装備とロープワーク
 冬山装備
 アイゼンワーク
 
沢登り入門講座<ガイダンス>
☆はじめに
  我がアルパイン友の会(アル友)の講座にようこそ。
  当会は昨年(2008年9月)に発足した同好会です。

本講座は沢登りが初めて、もしくは数回程度の初心者の方で基礎から沢登りを学びたい方を対象として
開講する講座です。
従って沢登りとしては初歩的な事を学びます。
沢登りは日本で始まった固有の登山形態と云われていましたが、韓国や台湾でも普及しているようです。
沢登りは登山の全ての要素(ハイキング、読図、岩登り、ルートファインディング、天候判断、幕営etc.)を含むため
難しくもあり、楽しさも多い山行形態ですが、危険性はハイキング、縦走、岩登り等とは比較にならないほど高いと云えます。
この講座では、沢登りの入り口をお見せするだけになると思います。
無事終了されましたら、経験者に同行してもらって更に経験を積んで沢を楽しんで下さい。

○講座の受講生、講師及び実技補助者の自己紹介<詳細は別紙参照>
  (受講生)男性4名、女性1名<5名>
  (読図担当)品部、(運営責任者)生、(実技担当)安田、大沢
  (実技補助)数名

○山行計画書
  登山には計画書が重要な要素になります。
  実技毎に受講生に持ち回りで山行計画書を作成してもらいます。
  計画書の雛形(書式)はメールで送りますので練習のつもりで作成して下さい。
  遡行先を事前研究をすることで山行を把握出来ます。  (文献やインターネットを利用することで情報が得られます。)
  事前に作成した計画書を講師に送って頂き、添削して返却します。

○山行報告
  実技終了毎に口頭での感想(受講生全員)を述べてもらい、持ち回りで報告書の作成をお願いします。
  また、実技終了毎に講師から注意点や反省点に付いての指摘等をさせて頂きます。

 座学資料<沢登り用具の説明、遡行図の読み方>
1.沢登りの危険性と注意点
‥湘檗滑落
  谷には基本的に水流がある。要するに濡れているということ。
  道は無いので、濡れた岩、石や砂の上を歩いたり事になり、泳ぐ(浸かる)こともある。
  岩にはコケが生えていたりして、更に滑りやすいと思って良い。
  その為、滑って転んだり岩から滑落することも有り得る。
  装備(渓流シューズ、渓流タビ)だけでは完全に予防することは出来ない。
∩水
  増水が予想される場合、前日までに(基本的に)山行を中止するが、入渓中に降雨により増水すると土砂崩れや
  土石流が発生する場合もあるので、エスケープして山行を中止する場合もある。
M鄒
  沢の斜面にある石や岩は不安定な事が多く、不意の落石や先行者が原因の落石には十分注意を払う必要がある。
ぢ贅筺渡渉
  実技山行で行く沢にはそれほど大きな滝も滝壺も無いが、滝壷に限らず、たとえ水深30cmの流れでも溺れることも有り得る。
  泳げない人や水に自信の無い人は、ライフジャケットを用意すると防寒にもなり安心。
テ以
  特に注意が必要なのはマムシ。 ヘビを見つけたら手出しをせず、やり過ごす事。
  熊にはめったに出会う事は無いが注意は必要。
γ
  ヒルに咬まれることがある。 毒は無いが、出血を伴う場合が多い。
  スズメバチ、蚊やブヨに刺される事もある。 ダニにも注意。
  スズメバチに刺されたら水で洗ったりステロイド剤を塗ったりすると効果がある。
Р嫉
  遡行が終わり、稜線に出ると次は下山路を探す必要がある。
  ハイキング道がある場合はそれほど問題ではないが、道が無い場合には読図が必要で、下山には尾根筋を利用する。
  読図が出来なければ道迷いとなり、遭難の原因にもなる。

2.装備
●必携装備
”装
  水に濡れることを前提に、濡れても水切れがよく乾きやすい服を着用すること。
  ズボンは短パンではなく長ズボン(タイツを履く場合は別)、シャツは長袖のシャツを着て素肌の露出は極力控える。
▲悒襯瓮奪
  必ず着用すること。(未所持者は必ず入手する。)
  デザインや銘柄の選択は個人の好みで選ぶ。
7摸シューズもしくは渓流タビと靴下
  好みによって選択する。
ぅ好僖奪
  むこうずねを保護するのと保温に役立つ。渓流シューズには着けたほうが良い。
ゥ蓮璽優
  岩登り用のハーネスを用意すること。 軽量で着脱が楽な方が良い。
Εラビナ
  安全環付き2枚を含み、5枚用意すること。 大きめの方が使いやすい。
Д轡絅螢鵐
  ・6ミリの細引き3本。(長さ1.5〜2m程度をダブルフィッシャーマン結びで作る)
  ・4〜5ミリの細引き1本。(同じく長さ1m程度で作る)
┘蹈鵐哀董璽廖淵愁Ε鵐好螢鵐亜
  1m+α程度を2本用意する。
下降器
  BD社のATC(ノーマルタイプ)が初心者には扱い易い。
ロープ
  8ミリ×20m、9ミリ×40mなど。 <ロープは講師が用意する。>
ホイッスル、ナイフ、時計
  沢では声が聞こえにくい場合が多く、ホイッスルで合図を送る場合がある。
  プラスチック製を購入する事をお勧めする。(冬山でも使える)
  ナイフはアーミーナイフ(軽量な2枚刃)が使い易い。
グローブ
  手指が水に濡れ、ふやけて怪我をし易いため必要。  (沢用のグローブが市販されている。)
地図、遡行図、方位磁石、筆記具
  遡行対象地域の地図及び遡行図とコンパス(方位磁石)
  遡行図、地図等はチャック付のビニール袋等に入れる。
日帰りハイキング装備
●必携装備
  リュック(30リットル程度)、登山靴(下山用)、弁当、水筒、雨着(カッパ)、ヘッドランプ、ライターもしくはマッチ、
  非常食、着替え(靴下含む)、防水袋、ゴミ袋(大)、ティッシュペーパー、携帯電話やアマチュア無線機(所持者のみ)等
●有ると便利な装備
  高度計、GPS、ウェットスーツ、ライフジャケット(泳ぎに自信の無い人用)、傘
  テルモス、ハンマー、ハーケン、ピクニックシート、ツェルト、虫除けスプレー、虫刺され薬(かゆみ止め等)、
  テーピングテープ、ストック、アマチュア無線機等
泊まりの場合に必要な装備
●共同装備
  ツェルト(テント)、飯ごう、オノ、ノコギリ、メタor牛乳パック(焚き火用)、ガスコンロ、ガスボンベ
  蚊取り線香、ロールペーパー、ラジオ等
●個人装備
  シュラフもしくはシュラフカバー、銀マット、食料、食器、箸、軍手等

3.地形図と遡行図の読み方  <解説書を中心に説明する。>
  遡行図『山と渓谷社・登山技術全書『沢登り』のP63』は同P16のイラストに対応している。
  用語の解説はP17〜P18を参照。
☆地形図に付いての講義は5月31日(日)に実施予定。

4.宿題
  岩登り実技;「ロープワークと岩登り」(6月14日・蓬莱峡)までにロープの結び方を覚えて来ること。<最低3種類>
   ┌犬了結び、◆┘廛襦璽献奪、;マスト結び
  <実技会場で各自結んでもらいます。>

 岩登りの装備とロープワークの基礎
1.緒言
岩登りは、爽快感、充実感等が強く感じられる登山方法であるが、その反面常に危険にさらされている厳しい環境での
活動であり、正しい技術を確実に身に付ける必要がある。
岩登りの技術はその性格上常に進化している。 それに伴い装備も進化している。
本講座では装備の用途・使用方法を理解し、安全な岩登りができるよう進めていく。

2.装備
2−1 シューズ
  岩登り用の靴は底の硬いもの、柔らかいもの、その中間のものと大きく分けて3種類があるが、どんな岩場を登るかで決める。
  硬いものは一般に細かいホールドに立つ場合に適しており、中間の物はクラック等を、柔らかい物はフェースクライミングに
  適している.。
  フリークライミングや雪山以外の岩場では足のサイズぴったりもしくは小さなサイズを履き、
  指の先が曲がる状態のものを選ぶが、雪山では利用しない。
  又長時間履く必要のある山行(マルチピッチ)を対象とする場合は多少ゆとりがあるほうが良いが、
  細かいスタンスには立ちにくくなる。

2−2 ハーネス
  色々なタイプがあるが、現在は腰と太ももで支えるタイプが、落ちても逆さまになりにくく、
  体がハーネスより抜けにくいという特徴で主流となっている。
  腰、太ももともにフィット(調整可能)するものがよいが、冬山で使用する事を前提に選ぶ。
  メーカーにより腰と太ももの長さの比率が違うので、自分の体型に合ったものを選ぶ。
  (チェストハーネスを併用し、落下しても逆さにならないようにする場合もある。)
  雪山で使用する場合はシットハーネスが使いやすい

2−3 ヘルメット
  落石・墜落時の頭部の保護の為に着用するが、色々なメーカーの物があり、
  登山用品店の専門家に相談するのが得策である。

2−4 ロープ(ザイル)
  岩登りの練習としては11mm程度のロープ(シングルロープ)が使用されるが、実際の山行では
  9mm程度のロープ2本(ダブルロープ)を使用して安全性を高めている場合もある。
  (支点が抜けたり、落石或いは岩とロープがこすれて切れた、という事故事例がありこれらを回避するために2本で行う。)
  使用前に部分的につぶれていないか、芯がしっかりしているか、ロープはある程度伸びることにより衝撃を吸収するので、
  硬くなって伸びきっていないか、汚れていないか(砂などが汚れに付着しロープに食い込んで強度を落とす)を点検する。
  ロープは使用後は時々水洗いし汚れを落とし、陰干しして保管する。
  雪山ではロープが凍ることもあり、出来るだけドライ加工のロープを使用すべきです。

2−5 カラビナ
  カラビナに要求される機能は、衝撃が掛かってもゲートが開きにくいもの、扱い易く軽いもの、強度の高いものが望まれる。
  強度はカラビナに示してあり、横方向、ゲートが開いた状態では本来の使用時の1/3の強度しかないので、
  使用時に注意が必要である。
  使用時に強く当てたりすると少しの傷でも、金属疲労・腐食を受けるので良く点検する事。
  外観ではD型・変D型・O型・安全環付(懸垂下降・確保時等ゲートが開くと困る場合に使用)とあり、
  ゲートの形ではワイアーゲート・ベントゲート等がありベントゲートはロープセットが容易であるが、
  ランニングビレーで使用する場合は、ロープの通し方を間違えれば落ちたときロープがカラビナから抜ける事があるので
  注意を要する。
  断面形状も丸型・楕円型・十字型・ナス型当があるが、ロープの屈曲が少ないものが、ロープの流れも良いし、
  負荷も少ない。
  ゲートのキャッチ部の形状も様々なものがあるがロープが引っかからないタイプのものが良い。

2−6 確保器
確保器にも、エイト環・サレワ環・ATC・ルベルソ・グリグリ等があり、その特徴も異なっている。
本講座では、取り扱い安さ、携帯性、安全性を考慮し下降器にも使えるATCに統一する。

2−7 手袋
革の手袋で、指まで覆うものを使用。落とさないよう細引きでスリングをつけておく。
登山用品店のものは、手にフィットしたものが多いが、実際の山行では、装脱着を繰り返すので、
少し余裕のあるものが良い。(ホームセンターで購入すると安上がり)

2−8 スリング(シュリンゲ)
  市販のソウンスリングやロープスリング(4〜6mm)をダブルフィッシャーマンノットで使用する。(図−1)
 
  このときロープの端末は径の10倍ほど出す。
  粘着テープで止めないこと。(粘着材がロープの強度を落とす場合がある。)
  テープをテープ結びで使用する実例はあるが、本講座では使用しない。(解けた実例もある)
  ロープの端末がささくれている場合は、セロテープでロープを巻きはさみ等で切断し、ライターで端末を溶かし処理するとよい。
  スリングはランニングビレーや自己確保等に使用し、用途により色々な長さがあるが、500〜700mm・1000〜1400mmの
  長さが使い易い。
  状況に応じた数量を用意する。 スリングの収納は大切である。
  編んで収納、ネジって収納、ハーネスに装着、肩からかけたスリングに装着等、登攀中に引っかからないよう工夫が必要である。
  <決して首に掛けない>
  その他色々な用途のギア(装備)があるが別途紹介する。

3.ロープワークについて
  岩登りは、2人または3人がロープで安全を確保して、登攀していく形態である。
  その安全確保の為の1つの手順を下記に示す。
  まず自分のハーネスにロープをセットするために、フィギア・エイトノット(8の字結び)を使用する。(図―2)
 
  注意点は8の字に沿わせてロープを結ぶときにねじれないように結ぶことで、
  ねじれるとロープの強度は落ちるし、緩み易くなる。
  しっかり結べたフィギアエイトノットは片手の握りこぶしに程度にコンパクトに結べる。
  結べたらお互いの結びを確認しあう。 ヘルメットの装着も確認する。
  トップとしてセカンドを確保するには、しっかりした支点(ハーケン・ボルト・リング・立ち木)等を
  少なくとも2点以上よりスリングで流動分散(図―3)を行  い、メインロープを使用し支点に
  グローブヒッチ(図―4)または(図―5)で固定しセカンドのセルフ(自己)ビレーとする。
 

   

 
  セルフビレーの位置はトップが落ちても回避できる位置で行う。
  セルフビレーの長さもそれを考慮して決める。
  トップが登る前に、ロープの絡みが無いようロープをさばいておく。 ロープは踏まないこと。
  トップの確保はATCにより、ハーネスより取るボディービレーを行う。
  ビレー時は革の手袋を装着し、準備が出来たらトップに(確保完了)と告げる。
  これよりトップは登りだす。
  ロープはトップの動きを注意しながら送っていく。
  ロープは張りすぎず、緩みすぎず送る。(図―6)
 
  トップが落ちた場合は慌てず急にロープの流れを止めないで、少し手の中でロープを流す制動確保を行うと、
  支点に掛かる力を弱めることが出来、より安全である。
  この技術は重要であるが、難しい。 充分練習する必要がある。
  トップが終了点に着き、トップのセルフビレーを取ると『ビレー解除』とコールしてくる。
  このときセカンドはATCでボディービレーしているロープを解除しトップに『解除しました』とコールする。
  トップがロープを引き上げセルフビレーいっぱいまで引き上げたら、セカンドはトップに『ロープいっぱい』のコールをする。
  トップはセカンドのビレーを取り(・・・さんどうぞ)とコールする。
  この合図で初めて、セカンドはセルフビレーを解除し『登ります、お願いします』とトップにコールし、登り始める。
  セカンドが終了点に着いたら、まずセルフビレーを取り、トップはそれを確認してセカンドのビレーを解除する。
  以上の操作を繰り返し最終終了点に着いて、充分安全が確認できる場所で初めてハーネスからロープを外す。

 冬山装備
◎必要な用具
1.登山靴
  冬山用登山靴を用意して下さい。    ハイキング用や3シーズン用ではなく、冬山用(厳冬期用)です。
  いつでも(年間)使える靴は結局厳冬期には使えない。
  特に重要なのは保温性と防水性で、アイゼンバンドを締めても血行障害が起きないような上皮の硬さ、
  アイゼンを着けてフィットさせる為の靴底の硬さが必要。
  種類は大まかにシングルの革靴、ダブルの革靴、プラスチックブーツの3種類が有るが、
  最近の登山靴はシングルの革靴の性能が上がっているので、シングルの登山靴をお勧めします。
  (昔の靴に比べて各段と保温と防水性能が上がっている。)
  ダブルの靴に比べて軽く、価格も安い。
  プラブーツは寿命が短く、突然の破壊(崩壊)がいつ起こるか分からないのが難点。
  新しいうちは良いが、数年(5年程度?)で突然の崩壊に見舞われます。
  いつ崩壊するのか分からないのが厄介です。

2.ピッケル
  縦走用の長いピッケルよりも、軽量で短くて振り回しやすい(バランスの良い)ピッケルを使ってください。
  杖代わりには使いません。 ピッケルでホールドを作ります。
  ピッケルはリーシュ(リストバンド)を使って、必ず手首で固定出来るようにして下さい。
  特に女性は非力な握力を補填する為に有効です。
  更に、ロングテープをリストバンドに繋いで肩掛け兼用に出来るようにする事をお勧めします。

3.アイゼン
  基本的にミックス用(岩、氷、雪)を使用する。
  (前歯付きの10本若しくは12本爪でアンチスノープレートを必ず装着する事。)
  氷専用のアイゼンは不要です。 必要になった時に購入して下さい。
  新しく購入する場合は、靴を登山用品店に持って行って、靴に合わせて購入する事。
  (長さの調整もして貰える筈です。)
  アイゼンの固定はワンタッチ式と半固定(ワンタッチに似ているが)式及び固定バンド式がある。
  ワンタッチは装着が早いがピッタリと靴のサイズに合わせておかないと、登攀中に外れて、苦しむ事になる。
  ワンタッチ式はどんな靴にでも使える訳ではないので、登山用品店でよく相談する事が必要。
  今の主流は半タッチ式(?)<ワンタッチと固定バンドの中間>。
  購入したら山行前に必ず試し履きをしておく事。

4.ワカン
  アルミ製は手入れが楽だが、シナリが無いので歩きにくい。
  購入するのなら木製を買った方が良い(?)が、手入れが必要となる。
  小柄な人には大き過ぎると歩きにくいし、小さいとツボ足になりやすい。   大きさが問題です。

5.ストック
  リング(ラッセルリング)は必ず装着の事。
  着けてないと、ストックが雪に刺さり易くなり、使いにくい。
  ハイキング用の先端のゴムは外して使用する。

6.ザック
  冬山(テント泊)は装備が多くなるので、60リットルクラス以上が必要。
  80リットル超までは必要ないが、大は小を兼ねる。(逆はあり得ない。)
  軽いザックを選ぶ方が良い。(冬は荷物が重く、如何に軽量化を図るか・・・)
  ザックの外側に沢山の物を取り付ける事が出来るザックは雪が付き易く、邪魔にもなり易いので、
  出来るだけシンプルな構造のザックにする事。
  (ザックの周りに余計なアクセサリーが無い事!)
  防水対策は必ず施しておく事。 雪が付きにくくなる。

7.ロープ、ハーネス
  ロープは共同装備で用意するので受講生が購入する必要は無いが、購入するのならドライロープを購入する。
  ハーネスは着脱が容易で軽い物を使う事。
  特にアイゼンを履いたままでの着脱が容易なものの方が良い。

8.シュラフ、シュラフカバー、マット
  シュラフは冬用を必携。
  羽毛のシュラフが軽くて暖かいが、濡れると最悪なので必ずシュラフカバーと一緒に(セットで)使う事。
  遠征隊用の大きなシュラフは今回の講座では必要ないが、寒さに弱い人は羽毛量の多い方が暖かいし安眠できる。
  (但し嵩高くなり、重量が増える。)

9.テルモス
  無いと行動中に水分補給が出来ない。 (冬山では水筒の水は凍る。)
  最低の容量は500ccだが、大き過ぎず、小さ過ぎず、購入者が必要とする量に合わせる事。
  500ccでは不足・・・!(個人差や行動時間の多少があるので決められないが。)
  チタン製は軽いが値段が高い。  最近のステンレス製は安価で軽くなって来た。

10.その他
  雪崩対策としてビーコン、スコップ、ゾンデ棒は個人装備として必携。
  通信手段(携帯電話やアマ無線機)

◎服装(どんな服装で冬山に行くのか?)
1.下着(長袖化繊もしくはウール混・上下)
  綿の下着は不可。 化繊の下着(素材が進化しているので何がベストとは云えないので、
  自分で研究する事が大事)で十分間に合う。
  ウール混紡の下着は暖かくてよいが、最近の下着は化繊でも十分暖かい物が開発されているので、
  自分で納得できる下着を購入する事。

2.中間着
  冬用の登山シャツや登山ズボンなど。(ウール混紡やフリース製品)

3.防寒着
  やはり、ウール(混紡)や化繊(フリース)で、かぶり式のセーターよりも前開きのものの方が温度調整がしやすい。

4.帽子
  ウール(混紡)若しくは化繊の目出帽を使う。

5.ネッカチーフ
  シルクやフリースが良い。 ウールのマフラーはかさばる。
  トックリタイプのシャツやセーターは暑い時に温度調節できない。

6.手袋
  薄手のアンダー手袋必携。
  ウールやフリースの手袋を使って2重にして使う。
  内側にフリースを貼り付けた二重構造の手袋は内側の生地が抜けてきた時に戻しにくいので、
  抜けないような構造のものを使う。  もしくは抜けない工夫をする事。
  細引きやゴムバンド等を付けて落とさないようにすることが大事。

7.オーバー手袋
  防風、防寒・防水対策として必携。
  ミトンタイプ、3本指タイプ、5本指タイプがある。
  ミトンタイプが一番暖かいが、細かい作業がしにくい。
  5本指タイプは細かい作業がしやすいが、指先が冷たくなり易い。
  3本指タイプは他の中間。 登攀には5本指タイプの方が良い。
  風で飛ばされないように細引きやゴムバンド等で対策を講じておく事。

8.靴下
  2枚履くか1枚かは靴によるが、2枚履くときは足を圧迫しない事が肝要。
  圧迫すると血行障害が起き、凍傷に掛かり易くなるので注意が必要。

9.ヤッケ、オーバーズボン(雨衣兼用)
  防風、防寒を目的として衣類の一番上に着るが、ゴアテックスの雨衣(シングル)を使用したり、
  内綿の付いたゴアテックスのアウター製品がある。
  雨衣よりもアウター製品の方が暖かいが、行く山の気温や個人差にもよるので、選択は本人次第。
  大抵は重ね着でカバーできる。

10.スパッツ
  ゴアテックスのロングスパッツがお勧め。
  アイゼンを引っ掛けても破れにくい素材の物を選ぶ方が良い。

11.サングラス、ゴーグル
  晴れたときはサングラス、吹雪の時はゴーグルを使用する。

 アイゼンワーク・マニュアル
<装着>
アイゼンには装着方法が違う3種類があるが,共通していえるのは
  ゆるい傾斜の斜面で,山側を向き,雪を踏み慣らし左右を確認して装着する。
  フロント(つま先)から履く
  フロントの金具,バンドがしっかり靴にフィットしているか?
  アイゼンにきちんと収まっているか?アイゼンと靴底に隙間がないか? 確認する。
  アイゼンバンドの捩れはないか?
以上のことをしっかり確認する。
行動中にアイゼンが外れると大変危険、急斜面で起こると装着でバランスを崩し滑落も有り得る。

<歩行の仕方>
基本はアイゼンを斜面にフラットに出来るだけ多くの爪が刺さるように、歩幅は小さく、足を高く上げ、
ゆっくりと足前面に荷重を載せる。
  登りは、がに股(逆八の字)に斜面にフラットに、キック気味に登る。荷重は足の裏全体にかける。
  降りは、足はほぼ平行、斜面にフラットに前足に荷重を掛けて下る。    後傾姿勢は危険!
  急斜面での登りは、ピッケルを支点にして、前爪をキックして登るが、長く続くとふくらはぎが痛くなる。
      このときは谷側の足は進行方向に対して横に向けフラットに置き、左右の足を交互に入れ替えると楽である。.
  急斜面での降りは、後ろ向きにピッケルを支点に上りと同様にキックして降りるか、
      または体を斜面に対し横に向け、利き腕を山側にしピッケルで支点を取り、斜面に対しフラットに置いて降りる。
  堅い雪、氷の斜面では前爪をキックし、利かせて足は平行に、ピッケルはタガ−・ポジションで登降する。
  トラバースは山足を進行方向に向け、谷足を進行方向に対し、横にしフラットに置き進む。
     急斜面のトラバースは間隔を空け一人づつ、つぼ足で、衝撃を与えないように進む。

hpに戻る