華人の国、シンガポール


パースから一番航空券の安いインド航空で
SINのチャンギ空港に夜中の1時半に到着。
熱帯の国のお国柄か、飛行機に乗っていた
ほとんどの人は、短パンにサンダル履きという出で立ち。
とても、国際線とは思えない。それ程、パースはSIN近いのである。
チャンギ空港で、両替所に行くと、
若い女性職員が泊まりこみで仕事をしているのには驚いた。
客がいない時は床に敷いたシーツの上で、アイマスクをして寝ている。
このSIN女性のたくましさ。
その日は、パースで同じ大学に行っていたSIN人の工―ダンが
予約してくれていたホテルヘ空港からタクシーで直行。
夜中の労働はきついからか、タクシーの運転手さんはインドネシア系の人。
ラジオから聞こえるインドネシア語が、なんとなくエキゾチックだった。
外の景色は、高層ビルばかりで、大都会という感じ。
真夜中でも、ネオンが多いのは日本みたいだ。
ホテルはオーチャード通り近くの中国系の中級ホテル。

翌日、午前中はホテルのまわりを散策。
道幅が広くつくられていて、信号がかわるのも早く、歩行者優先という気がした。
喫茶店でコーヒーを飲んで日本並の値段でびっくり。
エーダンと、お昼にホテルで再会。
彼はSINの公務員で福祉閑係の仕事をしているので、
休日もスーツで颯爽と来るのかと思っていたが、
カジュアルな格好でパースにいた時と、それ程かわってない。
もちろん、ヘアースタイルもパースの時と、同じリクルートカット。
ホテルでビュッフェ・ランチを御馳走になる。
このレストランには3時間くらいいたが、日本円で約三千円とは、結構高い。
工―ダンからは仕事柄、家庭内暴力の話など、隠れた社会の一面の話も聞いた。

この日は、昔、藤谷美和子主演の映画の舞台、花子の憧れのラッフルズホテルに。
想像していたよりはるかに規模が小さくガッカリ。
レトロでおレやれな感じはするが、さながら、
倉敷のアイビースクエアを少し大さくしたみたいな雰囲気。
ここで見かけたのは、日本人観光客ばかり。
オーチャード通りは、並木道沿いに歩道が広くとられ、
しゃれたデパートやショッピング・センターが両脇に並ぶ。
まるで、東京のよう。もちろん、伊勢丹などの日本のデパートもある。

たばこの吸殻ポイ捨ては、法律では、罰金になっているが、
隠れて捨てている人を目撃!
罰に、"私はゴミをすてました"というようなプラカードを首から掛けられ、
公共で掃除をしている人をパースにいるときニュースで見た。
が、その法律の成果は大きいようで、行く先々、
日本と比べ物にならないほど美しかった。
MRTという地下鉄に乗ると、人が多く、まるで日本の都会のようだった。
が、このMRT、どこに行くにも、そんなに待ち時間もなく便利な公共機関である。

次の日は、山の上のロープウエーのり場まで、タクシーで行き、そこからセントサ島へ。
あまり客がひらえない所なので、何度か乗車拒否された。
ようやく、つかまえたタクシーの運転手さんにエーダンは、
母国語の中国語でしきりに文句を言っていたのが中国系らしい。
少し歩いただけだが、多民族国家といえども、
国民の75%以上が中国系というから、
街でみかけるのは圧倒的多数の中国の人たち。

山の上からは、コンテナ船が行き来する所が見え、神戸あたりの景色ににている。
セントサ島では、シンガポールのイメージというテーマの展示館で、文化や歴史を学んだ。
私たちの知らない当時国ガら見た日本占領時の歴史はショッキングなものだった。
ビデオあり、うう人形ありで、かなり手の凝った展示だった。
いろんな所で日本語訳がついているのは、
この国への日本人観光客の多さを顕しているのだろう。

帰りに、世界貿易センターの裏にある地元の人が行く屋台で夕食。
雰囲気が良いとは言えないが安くておいしい。
大阪でいえば、路地のラーメンやたこ焼屋が並んだ所みたいだ。
中華、インド料理、麺類の屋台が並んでいる。
太郎はエーダンとおんなじ中華を食べて正解。
好奇心旺盛の花子は、インド料理をたべたがハズレ。
ご飯の後、コーヒーを飲んだが、ほとんどの人は甘党らしく、
ミルク入りコーヒーとは、コンデンスミルク入りコーヒー。めちゃ甘かった。
そうそう、路上で金魚入れるようなピニール袋に
氷とジュースをつめて売ってたっけ。

そして、市バスに乗り、南のチャイナタウンヘ。
バスは座席がゆったりして、通路が広く、冷房付で快適。
チャイナタウンでは、旧正月のための飾りにライトアップされ、
夜店が通りにひしめきあう。
夜店は、大阪、造幣局の桜の通り抜けの3倍以上の規模の
夜店群(?)というところかな。
そして、何処からともなく中国系の人がやつてくる。
たぶん、SINのチャイナタウンは世界で一番大きな規模だろう。
きなこ餅、ココナツ餅、うめ団子(これはハズレ)、
干し肉、干し鳥、干し鴨、ざぼん、赤と金色を基調とした飾りなど、
見るもの、食べるもの、物めずらしく、あっというまに時間がたった。
この夜店、お正月前まで、連夜、この賑わいらしい。

帰り道、駅の近くで、お葬式をしている所にでくわす。
着ているものには黒は使わず、踊る婆も日本のお葬式のようにしめっぽくなかった。
これも、熱帯という気候のせいかな?
また、ポートキーというビジネス街の近くを通った。
この辺は、新しいノッボピルが並び、川のほとりにおしゃれなレストランがある。
大阪、中の島公園あたりの景色のようだ。
ビルは、日本のと似ているなあと思っていたら、ほとんどが日本の建設会社の設計だった。


もくじ

A.Yamoka -7/18/99