プラタパス(かものはし)、カンガルーも株式上場?
オーストラリアというと、
カンガルー、コアラ、ウオンバット、
ケッケッケと笑うような泣き声のクッカブラ(笑いカワセミ)
イルカ、くじら、お父さんの顔のようなあざらし・・・
野生動物をすぐ想像してしまう。
オージーの日常生活では
都市に住んでいても野生動物は身近である。
花子と太郎の住んでいたパースのクレアモントでも
朝方いつもケッケッケ・・・と聞こえるし、
スワン・リバーの桟橋では
散歩の途中、あざらしクンに遭遇。
車で5分のコテスローでは学校の帰り
小型のフェリーくらいのクジラが座礁してたり・・・
マードック大学近くの友達の家の裏庭には
ポッサムというネズミ科の
動物がよくでてくるという。
野生動物の保護運動にも皆、熱心である。
そこで、シドニーにある豪証券取引所に
野生動物の保護を目的とする企業が上場した。
7月30日「日経新聞」によると、
この企業は、もともと大学の数学講師だった
ジョン・フォームズリーさん(62歳)が設立した
アース・サンクチュアリ(略称ESL,
南オーストラリア、アデレード)だ。
野生動物の宝庫と思われる豪州だが、
ヨーロッパ人の入植が進んだ過去200年で
41種の動物が絶滅、
さらに100種が絶滅の危機にあるという。
「野生生物を救うには政府に頼ってもムダ。
民間でなんとかしなければならない」との
新年からウォームズリーさんが、
ワラオォング(アデレードの中心地から車で約30分)
の土地を購入したのは1969年。
それから野生動物を国内各地から集め、
フェンスを張り、85年にようやく
保護区の一般公開にこぎつけた。
88年には、ESLを株式化した。
夕方にスタートする90分のガイドツアーに参加すると
夜行性の小型カンガルーのほか、
カモノハシなど豪州特有の動物を
100匹前後も観察できる。
保護区にはレストランやホテルなども併設され
食事をとりながら表に集まってくる動物を見ることも可能。
ツアーの参加費は、夕食と翌朝の朝食、宿泊費を
あわせて1人あたりA$137(現在1A$=¥60前後)。
現在ではワラウォングのほか2箇所の保護区が公開され、
年間に訪れる観光客は5万人。
このほか7箇所の保護区を整備中で
総面積は9万ヘクタールとなる。
さらに、2025年までに、保護区を100箇所に増やし、
保護区の総面積を豪州全体の1%にまでするつもりだ。
「資本主義には欠点もあるが、
問題を解決する手段も与えてくれる。」という
ウォームズリーさん。
5月の上場で全株式の25%を市場に売却し、
保護区を増やす資金としてA$1200万を調達した。 |