改造マニュアル


あたりまえですが、改造は自分の責任で行うようにしてください。

クロックアップ

もはやX68kユーザーでクロックアップしていない人はいないのではないかとまで 言われている(嘘)のですが、とりあえずその辺についての情報です。

初代
いわゆる水晶発振器を交換するだけでは駄目とか、殆ど高速化できないとか言われています。 極々巷では、12MHz程度までクロックアップしたとかしないとか・・・
でもあんまりクロックアップしたという人には出会いません。 クロックアップの最中にMPUを逆に差して、MPUが真っ二つに割れてしまった 人は知っていますが。

ACE
もとから付いている40MHzの水晶発振器を交換してクロックアップします。 実際のクロックの4倍の水晶発振器をつけます。
その交換だけでは、シリアル関係に不都合が出るために(実際には通信ができない、 マウスが使えない等)、SCCに5MHzのクロックを入れなければいけません。 ドライバソフトで対応することも出来るらしいです。
ACEには前期型と後期型があるらしく、前期型は12.5MHz程度、後期型は15MHzぐらいまで いくそうです。が、後述するDMAC改造を行って17MHzで動作させた人もいました。

PRO
これもACEと同じで、もとから付いている40MHzの水晶発振器を交換するタイプです。 これも同じく、シリアル関係の改造も必要です。
16MHz程度までクロックアップできるようです。
面白いことに、PROではメモリ関係のアクセス方法が、他の機種と異なるようで 少しだけ実行速度が上がります(0.数%)。 たぶん、メモリのリフレッシュレートが違うとかそんな感じだと思います。

EXPERT・SUPER
これもACEと同じで、もとから付いている40MHzの水晶発振器を交換するタイプです。 これも同じく、シリアル関係の改造も必要です。
20MHz程度までクロックアップできるものもあるそうです。 私のは17MHzまででした。

XVI
こいつは、もとから付いている33.3MHzの水晶発振器を交換するタイプです。 実際のクロックの2倍の水晶発振器をつけます。
シリアル関係の改造は必要ありません。
ただXVIでは、MPU用のクロックと周辺のクロックが別になっています。 上記のクロックアップではCPUが速くなるだけで、周辺は昔のままのクロックで動作します。 DMACは周辺のクロックを使っているので、ハードディスクアクセスが 速くなったりはしません。で、この周辺のクロックを上げるには、40MHzの 水晶発振器を交換するのですが、だいたい15MHz程度まであげるそうです。
この改造をすると、シリアル関係の改造も必要です。
MPUクロックは、25MHz程度までクロックアップできるものもあるそうです。 巷では24MHzにする人が多いのですが、24MHzと25MHzの間の壁は結構厚いらしいそうです。 面白いことに、25MHzにすると24MHzの時に発生するディスプレイモードの 不都合が消えるそうです。

030
こいつは、もとから付いている50MHzの水晶発振器を交換するタイプです。 実際のクロックの2倍の水晶発振器をつけます。
シリアル関係の改造は必要ありません。
こいつもMPU用のクロックと周辺のクロックが別になっています。 周辺のクロックの上げかたは、XVIと同じです。
MPUのクロックは、32MHz程度までは水晶を交換するだけですが、それ以上になると DRAMのアクセス方法を「スタティック・カラム・アクセス」から 「いつでも1WAITアクセス」に変更しなければいけないようです。 「いつでも1WAITアクセス」にするとどのくらい遅くなるのかは、 どのようなプログラムを走らせるかで変わるので、なんとも言えないのですが、 全く影響が無いということは無く、多少の弱さを感じるかもしれません。 38MHz程度までクロックアップできるものもあるそうです。
こいつのDMACは、MPU用のクロックの半分の物を使用しています。 そのため、MPUクロックを上げるとDMACのクロックも上がります。 それなら、ハードディスクアクセスなんかも速くなるのかな?と 思ったのですが、それだけではあまり速くならない様です。 どうもI/O関係にアクセスする際にたくさんのWAITが入ってしまい、 遅くなっているようです。 ノーマルの030でのSCSI-HDの転送速度は、17MHzのEXPERTに負けてしまいます。 周辺のクロックをあげるとある程度まで上がるようです。


DMAC改造

一般にACE〜SUPERあたりのクロックアップで、クロックの最上限を左右するのが このDMACだそうで。
DMACが動かないと、HDやFDが動かなくなります。 で、そのDMACをなんとかしようと改造してみるのですが・・・。

DMACを交換する
68k系X68kのDMACには、10MHz駆動のものが採用されています。 10MHz以上で駆動するDMACは、12.5Mhzのものがあります。
で、この少し速いチップに交換すると、多少ましという話もあります。 気休め程度という話もあります。

2/3のクロックを使う
何故か、MPUクロックの2/3を使うことができるそうです。 これを使うと、CPUだけ速く、DMACだけ遅くという構成で使用することが できます。
この方法だと、15MHz程度までしか上がらないACEが17MHzまで上げることができます。 私のEXPERTも17MHz以上はあがらないのですが、この方法で20MHzで動かすことが できました(実際は数分だけしか動かないのですが、これは他の部分の不都合だと 考えられます)。

DMACを使うときだけクロックを落とす
結局DMACを使うときにクロックが遅ければいいわけですから、 DMACを使う時だけクロックを落としてしまうという方法もあります。
DMACがアクティブになったとき、全体のクロックを「ぎったんばっこん」と 切り替えてしまうのです。
で、この方法も試してみたのですが・・・。結構不都合無しに使えました。 が、なんだか非常に恐い使い方なので、やめてしまいました。


ROM交換

ACE〜SUPERあたりのマシンをクロックアップすると、電源を切った時等、 ちょっとした不都合があらわれたりします。
そこは、XVIのROMをROMソケットに装着することで、回避することができるそうです。 別にクロックアップしていなくても、最新のROMということで、 多少は他にもメリットがあるのかも。
とりあえず無変更で乗るという話でした。


HDDの内蔵

ACE〜030までの機種は、HDDを内蔵することができます。 ただCompact系は、スペースの都合上、かなり厳しいらしいです。

SASI
ACEとEXPERTは、内蔵のコネクタが20ピンであるため、それを50ピンに変換しなくては いけません。 どのピンがどのようになっているのかは、コネクタを調べればわかるのですが、 その中にLED用のピンが混じっています。 このピンを普通のSASI-HDDのLEDピンに繋いで使うには、 右タワーのLED部分を改造する必要がある場合があります。
PROでは普通の50ピンのコネクタがでているので、 そのままHDDに繋いでしまうことができます。
PROなら内側がかなり空いているので、5インチでも乗りそうですが、ACEとEXPERTでも 3.5インチの分厚いタイプ(1/2インチハイト?)ぐらいを押し込むことができそうです。 また、設置するための金具は、サービスセンターから取り寄せることができるそうです。 私は、押し込んでるだけですが。
最近では、SASI-HDDが手に入りにくいため、SxSIというソフトを使用して、 SCSI-HDDを内蔵してしまうのも手です。

SCSI
SUPER〜XVIは、内蔵のコネクタが26ピンであるため、それを50ピンに変換しなくては いけません。 どのピンがどのようになっているのかは、コネクタを調べればわかります。
030では、2.5インチドライブが使われているため、コネクタは異なります。 最近は2.5インチ用と3.5インチ用の変換ケーブルも出回っているそうですけど。
LEDの線は、そのままHDのLEDの部分に取り付ければ、稼動するようです。


FDの増設

3.5インチや5インチのFDDを増設することができます。
巷にはEXPFDというソフトが出回ってるので、それを参考にされるのがいいでしょう。
と、いうか、そのまま繋いでも動かないのです。 これは、X68kのFDが変にインテリジェントなためです。 で、そのあたりの制御を上記のソフトか 自作ハードを付加することで動作させます。
最近のドライブはつながるのかどうかがわかりません。一般的にPC98に接続できるもの ならつながるようです。NEC 1137Cあたりが結構メジャーな方です。
2DDや1.44Mのアクセスを可能にする場合、ディスクの回転速度を300rpmに変更する 必要があります(1.2Mの2HDは360rpm)。これは、改造が必要な場合があり、その方法もドライブのロット毎に違うということもあります。


内蔵FDDの2DD改造

XVI Compactに内蔵されているFDDを2DDをアクセスできるように改造することが できるそうです。
方法自体は、Oh!Xや電脳倶楽部に掲載されたことがあります。 改造自体は簡単なのですが、あの小さな筐体からFDDを取り出すのが、 非常に大変です。


謎のシリアル改造

最近の33600bpsモデムに対応する訳ではないのですが、X68kではシリアル速度が 38600bpsが最高になっています。
そこで、SCCに高クロックを入れて、高速通信を可能とするドライバが 巷に流れています。
また、RS232Cの規格が数%の誤差までは動作保証をしているので、 微妙に高いクロックを入れて使うことも可能です。


ADPCM改造その1

X68kのADPCMは、15.6kHzの12bitでサンプリングする能力があります。 で、そのサンプリングレートを変更すると、もっと奇麗(?)な音をとり込むことができます。
これも、ADPCMのチップに入れるクロックを高くしてやればいいのですが、 それに対応したソフトも必要です。
改造方法等は、対応ソフトやOh!Xに表記があります。


ADPCM改造その2

X68kのADPCMは、本来人の声を取り込むための物だったようで、 どうしてもそれ以外の音を鳴らすときに、奇麗な音を出すことができないそうです。
これは、出力段のフィルタが声用になっているためだそうです。 で、このフィルタを変更することにより、よりクリアな音を・より良い音を出力するようにできます。
ただ、現在に出回っているMDXデータなどは、無改造の物に対して 調整しているため、この改造をしてしまうとPCMパートだけ浮いて聞こえてしまうこともあります。
改造方法等は、対応ソフトやOh!Xに表記があります。


SCSIアクセス

1M/Sもないなんてちょっと寂しい。8倍速のCDROMと最新のHDDの転送速度が 同じなんて、かなり寂しい。

SCSIボードを買う
満開製作所が出しているバスマスタタイプのSCSIボードを買ってしまうのが、 一番簡単です。

DMACを速くする
SCSIアクセスは、DMACが行っています。そのため、アクセスを速くするためには、 このDMACを高クロックで動作させればいいことになります。 17MHz程度で動かせば、ノーマル030よりは速くなります。
030は転送をDMACで行うよりCPUで行うより方が、多少速くなります。 ほんとに少しだけですが。
68k系X68kでは、CPUアクセラレータを乗せてもCPUで転送することはできません。 というのも、SPCのデータレジスタをCPUで読むことができないからです。 改造でもすればできるのかも。

SCSI IOCSを速くする
SCSI IOCSはROM上に乗っています。これをメインメモリ上に乗せれば、 WAITも減り、少し速くなるのでは?と勝手に思っています。

効果なし
SPC自体に入れるクロックを高くしても、速くなりませんでした。


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