交換
慣れ親しんだ、けれども、ボクの力ではないエネルギーの流出が止まると、目前の空間に鏡映しの青いハリネズミが表れた。
何事かと目を見張るボクに、キミが差し出したのは拳程の輝石。
「Happy Birthday Shadow!」
緑色の光を湛える瞳と同じ色の石が、低い放物線を描いてボクの手に治まった。
「キミがカオスコントロールで表れるとは珍しい」
いつも世界中を走るキミは、カオスエメラルドの力を使う瞬間移動なんてほとんどしない。
余程急いでいる時くらいだ。
「ハ?スルーかよ。せっかく誕生日プレゼントを持ってきたのに」
「これをやろう」
ボクの指が弾くのは金のリング。
高い放物線を描いて飛んで、キミの手のひらが捕まえる。
「エンゲージリング?」
「誕生日に死にたいか?」
互いの頬が緩む。
そして。
キミが風になって走り出し、ボクは貰った輝石の力で空間を飛んだ。
エンゲージじゃなくても、ふたりはずっと一緒にいればいいと思うよ!w
2010.06.23
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