騎士の祝福



酷い雨の中、泥まみれになって剣を振るう。
先頭を走る王を追って、3人の騎士たちも次々と黄泉の騎士を屠ってゆく。
走って走って、剣を持つ腕も重くなるほどの疲労。
それなのに、彼らの王は息を切らしながらも上機嫌だ。

「あのさ、オレ、今日、誕生日なんだ」

円を作って跪いていた騎士たちが、互いの顔を見合せる。
濡れた頭から水滴を散らして、パーシヴァルが納得したように頷いた。

「それで、私たちを、戦場に?」
「祝ってほしいんなら、キャメロット城でもよかっただろ?面倒なヤツだな」
「城でこんなことを言ったら、あっという間にパーティだの舞踏会だの、そっちの方が面倒なんだよ、ガウェイン」
「それもそうだな」

豪快に笑う太陽の騎士の隣で、黒鎧の騎士は王の汚れた手甲へ、ためらわず口づけする。

「我ら円卓の騎士、あなたのためにならばいつでもこの命を捧げましょう。ですが、我々は、いつまでも、あなたの命の輝きの傍に」
「わぁーってるよ、ランスロット! オレはこの世界に、生きているってことを確かめに来るんだから」

王は、指先でランスロットの頬を弾いて、楽しげに笑う。

いつまでも、死と隣り合わせの冒険を、この王は続けてゆくのだろう。
生き続けていることを、節目の日に確認できればいい。

「生まれてきてくれてありがとう。そして出会えたことが一番の幸せだ」
「Me too.」
















騎士たちとハピバ!
ハピバっぽくないけどwww



2010.06.23


--- ブラウザ・BACKでお戻りください。 ---