まったく何の遊びが流行っているのか理解不能だ。
普段服など着ない連中が揃いも揃って…ソニックやルカリオだけでなく、ロボットやMr.ゲーム&ウォッチまでも…衣服をまとっている。
「誰が始めたんだ」
「カービィとピカチューさ。オレは巻き込まれた。オッサンも着替えるか?」
マスターハンドがなんとかしてくれるぜ、そう続けるソニックはピカチューと同じ黒のスーツ。さっきまでゼルダ姫と遊んでいたところをみると、執事服だろうか。
「着替えてやってもいいが、お前と同じにするのは嫌だな」
「残念だな。おっさんの執事服も見てみたかっ・・・」
「お前も着替えろよ。別のヤツに」
頭上に?マークを浮かべるソニックを連れて更衣スペースに入ると、脳内で望んだ衣服がそこに置かれていた。2着分。
迷わずその片方に袖を通し、ついでにくしゃくしゃだった髪にも櫛を入れる。適当に着崩せば鏡の中には不良執事っぽいものが存在するようになった。
一方のソニックは、置かれた着替えにビクリと怯み、それでも着替えを続けるオレを見て、悔しそうに服を変える。
背中のトゲも邪魔にならないフシギなデザインのメイド服。スカートから覗くひらひらしたレースも、音速で駆ける足を可愛らしく見せている。
「へえ、似合うじゃないか」
そう言うと、薄水色のヘッドセットを握りしめたまま、赤面して動かなくなる。鏡の中の己を直視できないのだ。
屈辱で恥ずかしがっているというよりも、本当に可愛らしくて照れているような。
どういう趣味なんだろう、マスターハンドは。
膝を屈めて、握りつぶされそうなヘッドセットを取ると、ピクピク震える耳の間に飾ってやる。
そして、そのままキスをした。
「…ん、だよっ こんな服着せやがって…ちゃんとした女を相手にすりゃあいいだろ?」
「嫌なら着替えなきゃよかっただろ? それに俺が欲しいのは女じゃない」
さらに頬を染めるソニックを抱きしめると、黒いメイド服のスカートの裾からスニーキングを開始した。
2010.02.24
これから乱闘に向かう、ステージへの道を歩いていると、今乱闘を終えたばかりの連中がこちらへ歩いてくるのが見えた。
そのうちの一人、青い風みたいなアイツが遠くでブンブンと手を振った。
同時に駆けだす。
本気で走ってくるから、小さな点からぐんぐんとその姿が大きくなる。
「スネーク!」
5メートル程手前で勢いよくジャンプした。
オレの顔に向かって悪戯っぽい笑顔と、白い手袋が急接近する。
殴られる!
そう思って身構えるも間に合わない。
目を閉じないように、それでも反射的に狭くなる視界。
ソニックの手は俺の頬を掴み、何か冷たいモノがオレの唇を濡らした。
そして、衝撃らしい衝撃もなく、突風は俺の頭の上をかすめて抜けて行った。
「See you!」
後ろを振り、離れていく風を見送る。
照れよりも、してやられたという苦い思いが満ちてくる。
次は、不意打ちだろうが、必ずアイツを捕まえてやる。
…
参加した大乱闘は、不思議なほど力がみなぎっていた。
2010.03.24
今日はどこまで走ってきたのか、やけに浮かれた顔で俺の隣へ寄ってくる。
わざとタバコを吸って煙をそちらへ流してやるが、最近は風下に立つのも嫌な顔をしない。
やがて聞きもしないのに世界の果てまで行ってきたと喋り出す。
表情の中に、夜に気を失ったときのものが混じっていることに気づき嫉妬した。
ついのべ
2010.02.21
最悪な天気に飛ばない飛行機。
閑散としたリゾートホテルのコテージに荷物を運ぶベルボーイは、かつてと同じ笑顔を俺に向ける。
「チップは?」
差し出された手のひらを掴んで引き寄せると、生意気な唇を塞ぐ。
途端崩れるポーカーフェイス。
「先生、何で今更」
「生徒の時には手が出せなかったんでな」
ついのべ「高校教師とベルボーイ」www ぽさうねさん漫画楽しみにしてる!
2010.03.23
乱闘を終えてシャワールームへ行くと、今日は戦っていないソニックが個室をひとつ占領していた。
「まだいたのか」
声をかけるスネークを充血した目で睨み返すとフラフラと出てゆく。
「スネーク、背中の怪我が治ってないよ」
後から来たルイージが不思議そうな顔をした。
場外乱闘の場合は治らないらしい。
ついのべ
2010.03.23
針を逆立て跳ねる球状物体をガードでしのぎ、着地点を狙って強い蹴りを入れる。
「当たるかよ!」
バネを使って高く飛ぶアイツを同じバネを踏み高所でホールド成功。
そのまま降りた場所には火薬箱がある。
「暴れるな」
「ハッ!一緒に自殺したいって?」
大乱闘中にムカつくその口を深く犯すのは快感だ。
ついのべ
2010.03.24
「起きろ」
呼ぶと薄く目を開ける。
普段元気すぎるヤツがこうグッタリしてるのは不思議な構図だ。
「薬だ」
渋い顔でイヤイヤと首を振る。
予想通りだ。
薬と水を口に含むと、ヤツの乾いた唇に合わせて強引に流し込んだ。
「ゲホッなにすっ…苦い!」
「元気になるじゃないか」
抵抗する熱い身体を抱きしめた。
ついのべ
2010.03.25