日記 log3  全部で4つ!







 久しぶりだな。

 うん、そうだね。キミも元気そうでよかったよ。

 さっきのおまえはどうかしていたのか?

 あれが今のボクなんだよ。前のときより力がなくて、キミを守れなくてゴメン。

 それはお互いさまだ。


・・・・・・・

・・・


「んが!?」
「どうしたチップ!? 寝言か?」
「夢…みた、ヘンなゆめー」

 滝の音に掻き消えてしまいそうな細い声は、お腹がすいてるときか寝ぼけているとき。
 ふわふわ飛んでゆきそうな小さな体を捕まえて、毛深くなってしまった胸の側に抱いてやると、少し悲しそうな声で鳴いた。

「全然わからない…でもとっても懐かしかった」
「記憶が戻ったのか?」
「わからないよ。虹色に輝く大きな鳥がいたよ」
「フェニックス?」

 今日、ダークガイアの力から解放した聖獣に、チョコレートを渡したときのことだろうか。
 ウェントスから買ったチョコレートを一枚取り出して、ひとかけら、ぱきり、と折って渡す。

「不思議なお菓子だな、これは。フェニックスもきっと喜んでるさ」
「幸せな気分になれるんだよね…何かを思い出すような…」

 チョコを口に含むと、とても楽しい夢を見るような目になって、チップは再び眠りに落ちてゆく。
 夢の中でもいい。
 楽しい記憶がチップの中に帰ってきますように。

 峡谷の薄雲に浮かぶ月を眺めながら、ソニックもつかの間の眠りについた。





SWAチュンナン夜
2009.10.24




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wj封神演義パロ ナタタイシがシャドウだったらいいのに妄想



「ワシがおぬしを甦らせてやったというのに、この恩知らずー!」

 関所の上でわめくエッグマンは、シャドウに攻撃されまくってズタボロだ。
 ソニックはニヤリと笑うと、エッグマンをかばうように立っていた位置から少し離れた。

「お前の話はよーくわかったぜ、シャドウ! これからはオレもお前の味方になってやるよ」
「どういう意味だ?」
「さあ、このヒゲオヤジをさっさと殺せばいいじゃないか!」
「ま、待ってください!」

 ハラハラと見守っていたマリアが関所の上へ駆けだしてきた。シャドウに人殺しなんてさせたくないのだ。

「まってくれぇいっ!ソ、ソ、ソニックよ、ワシを助けてくれるんじゃなかったのかー!」
「気が変わったって言ったろ? 逃げてみろよ、エッグマン!」
「ひええええ〜〜っ!」
「さあ、カオススピアを当てちまえ!」

 石垣の上を跳ねまわって逃げるエッグマンに、シャドウは次々と光の矢を放つ。 それを見て、やはり、とソニックは確信した。

「やめて!」

 そう、マリアが叫んでエッグマンの前に飛び出した。
 放った光の矢は止めることができず、シャドウの顔色が変わる。
 パシ!
 ソニックの打神鞭が操る風が、マリアの寸前で光の矢を弾き飛ばした。

「できないんだろ、シャドウ。どんなに嫌っていても、お前にエッグマンは殺せない。一応恩人だしな」
「違う! そんなことはない! ボクは殺せる! そいつがチョコマカ動いて当たらないだけだ!」
「違わない! お前には殺せない!」
「違う! 違う! 違う! 違う! 違う!」
「違わない! 違わない! 違わない! 違わない! 違わない!」

 平行線の怒鳴り合いに、先にシャドウが痺れを切らした。
 光の矢を乱射し、関所の上に次々と叩きこむ。
 が、攻撃の土煙が収まると、そこにはソニックに守られたエッグマンとマリアがいる。

「お前の大切な人は守ってやったぞ、シャドウ。なにしろオレはお前の味方だからな!」
「違う! ボクは・・・!」

 混乱を来たしながら、シャドウは腕のリングを外そうとする。
 その目には涙が浮かんでいるというのに。

「もうやめましょう、シャドウ」
「マ、リア・・・」
「私は、この人を失っても、あなたを失っても悲しいわ」

 空中に満ちていた、ソニックとシャドウの気のうち、片方がぷつりと途切れて消えた。
 知らず、ソニックの頬に冷たい汗が流れ落ちる。

「ボクの、負けだ」




配役に苦情は受け付けぬ!wwww すいません、 最初に二次創作文を書いたのは、WJ封神でした。 太公望×妲己ちゃんwwwww 2009.11.27




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 こんにちは、はじめまして、シャドウ。

 ぼくのまえにあらわれたのは、はじめてみる顔だった。
 その声と特徴、情報をあたまのなかにきざんでゆく。

 どうしたの? わたしはマリアよ。

 どうしたの、と言われた。意味が解らなかった。名前は理解した。
 マリアはぼくのめの高さまでしゃがんで、目をまぶしそうにして、口の端をあげた。

 わらって、シャドウ。おともだちになりましょう。

 笑う? 顔の真似をすればいいのだろうか。
 おともだち、よくわからない。
 マリアは笑った顔のまま、ぼくにちかづきうでをまわしてきた。
 殺意は感じなかった。力の無い弱いにんげんだとわかった。

 私、ずっとおともだちが欲しかったの。あなたに会えて嬉しい。

 ぼくは、マリアに見えないように、笑う顔を真似た。
 あまり上手にはできなかった。



2009.12.14





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シャドマリ。「ココロのそばに」、のちょっとあと。




「お部屋に帰りたいな」

 マリアが言った。くるしい息をしながら、小さく口を尖らせるようにして。
 わがままだとわかっているのだ。
 まだ熱が高くて医療センターから出られない。
 僕は、マリアが大好きな人形や絵本を、彼女の部屋から取ってきては枕元に並べてやる。
 ほんの少しでも、マリアの笑った顔が見たかった。
 けれど、何度目かに、泣きだしてしまった。
 どうしてだか、わからなかった。

「シャドウ、ごめんねシャドウ」

 泣いてはいけない。静かに涙するのとはわけが違う。
 コントロールしきれない呼吸器の動きが彼女の体力をさらに奪う。

「マリアは熱を出しただけだ。僕にあやまることなど何もしていない」

 ゆるゆると首を横に振るマリアは、とうとう声を上げて泣く。
 ベッドサイドにあるコントロールルームからのメッセージでは、まだ鎮静剤の投与は許可されない。
 早く落ちつかせないといけないというのに。
 イライラと焦りながら、マリアの手を強く握ってやることしかできない。

「わたし、あなたにもおじいさまにも、沢山迷惑をかけてる。生きている理由なんて無いわ」

 壊れそうな嗚咽と一緒に吐きだされた言葉。
 生きている理由が無いのなら、死んでしまうのか。
 思考を巡らせる。
 僕が生きている理由。

「僕は、マリアのために作られた。マリアがいなければ僕は生まれてこなかった」

 そう、ある宗教の聖女のように、マリアは僕を生み出してくれたのだ。
 彼女を苦しみから救いたい。
 その願いのために。

「だから、マリア。僕が完成するまで、キミは存在しなくてはならない」

 彼女の存在理由を淡々と告げる。
 涙の色が変わった。僕にはそう見えた。
 ありがとう、と唇が動いた。

「何故、マリアが感謝するのか、僕にはわからない」

 そう言うと、マリアは小さく苦笑した。
 やはり理由はわからなかったけれど、笑ってくれたのが僕には嬉しかった。

 すう、と再び眠りにつくマリア。
 僕はずっとそばにいる。
 次に目覚めるときには、いつもの笑顔を見せてくれることを想いながら。





シャドウのこころが完成したら。
きっとマリアは今もおばあちゃんになって生きていたよねえ。
完全なものなんて、この世のどこにも無いけれど、そんなものはいらないけれど。
不完全だからこそ、補えあえる。
そういうふたりが、大好きなのだ。
2009.12.17






拍手の話はだいたい過去日記のサルベージwww
日付はサイトかミクシかどっちかが初出。


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