箱詰め
「そこをどけ」
「なんでさ」
部屋の真ん中で寝そべるソニックに、シャドウは半キレ状態だ。
手に持っているモノは、ソニックはスナック菓子の袋、シャドウは掃除機。
無関心を続けるソニックの背に、シャドウは最強サイクロンパワーの掃除機をゴウゴウとかける。
「Wait!! ハゲたらどーすんだよ!」
「一向に構わない。いっそ全身剃り上げてやろうか?」
「おまえがロリコン趣味だったとは知らなかったな」
ソニックは菓子袋を持って逃げるが、袋口からボロボロと屑がこぼれ落ちて、シャドウも掃除機でそれを追う。
奇妙な追跡が続き、菓子袋がカラッポになると、ソニックは窓際のデスクの上へよじのぼって逃げる。
積み上がった本の隙間へ入れば、そこは安全圏だからだ。
「へへっ ついでにココも片付けたらどうだ?」
「そうしよう」
「えーっ!?」
シャドウは部屋の隅に畳んであったダンボール箱を広げ、本の山を丁寧に仕舞ってゆく。
そうしてソニックの周りにあった壁はあっという間に消えてなくなり、残ったのは小さく座った頼りなさげな青いハリネズミだけ。
シャドウはもう一つ、小さなダンボール箱を組み立てて、ソニックを抱き上げる。
「しばらく入っていろ」
背中から箱の中に落とし、ビックリした顔を堪能してから、シャドウはその蓋を閉じた。
部屋中に掃除機をかけ、家具を布拭きし、箱に入れた本を棚に仕舞う。
静かに、一言も発せず、ことりとも動かない最後の箱。
眠ってしまったのかもしれない。
そっと蓋を開くと、入れたときとまったく体勢を変えていない、外の明るさに驚いた顔があった。
「きついんだけど」
訴えるソニックの瞳は楽しそうだった。
シャドウは抱えた箱を抱きしめる。
このまま、ひとり占めにできたらいいのに、そう思ってしまうから。
おわる
ソニッククロニクルのTシャツプレゼント当たったー!
な、小話でしたww
箱詰めソニックさんの絵が可愛かったのよ!
2009.09.22
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