疲れ切った顔で眠るソニックに、そっと唇で触れる。
breath
「シャドウに会いたくなったから、来た」
いつだって昼夜関係なく訪れては、ただ無駄話をして別れたり、激しく躯を繋げたりするが、今日のようにキスひとつだけでひとり満足して眠るソニックというのは初めてだった。
何があったのかは知らない。尋ねようとも思わない。
ただ、どこか傷ついてるのはわかる。
力強く脈打つ胸の、その勢いはどこか大きな傷を負って洩れてしまっている。そんな気がする。
心臓の上に、キスを落とす。温かで熱い流れをたどり舐めて、首筋へ。脈が速くなった。眠りは浅かったのだ。
「…んん、…シャドウ? どーした?」
浮上するソニックの意識を捕らえて、頬と目元にもキスをする。吐息と、ソニックの身体から洩れ落ちる生命をも捕らえたくて、唇を吸った。
割って入れば、乾ききって苦い。中も丁寧に舐めるとシャドウの口内と同じ味で満ちてくる。
ソニックの指がシャドウの肩に触れる。拒絶でもなく、引き寄せるでもない。
「やけに positive じゃないか。…するのか?」
「欲しい」
「OK でも、オレが先に」
ソニックが流れる動きでシャドウを組み敷いた。足の間に手を伸ばし、緩く勃ち上がるそれを口内に包む。
それも、いつもソニックがやっていること。だが、やっぱり今夜はどこか違う。舌の動きが鈍く、時折歯も当たる。いつも通りを装っているけれど、見上げる瞳は潤んでしずくがこぼれそうだ。
シャドウの胸が酷く痛んで、慌ててソニックの口から自身のものを引き抜いた。途端、溢れる白濁。それをシャドウは指ですくって、後ろ向きの四つ這いにさせたソニックの秘部へねじ込んでゆく。
「ぅあ、…はっ、シャドゥ…シャ…あ、やさしく、し…」
「気に留めておくことができればそうする」
前立腺の裏側に触れ、かすれた悲鳴を上げさせる。
が、ソニックの足の間にあるものは、硬さも大きさも育ち切っていない。感じていないというわけでもない。指を締め付ける個所は柔らかく熱く奥へ奥へと誘ってくる。
状況にシャドウが耐えきれない。
指を引き抜き、ソニックを仰向けにひっくり返して、自身をあてがうとぐずぐずと中へ押し入ってゆく。
「ゆ、っくり、挿れろぉ!」
「キミの中は、そんな風に言ってない」
「あ…、ぃあああっ!! Wait!! 慣らして、から…、動けっ、つああ!!!」
文句を言いながらも、ソニックの手がシャドウの肘あたりを強く掴んで離さない。
触れてもいないのに、小さな突起が主張しているソニックの胸をまさぐれば、全身を震わせて嬌声を上げる。
シャドウから溢れる想いでソニックの中が緩み、次第に激しく責め立ててゆく。
聞こえる音はシャドウの鼓動と、意味をなさないソニックの叫び声。
熱い塊が生まれ、シャドウの神経を焼き、電流の様にソニックの感覚も焼き切ってゆく。
躯の奥に快楽を流しこんだとき、ソニックの指がシャドウの背のトゲを逆さに撫でた。
シャドウの耳を浸食していた鼓動が消えると、ソニックの喘ぐ息を2,3度軽くついばんだ。
ぐったりとベッドに沈んだ身体から、最後の瞬間に傷ついたかもしれないソニックの手をそっと取る。
「大丈夫、か?」
「大丈夫、じゃないだろ、バカ! やさしくしろって言ったのに!」
荒い呼吸から僅かずつ復帰する。きつくシャドウを睨みつける瞳は酷く扇情的だ。
そして、さっきまでの妙に痛々しい雰囲気が薄れて消えてゆく。
「次に、痛くしたら絶対殴る! 最中でも殴る!」
「それは、もう一度、という意味か」
「…わかってんなら、キスしろよ」
誘ったのはソニックだったが、シャドウが与えたキスは激しく身を喰らうほどで、次もやさしくするなんて約束はできなかった。
おわる
なんか、ホント、いろいろダメでごめんなさい
2009.08.05
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