一生懸命おしゃれしたの。

 髪はいつもの針の髪だけど、何度も何度もブラシッシングして、ほら、小さな風にもふわふわ揺れるでしょ?
 服もいつもの赤いワンピースだけど、苦手なアイロンを頑張って、生地が滑らかに光ってるの、わかる?
 緊張して眠れないのも、大きな敵だったわ。
 昨夜はお気に入りのバスオイルを入れたお風呂でゆったりリラックスして、バラのサシェを抱いて眠ったの。

 だから、ほら、
 今朝のコンディションばっちり。

 今日はソニックの誕生日!




+ + + サプライズ + + +



 ステーションスクエアのあちこちで、声が上がってる。

 お誕生日おめでとう、ソニック!
 おめでとう!
 おめでとう!

 その全てに「thanks!」と答えて走る、愛しい風。

「ソニックー!」

 大声で呼ぶと、通りの向こう側にドリフトカーブで巻きあがる白煙。一瞬後には私の前でニッコリ笑ってる。

「Hey, Amy!」
「ハッピーバースデー、ソニック!」
「Thank you! みんな憶えてるモンだなあ。オレ、昨日テイルスに言われるまで忘れてたぜ?」
「思い出してくれてよかった!パーティの準備が台無しになっちゃうところだったわ」

 大きな声で、ふたりで笑って。
 そしたら、また追い風が吹くように、ソニックの誕生日を祝う声が聞こえてくる。

「じゃ、またひとっ走りしてくる。パーティまでには戻るからさ」
「あっ!……ええと、あのね、ソニック」

 いつもみたいに、いつもの言葉を告げようとして、ドキドキしちゃった。
 だって、今日はソニックの誕生日。
 いつもの言葉も、ちょっとトクベツ。

 言い辛そうなわたしに、不思議そうに首をかしげて、ちょっとだけ近くなったソニックの耳。
 背伸びをして唇を寄せて、小さな声で。

「ダイスキ」

 そう言ったら、ソニックはぱっと顔を反対に向けて、全速力で走って行っちゃった。
 一瞬だったけど、頬が真っ赤になってたの、見ちゃった。

 ソニックが巻き起こした後風に、桃色の髪と赤いワンピースが翻って、バラの香りがふわんと舞った。
 何故だかわからないけど、きっと、わたしの頬も赤くなってる。



 もしかして、サプライズプレゼントになったのかしら?







おわりw





ソニックさん、女子力にドッキリの巻〜www
エミーさんはまだお化粧しませんよ?
人生の先輩・ルージュ姐さんにメイクのやり方を聞いて笑われたらいい。
「まだ早いわよ、お嬢ちゃん」ってw
だからエミーはソニックにローズピンクの口紅貰うのがユメ〜〜ならいいね♪

2009.06.23


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