傷口
まだ呼吸が整わない。
一日くらいは安静に。
ソニックはテイルスに、シャドウはエッグマンにそう言われていたが、出会ってしまえばそんな注意はどうでもよくなってしまう。
「シーツ、酷いことになってるな。お前の処女を頂いちまったみたいだぜ」
「逆だろう?・・・薬は?」
「嫌い」
フン、と鼻で笑ってから、シャドウは自分の薬を飲む。
痛み止めと抗生剤。
最低限の、傷口を塞いだだけの治療だったのは、シャドウの再生能力の高さを見込んでだったけれど、こう動いてしまってはあまり意味がなさそうだ。
「銃創とはねぇ。腹に穴が開いた気分はどーだった?」
「胸よりはマシだ」
「…言うね」
怪我の理由を、ソニックは問わない。傷口に触れ、その指を舐めたときには怒りの感情があったようだが、それもすぐに霧散した。
シャドウもソニックの傷の理由を問わない。肩口にある切創はかなり大きい。最初の治療がずさんだったのか、酷く化膿していたのだろう。テイルスの再治療で改めて深くえぐられていた。
白いシーツの上には、二人分の快楽と、二人分の血の滴で、淫靡な絵画ができている。
「あつい。シャドウが冷たくてきもちいー」
「熱が高いぞ。まとわりつく前に、キミも薬を飲んだらどうだ」
「感覚が鈍るから厭なんだよ。シャドウは薬が効いてるなら、少々痛くても平気だな」
悪戯な緑の瞳が、薄靄のかかった赤の瞳とカチリと合った。これがスタートの合図。
身体を寄せて、口づけて。
シャドウがまどろみに落ちるのを、ソニックは許さない。解けて落ちた包帯を拾って、シャドウの腕に巻きつけ自由を奪う。
先程の行為と汗と血で汚れたシャドウを丁寧に舐めてやると、嬌声を堪えながらも中心はしっかり充血してくる。陥落するまいと震えるシャドウの様子は、ソニックの征服欲を心地よく満たす。
「こんなに感じてたら、痛み止めに意味があるのかギモンだよなあ」
「くっ…黙……ぃあああっ!!」
「わりィな。オレも限界でさ」
慣らしもしないで突き入れられるソニックのそれは、いつもよりずっと熱く。
シャドウは傷ついた腹部の痛みも合わせて悲鳴を上げた。が、それもすぐに鈍くなり、揺さぶられるままに、ソニックと同じ熱さの吐息を漏らす。
「ひでー、血の匂い、だな!」
「は、あ、…ソ、ソニック、…出血が」
ソニックが腕を振ると、肩口から伝い落ちる血がパッと散る。けれど、痛みもお構いなしに快楽を追うのは、二人とも同じ。
速度も呼吸も上げて限界点から落ちる瞬間、シャドウは括られたままの腕で、ソニックの傷口を掴んだ。
おわりっちゃーおわり。
その後は、ソニックも無理矢理薬を飲まされて、立場逆転の行為が続きましたとさ。
シーツは捨てました。笑
2009.04.23
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