Today's letter is...



 むせかえるほどの緑の匂いが微風に揺れる。
 モンシロチョウがチラチラ飛んで、高い空から聞こえるヒバリの声。

「ソニックさん、お昼寝デスか?」

 かさり、シロツメクサの花冠が、うつ伏せに転がった頭の上に乗っかった。
 それを落とさないように、身を起こす。

「hey, Cream. 眠ってないよ。お話ししてたんだ」
「おはなし、デスか?でも、ワタシとチーズの他には誰もいませんヨ?」

 小さく首をかしげるウサギの子に、ちょうど寝そべっていた辺りにあったクローバーの葉をちぎって渡す。

「4ツ葉デス!いっぱいあります…不思議デス!」
「だろ?地面の下にいるオレの友達が、ちっちゃな奇跡をくれたんだぜ」
「地面の下…デスか?ソニックさんはそのおともだちとおはなししてたんですネ」

 にっこり笑ったクリームが、また花冠を作りだす。シロツメクサに4ツ葉のクローバーを織り交ぜた、美しい冠を。
 その隣で、オレももうひとつ、花冠を作る。クリームの冠に比べたら不格好だけど、まあ、いいだろう。

「ソニックさんは、誰にあげる花冠を作ってるんデスか?」
「もう一人、地面の下にいるんだ。大事なヤツが、ね」

 クリームが幸せそうに笑ってくれる。
 何も言わなくても、この子には伝わってしまうんだ。

「お前もクリームに会えたらよかったなあ、ウェアホッグ」
「きっと会えマス!いつかきっと」

 幸福の葉の中に二つの花冠を並べて置いた。

 見える景色、聞こえる風音、踏みしめる大地。
 そのすべてが、オレが彼らへ送る手紙。






おわり。






ウェアホッグは、ソニックの中に確かにいる、確かにある力だから、またいつか解放されたらいいのになあ。


2009.04.07


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