※
ランスロット:シャドウ
パーシヴァル:ブレイズ
ガウェイン:ナックルズ
ニミュエ:エミー
ここまでは序盤
「参ったな…待ってくれよ」
3人の高名な騎士にかしずかれ、思わず1,2歩下がってしまう。
湖の貴婦人ニミュエだけは自分と同じ高さにいて、可笑しそうにクスクス笑う。
「この世界を統べる者はあなたです。お好きになさって構いません」
好きにしろと言われても、こう、似たヤツらばかりを自分より下に見ることなんて、決まりが悪すぎる。
長い溜息をついて、視線をマリーナに転じる。この世界の未来を憂いた魔術師はしおれた花を胸に抱いたまま、 改めて深く首を垂れる。
その様子を見て、腹が決まる。
「みんな、立つんだ。立ってくれ」
ガウェインとパーシヴァルはぴくりと動揺の気配を表しつつ、まだ姿勢を変えようとしない。
「真のアーサー王ソニック…。これまでの数々無礼があり、またさらにそれを重ねることなどできませぬ」
「無礼なんかないだろ。オレだって今まで知らなかったんだからさ」
「たわけが。お前のような未熟者に王の資格があるなど、このカリバーン様でも信じ難いわ」
「言うねえ。決戦前にポッキリ折れたヤツが」
カリバーンと軽口をたたき合う。
姿勢を変えないランスロットとは対照的に、ガウェインが笑いをこらえきれなくなって顔を上げた。
「ソニックに王の資格があることは認めてもいーだろ。まあ、騎士としちゃあまだまだっぽいけどな」
「結構強くなっただろ?どーしてまだまだなんだよ」
「経験じゃねーの?いくらなんでも足りなさすぎる」
ガウェインに手を差し伸べると、大きくて強い力で握り返される。引っ張り上げて並び立つ。
釣られるように、パーシヴァルも戸惑う顔を上げた。
「騎士の経験なんて全然ないんだぜ。お前ら円卓の騎士が認めてくれりゃー早いだろ?」
「いや、騎士として立つ為には、ただ力があることよりも、多く国の民に慕われることの方が重要だ。確かにソニック殿には支持を得るような暇もなかった」
「要するに、人気ものになればいいってコトか」
「たわけっ!そう簡単にできることではないわ!」
「左様、カリバーン殿。それならば、我等がソニック殿にお教えすることができよう」
パーシヴァルに手を差し伸べる。その細腕には剣だけではなく、国を支える力もあるというのに、大して力を 入れるでもなく軽く浮き上がる身のこなしに、改めて驚く。
そして、いまひとり。
「ランスロット」
呼びかけてもまだ膝をついたまま。以前、決闘をしたときとは違う、屈辱などではなく、心から忠誠と礼の型を表している。
「ランスロット」
同じように膝をつき、手を取る。さらに下から覗きこむと、やっと赤い瞳を見るができた。
「解かるんだよ。真実の心から相手に敬意を表すときには、自然に頭が下がるんだ。マリーナがそうだろう?だからオレはマリーナを許せる。お前もそうだ」
「ソニック…」
「この国を建て直さなきゃいけないんだろ?オレだけでそんなことできるもんか。ランスロット、お前の力を貸してくれ」
「僕の、力を?」
二人で手を取り合ったまま立ち上がる。
まっすぐの視線は外れない。けれど、頑なさは消えた。
背恰好や力もほぼ同等。だけど、今回はずいぶんこいつに世話になりそうな予感がする。
ニミュエが楽しげに手を打って微笑む。
「新たな円卓の騎士団ですね」
「そーゆーこった。あ、マリーナ!ちょっと頼みがあるんだけどさ」
突然呼ばれて、マリーナは弾かれたように立ちあがり、初めて会った時のような宮廷魔術師の顔で礼をする。
「はい。…元の世界へ戻られるのですね」
「ちょっとだけな。用事が終わったらまたコッチに呼んでくれたらいいからさ」
「ソニック様をお呼びした時間より、わずかに時計が進んでしまいますが、おゆるしください」
「時計が進む?って…どれくらい?」
「[プレイヤーのED到達までの総プレイ時間]くらいです」
「ってゆーことは…オレ、すげー遅刻してんじゃ…」
マリーナが尖った杖の先を地に打ち付けると、足もとに青白い魔法陣が浮き上がる。
召喚呪文が唱えられる後ろで、ニミュエがひらひらと手を振った。
「元の世界へ戻られたソニック様のご様子は、水鏡の魔法で見せていただきますね♪」
「WAOoo!!! ちょ、待ってニミュエェェェ!!!」
手を伸ばそうとした瞬間、魔法陣の形に地面が消失した。
おわり。
真EDのしっとり優しいお歌の後ろでこんな感じだったらいーなー♪
みたいなお話でした。
暗黒の騎士はここから先が本番ですね。
ああもう、どエスなゲームだぜえっ!涙
ところで、あなたは何時間エミーを待たせましたか?
私は6時間半ほど待たせました。笑
2009.03.23
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