チョコチョコチップ



 サバンナに日が落ちる。
 砂漠の国に生い茂る樹木の奇跡。軽くジャンプして、その頂で乾いた風を受ける。

「冷えてきた、かな」
「ふしぎだよねえ。太陽が出てる間は地面が焼けちゃうくらいだったのに、夜の砂の上は氷みたい」

 カリ、ポリ、甘い匂い。チョコも今なら食べごろ。
 暑い昼間には食べられなかったおやつを幸せそうにほおばっているチップ。

「なあチップ、お前は暑いのとか寒いのとか、平気なのか?」
「んー、平気」
「昼も夜もちょうどいい気温のスパゴニアとか、暑いばっかりのアダバタとか、ホロスカなんかずっと寒いだろ?」
「そうだね。面白いよね」

 くるくる飛び回る。ニコニコ笑って頬っぺたを抑えてるのは、きっとおいしい食べ物を想ってるに違いない。

「この世界って、暑いところも寒いところも、いっぱいあるんだね。ソニックと一緒にいろんな場所に行くと、この星全部が楽しい場所だと思うよ」
「そっか。それならいーけどさ」
「ソニックは?ソニックは平気なの?」

 答えようとした瞬間、マズーリの太陽が最後の光が落とした。体中に闇の力が満ちる。
 横枝がミシリと音を立てたので、幹に腕を回して掴まった。

「俺は世界中の冒険ができれば、暑くても寒くても関係ないな」
「ボクも世界中のおいしいものが食べられたら、どんな場所でも平気だよ!ねえ、次はどこへ行くの、ソニック?」
「次は何を食べたいんだ、チップ?」

 笑いながら、チップは世界丸ごと食べちゃいそうだよな、なんて考えた。






おわり。






食いしん坊かわいい!チップかわいー♪


2008.12.22


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