どうして離れていっちゃうんですか?
嫌です。
嫌です。

「・・・ちゃん、・・・セランちゃん」
「? ・・チビ」

小さな焚き火の周りで、みんな静かに眠ってる。

「怖い夢みたのか?セランちゃん」
「こわい、ゆめ?あ、寝言言ってた?」
「寝ながら泣いてた」

慌てて目の周りを拭うと、頬までびしょびしょだった。
チビキングの黒い目が気遣ってくれてる。

「悲しかったんです」
「またアイツのコトかよ?こんなにセランちゃんのこと傷つけてさ・・・」
「わたし、大嫌いって言っちゃった」
「それくらい言ってやってもいいよ」

チビキングはわたしの代わりに怒ってる。
こんなに優しくしてくれるのに、わたしはソーマさまのことを忘れられない。

「なぁ、どうしてアイツはセランちゃんをさらったんだと思う?」
「わたしが小さくて、飛んで逃げるのも遅いから捕まえやすかった」
「それから?」
「わたし、ソーマさまのこと信じてた」
「そうなんだよなぁ。ソーマはセランちゃんの気持ちを利用したんだ」

ぷいっとチビは照れたように横を向いてしまった。

「アイツ、セランちゃんの気持ちをちゃんと知ってるワケだ」

どうしよう。
大好き。
ソーマさま、大好き!

「信じてやっていいんじゃない?オレはアイツきらいだけど」
「ありがとう、チビキングも大好きです」




19.大好き!




31話後。ソーマさまのお話、直接書いてないけれど、間接的にいっぱいいっぱい。
それはわたしがいっぱいいっぱいだからです。ダメーソーマさま大好きすぎー

2006.04.08


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