「ぼくにも友達はいなかったんだ」

森のバッタやテントウムシが友達だったんだ。
とうさんが旅立って、かあさんとふたりだけになって、森や虫たちがいたから淋しくなかったけど、でもやっぱり少し淋しかった。

「一緒だよね?」
「おまえは森の民がいないから友達がいなかった。俺は傍に誰かがいても友達にはなれなかった」
「うん、でも似てるよね?」
「おまえは、傍に誰かがいれば友達ができたんじゃないのか」

そうかな?
やっぱりぼくとソーマは違うのかな?
ひとりになってしまった、ってことをぼくたちはわかりあえないのかな。

「…すまない。言い過ぎた」
「ううん、気にしてないよ」
「おまえの家族がなぜ森の民の村に住まなかったのか、少しだけわかる」

…考えたこともなかった。
それは、証の力のせい?

「俺もおまえも、異端だ」
「じゃあ一緒だよね?もっと友達になれるよね?」
「ちょっとだけだって言っただろ!?」

なんでそこで怒るんだろう?
あ、そうだ。この間ビビたちがこっそりこんなこと言ってたっけ。

「ソーマってツンデレだよね?」
「…どこで憶えた?そんな言葉…」



13.ともだち



最後の2行がやりたかったのだ。(笑)

2006.04.02


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