「セランには心が見えるのか?」
「開いてるときには見えます。ソーマさまの心はあたたかいです」

肩にとまってる私が夜風に当たらないように、そっと体の向きを変えてくれたでしょう?
座りなおすふりをして、私をコートの中に入れてくれたでしょう?

「あたたかくなんかないよ」
「いいえ、優しい心はあたたかいんです」
「優しくなんかないよ」
「セランが言うから間違いないんですっ!」

ごめんなさい。
本当は、少しだけソーマさまがわかりません。
あたたかな光に触れようとしても、薄く透明な、硬い殻が私の手を拒むのです。

「俺がウソをついていても」

気付かないふりをしました。
恐かったから。
ソーマさまがいなくなってしまいそうで恐かったから。

気付いて欲しいと私に心を開いてくださったのに。



11.心



ちっちゃいセランちゃん大好きだ!!。

2006.03.31


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