「団長!オレのお手玉爆弾、巧くなりましたよね!」
「なにを抜かすか?ビビのお手玉なんぞ、飛んでくコースがミエミエじゃ!」

気合一発!
3色のかたまりを打ち返してやると、4発目が飛んでくる。
それもお見通し。ビビの顔面に飛ばすと、短い悲鳴が聞こえた。

「修行が足らんわ!」

笑いながらも、彼らの成長と自身の衰えを感じる。

ビビ、バビ、ブー、プー、デー。
何故、記憶を奪ってまで。

ここに来るものたちは、最初は笑顔まで忘れている。
忘れているのはそれぞれの生活だけで、性格まで消されているわけではないのに。

「サーカス団は森の民を笑わせるのが仕事だ。失敗するときも元気良く!じゃぞ」
「へーい」

ビビは今、笑っている。
それは真実の笑顔か?

船よ、わしは疲れたぞ。
そろそろ終わりにしようではないか。



10.記憶



ビッグ団長。パムの為に存在する彼らの育ての親。
アダーと同じく、船の意味を知る人、のハズだよね?
彼はアダーと一緒に行ったのかしら。それともプーとデーと一緒に残ったのかしら。

2006.03.30


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