嫌な感じがした。

不思議だった。

涙を知った。

笑うことを知った。


「パムはよく笑うようになった」

ビビが笑う。バビが笑う。ブーが笑う。
プーとデーが光になっても、彼らが笑わなかったのはひとときだった。

仲間を失くすことは悲しいこと、悲しいことは辛いこと。
私は知ってる。
だから、よくわからない。

「どうして、笑うの」
「どうしてって、楽しいからだよ」
「わからない」
「えー?さっきボクがチビキングに躓いて転んで、ブーがボクに躓いて転んで、押しつぶされちゃったのを見てパムが笑ったんでしょ?」

ハプニング。
いつものサーカスではあまりないことだから。
ポポがいるだけで、みんな調子が狂ってしまう。
けれど、これは楽しいこと?

「俺たちよりも、サーカスに向いてる、ポポ」
「そぉね。ほんの一瞬でも笑わせちまうなんてね」
「笑って怒って泣いて。忙しくって調子がいいや」
「ひどいなぁ、みんな」

よくわからない。
首を傾げると、みんなが声を上げて笑った。




02.サーカス



最初の方のパム。

2006.03.22


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