「事情聴取」3
艦内制御はトノムラに任せて、CICで策敵管制をしながら単刀直入に話を切り出して。
「…やっぱり知らなかったか」
キラのコクピット泊り込みを伝えると、トールとミリアリアは互いに顔を見合わせて渋い表情を作る。
「アルスター事務次官が亡くなった時、お嬢さんに付いてたのは…」
「サイ、サイ・アーガイルです」
俯き加減でトールが答える。
「そーだよなぁ?仲よさげだったのに…って、オマエさんたちも気にしてるんだよな。ごめん」
さらっと謝ると、二人は視線を通わせて苦笑う。
仲いいなぁ。ちょっと羨ま…いやいや。
「本当に、ここ最近になって…地上に降りてからどんどん変になっちゃってて…」
「僕たちも…キラと話すのがちょっと気まずくて…。そんなことになってたなんて知らなかったのは、友達として失格ですね」
落ち込む2人の肩をパスパスと叩いて。
「気にするなって。いろんなことがあったんだから…仕方無いさ」
最近のキラの戦い方には鬼気迫るモノがある。
友達を守るためだったのが、彼女を守るため…に変わっていたとはねぇ。
結果は良く出ているが、その内容はちょっとなぁ。
ま、干渉するなんてことはしないが。煙たがられそうだし。
「私たち、キラともフレイとも、サイとも、仲良くしていけたらいいのに…って思ってたんです。
それって…傲慢なんでしょうか?」
「…いい友達だな。そういう気持ちが大切なんだろ?人間なんて傲慢なものなんだ。
だから、諍いが起こる。仲良くだってできる」
「…そうですね」
トールとミリアリアは、ようやく笑顔を見せてくれる。
「さてと。じゃあ、ボーズの方は俺が軽ーくフォローしておくから。交代時間までCIC頼むな」
「はーい!」
2人の返事が重なる。ホントー、仲いいよなぁ〜。
まだ0650だが、早めに話した方がいいだろう。
艦長席からCALL。
『・・・はい。ラミアスです。ブリッジで何か?』
「フラガだ。朝早くから申し訳ない。ちょっと相談があるんで、・・・」
さすがに朝っぱらから艦長室へは行けないだろう。そりゃマズい…という自覚くらいはある。
「ええと、そうだな、格納庫へ来て欲しい」
『…了解しました』
2003/03/29 UP
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