再会の前の再会4


外はもう明るく、早朝の空が迫っていた。

鉱山の外側にあるジオゲートからエヴァン達7人が姿を現すと、集まった人々から拍手と歓声が上がる。
坑道の入り口は落盤どころではなく、土砂崩れのようになっていた。
全員が生きて出てきたのが奇跡のようだろう。
エヴァンが鉱山主や鉱夫たちの謝辞を受けているうちに、ブランドルたち軍人はまた忙しく動き始めている。クロイツは女の子を連れ、親のもとへ連れて行ったようだ。

しばらくして。
鉱夫や町人たちもそれぞれの場所へ去って行き、ひとり取り残されぼんやりしているエヴァンのもとへ、ブランドルがやってきた。
「今日は、悪かったな。突然引っ張り出して」
「…へぇ。ブランドルの口からそーゆー言葉が出てくるとは思わなかったなぁ」
正直な感想を漏らしてしまい、ムっとするブランドルの顔を見て笑いが込み上げてくる。
「うるせぇな。ま、ノーチス軍の仕事も終わったことだし…」
「終わったって?あの土砂崩れをそのままにして、帰るってのか?」
「…あのな。これ以上オレ達がここにいても仕方が無い。軍隊しかできないことはもう終わったんだ。あとはオレ達じゃなくてもいい。ここは鉱山の町で、鉱夫たちの仕事がソレだ。だから軍隊は帰る」
ふーん、そんなモンかねぇ〜とか考えていると、今度はキャロを抱いた女の子が息せき切って走りよってくる。
「おにいちゃん、地導師のおにいちゃん!」
「よぉっ!無事に帰れてよかったなぁ〜」
「あのね、キャロ、飼ってもいいって!あの、エライ人が頼んでくれて、お母さんがいいって言ってくれたの!」
「ふーん。…大切に飼えよ」
「うん!地導師のおにいちゃんも、おっきいおじ…おにいさんも、ありがとう!」
そう言うと、女の子は手を振って去ってゆく。
「ほぉ。少佐がそういう事までするとはな」
感心してつぶやくブランドルに、思い出したようにエヴァンが食って掛かる。
「少佐って、クロイツのことか!?じゃなくて、オマエわざとおれを巻き込んだだろう!?」
「なんのことだか〜。ま、終わりよければ全てよし!…だろ?」
「…だろって…ま、いいか」
誤魔化されたのは解っているが、今回はそれで許そう。

「お、そうだ。仕事も終わったついでに休暇も貰ってきたんだが。エヴァン、ロッカの夏祭りに行くんだろう?オレも連れてってくれ」
「いけねっ忘れてた!連れて行くのはいいけど。ちょっと家で仮眠させてくれ…」
「了解。いいねぇ、地導師!移動は一瞬だぜぇ〜」
「…オマエだけ、途中で置いてってやる」
ブランドルのガハハ笑いがとどろく中、夏至の朝日がエピネの山肌を赤く染め始めた。


その後。
エヴァンの家で、一時の休息を…のつもりが、二人は当然泥のように爆睡してしまい、ロッカの村祭りへは思いっきり遅れて行くことになりましたトサ。



2002.05.16





「こんなのクロイツじゃないっ!」<自分ツッコミ。
いいじゃんっ!私ってば夢見がちだから〜♪クロイツ様、激しくラヴ!!(またかよ…)
エヴァンが持って行ったマナエッグは、クラスター(ズンガ・メテオストライク)フェアリー(ムーニャ)かな?魔法使わせたかったのよん。魔法剣士でしょ、エヴァンは。(ゲーム中、斬りまくっててほとんど魔法使ってないのに?(苦笑))
直情ブランドル様もダイスキ!キューピットさんっエヘ!
んで。当たり前ですが、話に出てくる地名や細かい設定は当方でテキトーに考えたモノです。
ゲームと違う〜!等のツッコミはイヤンですわよん♪


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