日常風景


「ねえ、エヴァンは折り紙で何か作れる?」
食事の後、聞いてくるティト。
「昔はなー。今でも折れるかなぁ?」
「何か作ってみてよ!」
うーん、と唸りながらもエヴァンは器用に四角い紙を折ってゆく。
「もう1枚くれ」
「え?2枚使うの!?」
「へっへー!」
別の紙をまた別の形に折って、前に作ったもののくぼみにはめ込む。
「ほーら!ハニワ鳥!!」
足側の突起を引っ張ると、ご丁寧に翼が動く。
「わぁ!すごい!他には何が折れるの!?」
「他はティトがさっき作ってたビックフットとか、そんなもんだよ。やっぱ飛ぶヤツのがカッコイイじゃん!」
そんな二人の会話を聞きつけたのか、ヒマなヤツらが寄って来る。
「ふーん、ノーチスでは紙を折ってカタチを作る遊びがあるのか」と、ルティナ。
「懐かしいわねー。でも男の子はそんなのばっかり折るわね」と、カーマイン。
「じゃあ、女の子は何を作るんだ?」
「普通、もっと優しげな動物とか、花とか…。でも私もビックフットは折れるわよ」
嬉しそうにティトがはしゃぐ。
「じゃあ、折ってみて!ルティナもやってみない?」
「え?あたしも!?」
戸惑ってるルティナにも容赦なく折り紙が手渡される。
「大丈夫だよ、ちゃんと教えてやるって」
「そうそう、そんなに難しいもんじゃないわ」
「でもジェイドは折れなかったけどね」
最後にティトがなにげなく放った一言が、ルティナにプレッシャーをかける…。

「ここをこう折ってー」
「こうか?」
「そうそう、あ、もうちょっと広めに…あれ?」

「こっちに折り目をつけておいたほうが後でラクよー」
「こ、こうか?」
「うーん…。もうちょっとキッと折った方が…あら?」

「アタマの部分はここをこう折ってー」
「これでいいのか?」
「…それじゃあ…ヒバゴンだよ」


出来上がったのは、上手なビックフットが3体。努力の跡が見られるヒバゴンが1体。
エヴァンとカーマインの共通した感想は。
「アルカダ人って、みんな器用かと思ってたけど、そうでもなかった」
だった…。



オワリ。

2002.07.20






うおー。ベリーショート!(笑)
突発ネタです。


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