↓2002・クリスマスScrap Cafe : 夕飛さんトコから奪取!した絵。
ミャムちゃん激プリッ!!

と。 同時期にindexから公開してたクリスマス話です。









Santa Claus


「サンタクロースなんて嘘っぱちだよ!にいちゃん、そんなの信じてるの?」

道具屋の子のいつものヤンチャな口調にエヴァンは小さくため息ひとつ。

「あのなぁ。おまえ時々子供らしくないよな」
「コドモとかそんなのじゃないだろ?ホントはいないのになんでいるなんてウソつくんだよ?」
「いるんだよ。サンタクロースはホントにいるの!」
「ウソだ!」
「ウソじゃねぇって」

言いながら、何年か前に父親と同じような言葉を交わしたことを思い出す。
少しの寂しさを伴った、暖かい思い出。

「じゃあ、どこにいるんだよ?」
「ここに」

目の前に立つ、少年の胸を指差して。

「やっぱりウソだよ。こんなオレの胸の中にサンタクロースなんていない」
「見えないものはいないのか?」
「え?」
「信じる心って見えないよな。目に見えるものだけしか信じられないか?
 頭の中で考えてることや心が感じることは誰にも見えないけど、それは全部ウソか?
 ・・・違うだろう?
 人を思い遣ったり、好きになったりする気持ちは誰にも見えないけど、それは確かに存在するんだ。
 サンタクロースも同じなんだ」

もう一度、男の子の胸を指差して。

「…見えなくてもここにいる…ってこと?」

小さな声で問う少年に笑って答えてやる。

「そうさ。おまえの中にサンタクロースを信じる心がある限り、必ずそこにいるんだよ」
「…わかったよ。じゃあ、信じてやる!」

悪戯っぽく笑う子供の頭を小さく小突いて。

「でもさ、もうちょっとイイ子にしてないと、プレゼントじゃなくて石炭が来るぞ〜!」
「うるさい!にいちゃんにだって石炭だ!」

笑って小突きあう悪ガキ二人。


サンタクロースは本当にいるんだって話。




おわり。

2002.12.15






参考文書アリ。
"Yes, Virginia, there is a Santa Claus"




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