047.
大ピンチ


「いっくぞぉおお!うおりゃぁああああ!」

ムウの乗ったストライクが間合いを詰めて下段からビームサーベル…と思いきや、シールドをフリーダムに叩きつける。
キラが予測していたよりもずっと素早い動きを見せるストライク。しかも、模擬戦とはいえ、キラよりもムウの方が迷いの無い戦い方ができる。初めてのMSコクピットだとは思えない。
衝撃を堪えて、キラのフリーダムもビームサーベルを抜く。ストライクの攻撃を上方に避け、降りる勢いでサーベルをストライクのシールドに叩きつけた。
が、衝撃が伝わってこない。寸でのところで後方に避けられる。

「どーしたキラっ!打ち込み弱いぞ!」
「弱くなんかっ!くそっ!」

体勢を立て直して、前を見たときにはストライクの姿が無い。

「ほれっ!」
「うわっ!」

後ろから蹴られた。
くそっ!それは僕の十八番なのに!
言おうとして、そんな場合じゃない。このままじゃ…!

「てやーっ!」

ガツンと後ろ向きに乗られて、足部をギューギュー引っ張られてしまう。

「さ、さそり固め!?い、痛くは無いけど、見た目が痛いですよっ!」

上体を精一杯バタバタさせて抵抗していると、さすがにパワーの差か?ストライクの腕が緩む。その一瞬の隙に思いっきりバーニアを吹かして、間合いを取る。
まさか、模擬戦でこんなことになるなんて、キラには思いもよらなかった。

「ほほー、避けたか。ボーっとしてんなよ!」
「してませんっ!」
「手加減するなっ!パワーセーブして今の俺に勝てると思うな!」
「今の、俺?」

通信の中に混じっていた微かな殺気がいきなり語調と共に強くなる。

「俺よりも先に、彼女の名前を呼びやがってー!」
「え………。えええええ!?怒ってたんですかー!?」
「あったりまえだあぁぁ!!」

ストライクのビームサーベルがフリーダムのシールドを思いっきり撥ね飛ばす。
激しい殺気に冷や汗タラタラ。
どうする、キラ?
種割れするか!?


end



Gundum-SEED PHASE-37
キラ、大ピンチです。
もちろん、マリュ姐さんにも通信は聞こえてます。(笑)
はーずかしー♪

2003.06.28


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