「名前は?」
「キラとカガリに」
「どちらも明るい名前ですね」
「暗い時代だから、な」
父は、闇の中に光を見つけた。
「キラはどういう意味なのですか?」
「夜に、方角の定めとなる綺羅星のように、誰かのために輝ける子であって欲しいと」
「では、カガリは?」
「もっと深い闇夜に、星さえもない暗闇に、優しく燈る篝火のような子であれと」
「どちらにも、期待の大きなことですね」
母は、光る子らを抱きしめた。
「私も、そのような子であって欲しいと、願います」
23.
宝物
end
2003.07.17