006.
喧嘩



 元気印の少女がパタパタと手を振って出て行った。
 中学生…だったのかしら。
 天音ちゃんよりは上で、望美ちゃんよりは下っぽかったし。
 何もかもを全否定する歳の女の子に、この寝坊スケ男は相当振り回されて、振り回したんだろう。

「…あ……あれぇ…?」

 あ、起きた。
 状況が判ってない様子で、視線がゆっくりと移動してくる。

「おはよー、剣崎くん。気分はどう?」
「…どう…って、ねむい…」
「傷は?痛まない?」
「平気…なんでかなぁ、最近怪我の治りが早いみたいな…」

 それはきっとブレイドとの融合係数が上がっているからだと思うんだけど。

「あ、広瀬さん…女の子、いなかった?」
「羽美ちゃんのこと?ついさっきまでいたんだけど、帰っちゃったわよ。剣崎くんが起きるのが遅いから」
「ふぅん」

 剣崎くんの探るような視線。
 怒ってないわよ、もう。

「羽美ちゃん、何か言ってなかった?」

 またデートしてね、って言ってたわよ。

「別に」

 剣崎くんがヘラリと笑った。

「ひょっとして、やきもち?」

 瞬間、グーパンチが剣崎くんの顎に炸裂した。

「いってぇ!何すんだよ!」
「すぐに治るわよ!バカ!」



しまい。




喧嘩というか、痴話喧嘩。(笑)

2004.10.23


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