001.
砂の城



「ちょっと手伝ってくれない?あなたの力が必要なのよ」
 そんな風にディーネが言い出すと、ロクなことがない。
「たくさんの商隊があの砂漠から出てこられないの。というか、オアシスから…なんだけど」
「オアシスの町?砂漠っていうと、ロッカからハズマへ向かう途中の?」
 風の遺跡よりも南側にある砂漠地帯。
 精霊暴走が収まってからは、ようやく緑も増えてきたという噂もあったのに。
「そう。民間から上がってきた話では、あの辺りだけに精霊暴走が残ってるとか…。戦闘になってるという訳でもなさそうだから、軍隊からは多くの人員を裂けそうにないのよ。カーマイン曹長とハズマのウルクとミャムには連絡が取れました。行ってくれますか?エヴァン」
「…相変わらず強引だよな。わあーったよ、行けばいいんだろ!?」


「アンタってジオゲートが使えないとホンットーに役立たず!」
 カーマインが文句を言う。
「仕方ないだろ?砂漠で地脈が安定しないんだから!」
「でも、この辺りってまだ精霊暴走があるみたいだよね。他の場所はもっと緑があったのに」
「確かに風の精霊の気ばかりが強いな。おお、あれがオアシスの町か?」
 ウルクが指差した先に、それらしき集落が見えてくる。
 だけど…。
「おかしいな。人の気配が…!!!」
 町の様相が見えて、一同が息を呑む。
 オアシス中の人間…商人や荷物運びの駱駝までが石化していたのだ。
「…どういうこと?まるで…バジリスクでも出たみたい…気味が悪いわね」
 いつも強気なカーマインもさすがに顔色が悪い。
「しかし、魔物に襲われたようには見えぬ。抵抗の跡が無いぞ」
 ウルクも油断なく戦斧を構えたまま、石になった人々の表情を伺う。

 町の中央。
 一箇所だけ緑色の小山のような樹々があり、滾々と音を立てて湧き出る青い泉。
「あ、お水だぁ!あたしのどが渇いちゃった〜!」
「そーだな…。何も出そうな感じじゃないし、ちょっと休憩しようか」
 引き寄せられるように、全員が泉へ向かう。
 ミャムが嬉しそうに泉の水をすくったそのとき、エヴァンの目にはその水が赤く輝いて見えた。
「ダメだ!飲むな、ミャム!」
「え?どうして…」
 水の精霊からの警告!
「呪いがかけられてる…ここの人間達が石になったのはこの水のせいだ!」
 言いながら、エヴァンが精霊の気を探る。
 すると、薄青い色をした水の精霊たちが、救いを求めるように泉の中央への道を作り、異界へ続く丸い扉が現れる。

『…砂の城へ…』
『あの人を止めて…』
『これ以上悲しみを繰り返さないで…』

「精霊たちが呼んでる…ジオゲートみたいだな。行くぜっみんな!」
エヴァンの後に、カーマイン、ウルク、ミャムと続き、全員がジオゲートに乗ったところで、精霊たちの力が解放されて…。

皆が現れた場所は、砂でできた城…。

一旦終わり。(笑)



常々思ってたコトを実行。
「グランディアエクストリームでソーサリアンみたいなシナリオがあればいいのに〜」
てなわけで。
ソーサリアンシナリオ「呪われたオアシス」をグラX風にしてみました。わっはっは。
全部そのまま書くのはアレかと思ったので、途中まで。
人嫌いな魔法使いが砂漠に住んでたんだけど、オアシスが賑わってんのが気に入らなくて呪いをかける〜ってのがモトの話。
最後のゴールドドラゴンとのバトルがしんどかったねぇ〜。
つーか、私がゲーム下手過ぎなんだけど。
沢田翔氏も「呪われた〜」のマンガ描いてはったなぁ。オリジナル設定のアーパスブレードって水の剣が出てきてさ。…エエ話やった〜。

2002.12.26


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