採血狂想曲

看護職で技術というと・・・やっぱ採血ですねぇ

職業柄、人の手を見ると
「この人いい血管してるなぁ・・・
あそこからとったら目をつぶってもできるやん」

「え、何この手、きれいすぎるで・・・これとるの苦労するで」

などと考えているんですよね
「おたんこナース」という漫画でもそんなネタあったけど
これって事実ですよ


患者さんにとったら、失敗されると結構どころか
かなりいやなんだろうけど

こっちにとって見るとかなり必死です

前の病院のときは
「こんなのも取れないの、役立たずだねぇ」
なんていわれたことありますから

私って不器用でねぇ・・・・失敗することって多かったですよ

で、こんなルールがありました
・一人ができる回数は3回まで
・手を見て、暖めたり、こすっても明らかにできなさそうなら
 血管を壊さないように次の人に回す
・採血するとき、自信がなければ末梢(手のひらとか、足とか)から
・それでもだめなら、医者を呼んで動脈から


こんな感じですねぇ・・・

さて、今回話すのは今の病院の話です

今の病院の人でとりにくいなぁって、人はいません血管だけをとるとね
ただいろんな意味で、ほとんどの看護職員・・・女性だけでやろうとすると
取れない患者さんがいます


どんな患者かというと
・とりあえず男性の患者です
・とりあえず治療行為を拒否します。
・とりあえず
暴れます
・とりあえず
蹴ってきます
・とりあえず
つかみかかってきます
・とりあえず
ベット柵で殴ろうとしてきます

採血をしようとすると、ひと騒動になってしまう患者さんです

まぁ、お薬ですら拒否する患者さんですから
採血なんてやらせてくれるはずはないですから

私だって、こんな人の採血疲れるだけなので
やるのやです

だけどね・・・

その人の採血は私が夜勤入りする前日の勤務の人だったんだけど

蹴られ殴られ、日勤でも蹴られ殴られたそうで

とてもじゃないけど、女性ではできなかったそうです

で、私がいると言うことで

「よろしくね」と採血のセットを渡されました

予測はしていたけどね。こんな事態になるのは

で、朝に3人でその人のベットにいったんですよ

その患者、ムスってしてます
「○○さん、検査のために採血させてくださいねぇ〜」

一応、いきなりやるとあとで何かと問題になるので
一応声かけしてます

「あ”ーなんやて!」

反抗的な態度も予測どおりです


「だから、注射器で血を採らせてね、検査のために、先生からいわれてるから
しないとあかんねん」
とりあえず、下手に必要性を説明
これも、あとあとのためです

「なんでしなあかんねん!」

はい、実はこの言葉待ってました
拒否という事実がほしいんですよ

ということで、後ろの人たちに
「さて、やろか」と一斉に押さえに入ります

患者は
「なにするんや、警察にいうぞ、殺すぞ」
とかいろんなこと怒鳴ってますけど

上半身、一人、下半身、一人で抑えて
あと一人は採血役です

私が上に乗ったんだけど・・・足のロックが遅れてしまって
患者の膝蹴りが
私の顔面、
もっと正確に言うと鼻の下(人中)に
クリティカルヒット

寝起きで反応速度が遅れてましたね
一瞬クラッと来ましたよ。不覚でしたね

ええ、一瞬、私のうちにある獣が雄叫びあげて
起きそうなくらいきれそうでしたよ


そして、採血終了・・・
本格的な問題はこれからです
これから、この患者を解き放つんですけどね

報復攻撃は確実に来ます

まず、相手に凶器を与えてはなりませんから
採血した人にはさっさと離れてもらいます

で、押さえ役の二人は同時にのくんですよ

まぁ、蹴ってくるし、つかみかかってくるし
ベット柵で殴ろうとしてくる


さすがに蹴られたり、捕まれたりするのは防御できるから
何とかなるけど
ベット柵は凶器ですからね・・・

とりあえず、制圧して、ひるんだところを
離脱するんですよ



ええ、このことを医師に報告してます
「犠牲者が増えるだけっす。何とかしてくださいよー」

医師は考え込んで
「どうしようもないんだよね・・・月2回を1回にはしたけど・・・
ねぇ・・・」
と訳のわからないことをいっていたんだよね・・・