僕が泣いた日・・・

看護師成り立てだと、患者に心ないこといわれたり
医者にいわれたり、先輩からいわれたりして
泣くこと結構あります

同期のやつもぼろくそに先輩にいわれ
トイレに駆け込み、涙したそうです
壁を拳で叩きながら


私も、何度も泣いたことあります

今回の話は、結構真面目な話です


その日は大部屋担当で仕事をしていました
てんかんで入院してる患者さんですが
よく話すし、話もおもしろいし、動ける患者さんでした。

ところがリハビリから電話連絡ありました

なんと、その人がリハビリでてんかんの発作を起こしていました

身体は痙攣し、顔面蒼白でした。意識もなかったです

車椅子で病室に連れてこられドクターもよびだされました

私は完全に舞い上がっていました
ドクターからは「しっかりしろよっ!」と怒られましたし

CTを撮ってみるとそれほど異常はないということで
部屋で安静ということになりました

自室に帰ってきたときに患者は意識を取り戻し
それまでのことを全く覚えていませんでした
だけど、恐怖は覚えていたみたいで
涙を流していたんです
先輩は「怖かったよね、怖かったよね」と声かけをしていました

だけど、僕は・・・

「怖かったよね」とも「もう大丈夫ですよ」とも言えなかったんです

なにも言えなかったんです
ただ「怖かったよね」と同情的にいうのは絶対にしたくないと
学生時代からずっと思っていたことなんです

学校では「患者の気持ちを共感する」「痛みをわかってあげる」
なんて教えているけど

僕はそれに従う気にはなれなかった
患者の気持ちは患者しか分からない、僕がどうこう言える問題じゃない
痛みだって僕は痛くないのに「痛いよね」なんて言えない


ちょっとちがうかもしれないけど、きれい事って
私、大嫌いですから


どうしてもそう思っていたんですよ

どうも言えなかった、
しかし、何か言わなくてはならない状況
でも言えない
それがくやしくて・・・
涙が出た・・・わけがわかんないけど涙が出た・・・